作業療法士の持つパワー。
市民よ、いったい私に何を期待しているのか。
カウンシルに勤務する作業療法士は、アシスタントであっても、毎日ジャンジャン市の財源を使っている。例えば、バスリフトというお風呂から立ち上がれない人、お風呂に安全に出入りできない人のための介護福祉機器なんか250ポンドくらいするわけで、これだと一件につき軽く3万円、ポンっと気前よく提供する。全て無料提供である。
マイナーアダプテーションという手摺りなどの小さい設備工事は、1000ポンド(約18万円)以下なら予算申請無しで注文できる。これも市が全額払ってくれる。
これがメジャーアダプテーションという家屋改造になると、作業療法士が推奨する住宅環境条件をもとに多いと3万ポンド(500万円)くらいの助成金を申請することもある。しかし、Means Test といって、市民はその経済状況を審査されて助成金が決まる仕組みだから、誰でも丸々タダで家屋改造ができるわけではもちろんない。
なぜ今日これを書いているかというと、この2年間の勤務で一番理解のない高圧的な市民に立ち向かったからである。ガッツリ疲れた、というか私はもう同じ主張と説明が巡り巡って3回繰り返された時点で密かに逆ギレしていた。
市役所は市民からの膨大な需要とそれにかかる費用に対応していて、当然待ち時間と手順がある。それを受け入れないならそれで良い。自分で金を払って勝手にすれば良い。それなのに、今日明日の話で助成金を要求してきやがった。組織全体、もしくは国の福祉サービス自体を変えない限り通らない要求をナゼ私にしてくる。この私にそんな力があるとでも思っているのか愚か者よ。ちなみにバーミンガム市役所は最近破産宣告したばかりなのよ。
「私達は甘やかされてるわ」
私が日本では医療費も福祉器具にもほぼ自己負担があると教えた時、同僚のOTがそう言った。マジ、そう。今回のような市民の態度を見るとそう思ってしまう。
まあ、OTもそれにあやかって時に無駄な注文をしてしまったりするのだけれど。今日聞いた話では、OTの評価を元に延長工事して作った新しい部屋がシングルベット対応の設計で、箱が出来上がった後で利用者はバリアトリック(肥満患者)のベッドを使うという情報が抜けていたことが分かり、そのために工事をやり直さないといけなかったという。この責任は重いよなー。しかしこの住宅改造のための評価時間は1時間なのだ。1時間の間に、絶対的に必要な条件を見出して、それを家に帰ってこれまた1時間くらいで記録をしないといけないのだ。そのせいか、こうした失敗は決して少なくないようだ。
しかし、言っておこう。私達は一件一件みんなで助け合い学んでいるという姿勢の強靭なOTチームなのだ。そして、ほとんどの利用者は互いをわかり合えるいいサービスユーザーなのだ。
ああ、元気が出てきた。煮えくりたった腹が返ってエネルギーになるわ。
私に目ヂカラがあったら良いのに。ビッと見つめてやればビームが出て相手の怒りをショボショボにしてやるような。こんな乾燥した目ではムリか。
次に同じようなケースが来たら、スッーと黙って、しばらく黙って、さっとマネージャーに送ってやろう。ははっ。
今日はここまでにしておこう。夜、恋愛度の高い韓ドラでも見てウキウキしようと思ったけどあいにく見つからず、それでnoteに向かってみたというわけです。こんな記事を読んでくださってありがとう。あなたにいいことが起こりますように☆