ウォーレン・バフェット師匠のお言葉から考えること(バークシャー・ハサウェイ株主総会を振り返る)
つい先日、私の師匠であるウォーレン・バフェット師匠が経営するバークシャー・ハサウェイの株主総会が開催されました。
日本引きこもり族の私は当然現地にはいませんが、アメリカのニュース記事を追いかけているので、バフェット師匠のお言葉を所々読ませていただいております。
今回は、そのバフェット師匠のお言葉を翻訳しつつ、思うことを述べていこうと思います。
お言葉1
バフェット師匠と長年パートナーを組んで共にバークシャー・ハサウェイを世界トップクラスの企業に育て上げたマンガー師匠について、バフェット師匠は「バークシャーの建築家」だったと称賛しています。
そして、バークシャーの主な投資スタイルについて、バフェット師匠は以下のように説明しています。
意味としては、公正な価格で購入した素晴らしいビジネスと、公正なビジネスを素晴らしい価格で購入することをあきらめるという意味です。
元々、バフェット師匠は、長期的な競争優位性を有する企業を素晴らしい価格(めちゃくちゃ安い価格)で買うというスタイルを採用していました。
しかし、そのスタイルを貫くと、大きな投資機会を逃してしまうと指摘したのがマンガー師匠です。
長期的または永続的競争優位性を有するような素晴らしい企業の株価が、めちゃくちゃ安くなるなんてことはほとんど無いのです。
大規模な金融危機が起こった場合に一時的に下落することがありますが、その下落幅も他の銘柄と比べると小幅で、思った以上には下がらないということが多いです。
そこでマンガーは、素晴らしい企業を「公正な価格」で買うべきだと主張しました。
バフェット師匠はその手法を採用して、今の投資スタイルを構築しています。
それはつまり、素晴らしい企業をめちゃくちゃ安い価格で買うことを諦めて、公正な価格で買うということを意味します。
これはとても勇気がいることです。
明らかに安いといえる価格で買うより、おそらく適正な価格だろうと思われるところで買う方が難しいのです。
なぜなら、その後に適正な価格以下に下落することが往々にしてよくあるからです。
場合によって半値くらいまで下がってしまうことがあります。
それに耐え切る精神力がないと、中長期投資などはできません。
この点について、マンガー師匠は「最初から半値になっても持ち続けたい株だけ買え」という趣旨のことを言ってます(どの本で言っていたか忘れた)。
マンガー師匠は、昔からメンタル超合金お爺さんでした。
ただ、この考え方は私にもとても大きな影響を与えていて、銘柄選定の際の基準の一つになっています。
バフェット師匠とマンガー師匠は、二人で一人の偉人なのです。
ちなみに、マンガー師匠の投資に対する哲学は、以下の書籍で学べます。
これは必読書だと思っています。
なお、マンガー師匠は元弁護士(不動産専門)です。
お言葉2
バフェット師匠は、今年の株主総会で以下のような発言をしたそうです。
意味としては、以下のとおりです。
「バークシャーの目標は、営業利益を増やし、発行済み株式を減らすことだ。説明するのは簡単だが、実行するのはそう簡単ではない。」
バフェット師匠の経営戦略はいつもシンプルです。
営業利益を増やす(本業でしっかり稼ぐこと)と、発行済み株式を減らすこと(自社株買いによって株を減らすこと)を基本戦略としてます。
発行済み株式総数が減ると、一株あたりの利益が上がりますし、一株あたりの純資産も増えます。
それは結局既存株主がより多くの利益を得られるということを意味するので、バフェット師匠は自社株買いを好んで行います。
私も自社株買いが大好きで、自社株買いの多い銘柄を好んで買う傾向があります。
市場に出回っている株数が減れば減るほど、株式は上がりやすくなる(逆も然り)ので、業績が順調に拡大している間は、株価が上昇し続ける傾向があるのです。
何十年も前からバフェット師匠はスタイルが変わらないし、それで結果を出し続けているので、私も安心して師匠の教えを守り続けられます。
バフェット師匠の銘柄選定における趣向を理解するには、以下の書籍が読みやすいと思います。
ちょっと古い書籍ですけど、未だに通用する内容が多いです。
お言葉3
バフェット師匠は、昔から税金に対する考え方が一貫しています。
今回の総会でも以下のように述べていたそうです。
翻訳しますと以下のような内容になります。
「私の知る限り、ほとんどの人は税金を払わないことにより注意を払っています。バークシャーは税金を払うことを気にしません。私たち(バークシャー)は50億ドル以上を米国連邦政府に納税しましたが、もし他の800社が同じことをしていれば、米国にいる人は誰一人として、連邦税その他の所得税を一銭たりとも支払う必要はなかったでしょう。」
バフェット師匠は、昔から税金を支払うことに何の躊躇いもないですし、むしろ多く支払っているくらいです。
また、慈善活動にも積極的で、自分の資産の大半を寄付しています。
世界トップの株式投資家であり、かつ、世界屈指の慈善家でもあります。
だからこそ、多くの人から尊敬されています。
また、バフェット師匠は、若い頃に買ったボロい家(1958年頃に約330万円で購入したオマハの自宅)にずっと住み続けていて、バークシャー・ハサウェイからもらう役員報酬も日本円でいう1000万円~1500万円程度だけです。
同規模の会社のCEOなら何十億~100億円以上をもらえる功績を叩き出していますが、お金に執着がありません。
私はバフェット師匠を神と崇拝していますが、こういうところも見習いたいと強く思っています。
たとえ将来的に資産が億単位になったとしても、平均的な家に住んで、質素に暮らしていこうと思います。
そして、自分で稼いだお金に対する税金は、速やかに、かつ、適切に支払っていきます。
私は節税というものをほとんどしてない(ふるさと納税くらい)ので、これからもきちんと税金を支払い続けたいと思います。
バフェット師匠の生き方や価値観はとても参考になりますし、その思想が形成された過程を追体験するという意味で、バフェット師匠の人生を細かく描いた書籍を読んでおくとためになると思います。
バフェット師匠自身は本を書いていないのですが、バフェット師匠の人生を調べ尽くして、インタビューしまくって書かれた「スノーボール」という大著(バフェット師匠も公認している伝記)がありますので、ご興味ある方はお読みください。
上中下の3冊あります。
お言葉4
最後は言葉ではなく、行動の話です。
バークシャー・ハサウェイは、約29兆円の現金及び現金同等物を保有しています。
すでに国家予算レベルの金額ですが、バークシャー・ハサウェイとしてもこれは過去最大規模です。
バフェット師匠としては、投資対象となるような魅力的な株価の企業が存在しないという理由でキャッシュポジションを高めている状況です。
バフェット師匠は、近い将来のリセッション(景気後退)を予測していて、株価大暴落の日を待っている状態です。
バフェット師匠の投資スタイルはいつも変わらなくて、大暴落のときに大量に買うというやり方です。
私も同様のやり方で資産を増やしてきました。
バフェット師匠は現在、その来たるべき日に備えて、現金を着実に貯めていっているわけです。
これは我々にも参考になることで、私自身も今キャッシュポジションを高めている状況です。
もちろん、十分に安くなったと思える銘柄が登場したらチビチビ買っていますが、コロナショック時のような大暴落が発生したら、全財産を投資に回す覚悟でいます。
日本株はまだしばらく乱高下が続きそうな雰囲気ですが、浮かれた市場の熱気に惑わされないように注意しないといけません。
ということで今回は、バフェット師匠の最近の言葉をベースにして、思うことを書いてみました。
やはり師匠は何年経っても変わらなくて好きです。
これからも参考にし続けます。
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