大学生×伝統野菜 飛騨美濃伝統野菜『久野川かぶら』
東海学院大学管理栄養学科の伝統野菜プロジェクトチームの4年生です。今日は飛騨美濃伝統野菜『久野川かぶら』の生産者さんのところにお邪魔しています。大学から岐阜県下呂市まで車で1時間半で到着し、山間の細道を上っていくと、下呂市久野川地区に到着しました。
『久野川かぶら』は出荷されていない
『久野川かぶら』を生産されているのは90歳を超えている生産者の方。雨の中、畑で『久野川かぶら』についていろいろ教えてくださいました。
『久野川かぶら』は、栽培されている土地の地名をとって名前がつけられたのが由来なのだそうです。赤いカブで、根の表面および芯部だけではなく、葉や茎まで赤いのが特徴で、漬物にすると紅色が濃く、鮮やかに発色するので、漬物にするととてもきれいなため、昔から漬物用のかぶとして利用しているのだそうです。
もう出荷されていない『久野川かぶら』
生産者の方は現在10人ほどいらっしゃるそうですが、皆さん高齢のため2年前から出荷している人はだれもおらず、自家用として、伝統野菜を守りたいという思いで栽培されているのみになっているそうです。
『久野川かぶら』は、他の地域に持って行って栽培しても赤色がうまくでず、2年で緑色の普通のかぶらになってしまうのだとか・・・この土地でしか栽培することができない貴重な伝統野菜なのだと知りました。
鳥獣被害と気候変動の影響も深刻
畑の周りは、鳥獣被害を防止するための柵で囲まれています。うさぎ、イノシシ、カモシカなどが『久野川かぶら』を食べてしまうことも多いのだとか・・・さらに、いつもは9月上旬に種蒔きをして、11月頃にはカブも大きくなり、漬物用に収穫し、干してから塩で漬けて、12月末から1月にかけて年末年始に食べる漬物として、漬けていたそうですが、今年は9月の高温によって、未だに生育が遅く、いつもの収穫期には収穫ができないそうです。気候変動の影響が大きいこともを知りました。
岐阜県下呂市の飛騨美濃伝統野菜『久野川かぶら』
貴重な『久野川かぶら』をいただきました。大学に持ち帰り、干して、漬物にして飛騨美濃伝統野菜『久野川かぶら』を大切に味わいたいと思います。ありがとうございました。