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ずっと気になっている“台湾”のこと

最近、台湾華語の勉強を始めました。

始めましたと言っても、とりあえず買ってみた一冊の教材とにらめっこしているだけ。まだボポモフォを覚えるくだりですが、すでに心が折れかけています。だって……

まったく頭に入ってこないんです!なにもかも!

繁体字はなんかかっこよくて好きだけど読み方が全部同じに聞こえるし、声調の違いは表を見てもよくわからないし、注音記号はなぞの符号にしか見えない(絶望)

そもそも、どうして台湾華語を勉強しようとしてるんだっけ……?


ということで、私が台湾に興味を持ったきっかけを振り返ってみようと思います。モチベーションを上げたい。あわよくば有識者の方から何かしらのアドバイスをいただきたい。

いざ!

きっかけ①留学時代に触れた台湾人のやさしさ


2011年3月。交換留学でオーストラリアに渡って二ヶ月が経ったころ、私はほんのりホームシックになっていた。

そんなとき日本が、それも故郷である東北地方が未曽有の大地震に見舞われ、しばらくのあいだ家族や友人と連絡が取れず、弱りかけていたメンタルは一気にどん底へ。

そんな私を励まし、支えてくれたのが同じ留学生だった台湾人の学生たちだった。講義で会うたび声をかけてくれたり、部屋にこもりがちだった私を遊びに連れ出してくれたり。さらに、日本への義援金を集めようと大学側へ申請してくれたのも彼らだった。

なぜこんなにもやさしくしてくれるんだろう。

恥ずかしながら、当時の私にはそれを察することができるほどの知識がなかった。「台湾」の成り立ち、歴史、日本との関係。何も知らずに過ごしていた。

台湾ってどんなところなんだろう?
台湾人ってどんな人たちなんだろう?

思い返せばこれが、私のなかに「台湾」という存在がはっきりと刻み込まれた瞬間でした。


きっかけ②台湾関連のカルチャー


数年前、台湾が舞台の小説『路 -ルウ-』を読んで以来、「やっぱり台湾に行ってみたい」という気持ちがふつふつと高まっていた。ああ、今度あらためて感想を書きたいです。本当に好き。


手始めに期限間近のパスポートを更新したタイミングで、世界がコロナ渦に突入。各国があっという間に鎖国状態になった。このころから、台湾関連のエンタメを目にする機会が増えていった。

個人的に熱かったのが、台湾発のホラー作品たち。

まずは、台湾発のホラーアドベンチャーゲーム『辺校 -Detention-』。

返校 –Detention- は東アジア、主に台湾の文化と宗教観、風習などを取り込んだホラーアドベンチャーゲームです。

1960年代の白色テロ下の台湾を舞台にしており、プレイヤーは冥府の存在が跋扈する朽ちた学校の中を歩き回り、この恐るべき場所に隠された真実を探し出すことになります。

My Nintendo Store


以前から、声優・花江夏樹さんのYouTubeチャンネルが好きで、特にホラーゲーム実況は秀逸で毎回欠かさず観ていた。そんなある日 公開された『返校』の実況動画。

ゲームの内容はもちろんのこと、いちばん印象的だったのが動画のコメント欄の様子。日本の視聴者のコメントと同じくらい、台湾の視聴者やファンの方々のコメントであふれていたのだ。

『返校』を取り上げてくれた花江さんへの感謝の言葉や、このゲームが題材にしている台湾の負の歴史、それについてもっとたくさんの人に知ってほしいという思いなど、慣れない日本語で一生懸命書いてくれている。

ゲーム内では台湾特有の文化や歴史、怪談めいた風習や神話などがたびたび登場するのだけど、日本の視聴者にはなかなか馴染みがないものばかり。でも、コメント欄で台湾の方々が補足説明してくれているおかげで理解できた。大変ありがたい。

そんなやり取りを見て、なぜかものすごく感動してしまったのです。
あらゆるものが規制され、これから世界はどうなってしまうのかと不安に駆られていたコロナ渦の時期に観たせいかも。涙腺よわよわ。

次はこちら。
Netflixで配信中の台湾ホラー映画『呪詛』。

動画コンテンツの取材で山奥の宗教施設を訪れた際にタブーを破り、心を病んだルオナン(ツァイ・ガンユエン)。その6年後、里子に出していた愛娘と一緒に暮らし始めた彼女に、呪いの悪夢が降りかかる。台湾で大ヒットを記録したP.O.V.形式の心霊ホラー。

「ひとシネマ」/ 毎日新聞


コロナ渦&ステイホーム期を経て毎日YouTubeで怪談を聞きまくっていたせいか、「怖い」の感覚が麻痺していた私。

昨今 国内で公開されているホラー映画を観ても満たされず、「もっと!もっと怖いのちょうだい!」と欲しがっていたところにぶち込まれたのが『呪詛』でした。

私をホラーエンタメの虜にした映画『リング』、『呪怨』、『着信アリ』などの いわゆる “ジャパニーズホラー” を彷彿とさせるような、かと言って決して古くさいというわけでもなく、何とも言えない魅力を感じる作品。

映画レビューできるほど知識がないのでうまく説明できないのですが…… この映画を観て改めて「台湾ホラーめっちゃ熱い!」とテンションが上がってしまったわけです。

ほかにも「太台本屋」が紹介してくれる台湾発の小説やエッセイ、SNSで見かけてひとめぼれしたことがきっかけで初めて飲んだ台湾茶「狼茶」etc……

一度「気になるスイッチ」が入ると、関連するものがどんどん目に飛び込んでくる現象ってありますよね。コロナ渦の私はまさにそれでした。


きっかけ➂魅惑の台湾料理「魯肉飯」


台湾について調べているとよく目にする単語「魯肉飯」。
豚肉を甘辛く煮込んでご飯の上に乗せる台湾の定番料理だそう。何それめっちゃおいしそう。

食べてみたいな~と思っていたタイミングで、大手コンビニチェーン・セブンイレブン様が『アジアングルメフェア』なるものを開催。そのラインナップのなかになんと「ルーロー飯」の文字が!

空気読みすぎですセブン様

おいしい。ふつうにおいしい。なんかカレーみたいな風味がする。同じ香辛料を使っているのかな。この濃い味付けが最高じゃあないか。高菜の塩気もいいアクセントになっている。そして誰が何と言おうとこの目玉焼きは要る。

しかし、食べながらふと思う。

本場の魯肉飯とは全然違うんだろうなあ、と。

それからというもの、地元で見つけた魯肉飯を扱う台湾料理屋さんへ足を運んだり、県外へ行く際は必ず台湾料理屋を探したりするようになった。

東京で食べた魯肉飯。八角が効いていておいしかった。

もともと丼ものが好きだということもあって、あれよあれよとハマってしまった。何度目かの魯肉飯でクラフトジンと一緒にいただいた時なんて、合いすぎうますぎ最高か~!と、感動のあまりちょっと泣いた。

しかしいまの私は、ある程度 日本人向けに味付けされているであろう魯肉飯しか食べたことがない。だから「おいしい」と感じているのかな。

本場・台湾の魯肉飯はいったいどんな味なんだろう。もっと肉臭さがあるのかな。味もさらに濃いのだろうか。台湾ビールと合いそうだ。あ、パクチーは抜いていただかなくてはならない。気になる。気になるなあ。

いつか本場の魯肉飯が食べたい。

そんな夢を抱きつつ、自宅で作れはしないだろうかとレシピを検索する毎日です。

文化の“解像度”を上げるには


大学生時代、同じクラスに日本の漫画やアニメを愛してやまないアメリカ人の男の子がいた。彼は『NARUTO』が大好きで、作品を知った当初、日本にはいまでもニンジャがいるのだと信じていたそう。

彼は非常に勉強熱心で、日常会話で知らない日本語が登場すると「ちょっと待って!もう一度言って!」とメモするのが癖だった。

ある日、その日本語へのモチベーションはどこから来るのか尋ねてみると、こう返ってきた。

「僕は、大好きな漫画やアニメをもっと深く味わいたい。でも、どうしても文化の壁が邪魔をするときがあるんだ。例えば、このキャラクターはなぜこんなに怒っているんだろうとか、話の展開が欧米人から見れば不自然だけど日本人にとっては問題ないらしいとか、そういうモヤっとする瞬間がけっこうある。

そんなフラストレーションを解決するには、日本の文化を知るしかない。文化を知るのにいちばん効果的なのは、言葉を知ることだよ。日本語の意味や成り立ちを知ることで、日本人の美的感覚、死生観、視点の違い、善悪の判断基準を知ることができる。それが、僕の視界をクリアにするのにとても役立つんだ」

「文化」を知るには「言葉」から。

なるほどなあ、と感心してしまった。

もともと自分のなかにないものを真に落とし込むのは根気が要る。でも、一度落とし込むことができたなら、そこから枝分かれするように関連する言葉が広がっていき、必然的に文化の浸透力が増す。

そんなんめちゃくちゃ楽しいに決まってる。

いまの私は、彼と同じモヤモヤに苛まれている。自分の知らない価値観、感覚、判断基準にもみくちゃにされて途方にくれている。上げたいよ。台湾文化の解像度。そのために台湾の言葉が知りたいのです。

台湾では複数の言語が使われていると聞くけれど、まずは台湾華語を知るところからスタートしていいのだろうか。発音が大事とも聞くので、試しにオンラインレッスンや語学教室に通うことも検討してみよう。

パスポートの期限が切れる前に…… 行くぞ台湾!

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