イギリスで作業療法士"アシスタント"、はじめました。 (12) グレード5 - 不安を超えたその先に
さて、
もうそろそろいいんじゃないの、
「大丈夫よ。」
と言っても。
イギリスでOT アシスタントももう三年目に突入したんだ。
いやあ、ここまでホント長かった。
勝手にグレード付けて自分の再就職過程を段階づけてきたけれども、
とりあえず、この5の領域に入ったところで落ち着こうかなと思う。
イギリスでは、楽器をひく人たちのためにグレードという認定基準があるけれど、最高グレードは8で、規定された技術をすべて正確にこなせるというレベル。でも私はその領域までは目指さない。
このグレード5への移行を認める(自分でだけど)ことにしたのは、
不安感を乗り越えて、安定走行に入ったと思えたからだと思う。
まだ時々訪れていた朝の不安感。
「今日は大丈夫かなあ…」
「私は一体何が不安なんだ…」
この自問自答を繰り返すうちに、気がつけばそれほど不安を感じなくなっていた。
そして見えてきたのが、自分が目標とするOTとしての質。
それは、
「Good understanding と Positive outcome」
このサービスが私の平均水準として提供できれば、とりあえずいいとしよう、と思った。
思い出したけど、日本で臨床5年目くらいのときに、
「私は丁寧な仕事をしよう」
というモットーを掲げたことがあった。
今は、手技を要しない、そして公共機関のOTをやっているので、置き換えれば、
「丁寧なサービスを提供しよう」
といったところかもしれないが、お国柄か無料提供のサービスがからか、やっぱりそこはちょっと違う。
今は、
「的確なサービスを提供する」
という方がしっくり来る。
そしてその的確な中身というと、
「Good understanding と Positive outcome」
なのだと思っている。
そのためにもチームワークは欠かせない。まだまだ知らないことだらけなのだから。
まだ毎日ひどい眼精疲労状態になるし、更年期症状もあるけれど、これはもうある程度しょうがない。
とにかくこうして日々、質を高めつつ、マネージャーから要求される「ターゲット数」という呪いにも勝利し、ずんずんと強気に仕事をこなせるようになって自信がついてきたことは、我ながら本当に喜ばしい。
そう思い始めたつい最近、
ふと舞い込んできた、上の方のマネージャーからの仕事の依頼。
「OT Weekのためのビデオに出てくれない?」
というものだった。
OT Weekというのは、毎年その1週間の間、OTという職業とサービス内容をアピールする期間で、地域に出かけてパンフレットを配ったりするのだ。
私は、バーミンガム市役所にとってかなりマイノリティーな方面の人種で、だから多様性を売りにしている都市にとって、白羽の矢が立ったのだと思う。
まあ、理由はなんでもいい。
とにかくこれが私に更に自信をもたせたと言えよう。
私を選んで期待してくれるなんて、ありがとう!
ってなことで、速攻「やる」と返事をし、依頼から1週間しか時間がなかったこともあって、自撮りのプロモーションビデオを張り切って作ったのだった。
初めてセルフィースティック(あの短い釣り竿みたいなん)も買ったし。
もう、そのビデオが使われようとボツになろうと関係ない。
もうこれは自分を認めてやろう。
まだ、OTとして登録して、OTとして働くという関門があるけれども、
とりあえず、
「私は、ここで仕事ができている」
ここまでめっちゃぐずぐずしたけど、
頑張ったな、私。
バンザイ、HURRAY!!
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まだ続くかもしれませんが、このシリーズを読んでくださってありがとう。
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