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イギリスで作業療法士"アシスタント"、はじめました。(11)グレード4:失敗を超える、難件を越える。


失敗あり、難件あり、現場で日々鍛えられております。


イギリスで作業療法士アシスタントを始めて丸二年が経ちました。

「仕事はどう?」

と知り合いに聞かれ、未だに「まあ、慣れてきた」という返事をして、
「まだそこ?」と笑い合えるくらいになりました。

しかしこれ、20年以上この仕事に就いている同僚でさえ、
「ずっと学生みたいに学んでる」
という仕事なので、ほぼほぼ私の感覚は間違ってはいないわけで。

この仕事を始めた頃は、マネージャーも同僚も声だけで顔も知らなかったし、とにかく知らないことだらけで、毎日不安との戦いでした。

それが、コロナ禍が落ち着き始めて、対面で同僚に合えるようになり、苦労とプレッシャーをわかち合い、そして、ついに、ついに、私の英語脳はナメクジ並みのスピードで進化したのです。


今までできなかった、人の話を聞きながらラップトップ画面にタイプすることができるようになり。またそのタイプが、単語のメモではなくて、その場で文で記録できるようになってきたのです。これは作業スピードをぐんと向上させました。


これに並行して、私の精神面もかなり鍛えられたようです。
何しろ30代を子どもたちと幸せに過ごして、社会に揉まれていなかったのだからしょうがありません。40代の働き方は、20代で下っ端で働いていたときと何かが違う。10年間すっぽり抜けていた私の社会経験は、単に知識面だけではなかったようです。ベテランさんたちに備わっているあのどっしり感。そこにスピードをあげて向かっていたのかもしれないと今思います。

要は、私の精神力は、失敗と難件によって鍛えられたといえるでしょう。
それまで、難しいケースがくると、途端に不安になっていた私が、この頃には、
「難しいさん、いらっしゃ〜い」
くらいに受け止められるようになっていきました。難しければ難しいほど知ることがあり、これを解決できれば、同様のケースはもとよりその周辺の質問に10倍対応できるようになる、といったものです。それも、ひとえに同僚とのつながりができたからでしょう。


そして「失敗」。
私はこれまでに一度、名指しで批判のコメントを受けました。日本では全くこういうことがなかったので結構なショックでした。
英国で、しかも市役所ということもあり、コンプレインは非常にオープンです。(同時にコンプリメント:称賛もたくさん来ます)この連絡をマネージャーから受けて、私はその人に直に謝罪し、話をしたいと申し出ました。すると、よく聞けば、私の失言は、その場にいなかった第三者に揚げ足を取られたのであって、要は利用者が市役所業務に対して抱いた不満と現状生活への焦りであったのです。
それでも、その発言が不適切だと気がついていなかったのは私の大きな失敗で、そして実はその発言は同僚が使っていた言葉のコピーであったのも事実。こうして不適切な発言が不用意に受け継がれてしまうということも知った案件でした。

この一件は実に痛い学習だったけれども、直に話をし、謝罪をし、不満を知らせてくれたその人にお礼を言うことができたなら、あとは自分のできる業務に戻るのみ。そして多くのマネージャーたちはとても信頼できるポジティブマインドで支えてくれることも知りました。

こうして、大きな失敗や小さな失敗を重ね、この痛みは3日で過ぎ去る、ということを体で覚えていったのです。
マネージャーから言われた嫌なことも、英語で恥をかいたことも、3日で忘れられる。笑

そう思うと、嫌なことがあっても恥ずかしいことがあってもたいしてへこまなくなりました。

失敗は3日で超える。
恥も3日で忘れる。
難しいさん、いらっしゃい。

これがグレードアップした今の私の基準であります。
もう少しこのスピードに慣れて、グレードならぬ低速運転からギア5の強気な高速運転まで楽に切り替えて運転できるようになるのが目標です。


今日もお付き合いありがとうございました。ニコリ


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