見出し画像

なぜ友達なのかわからない(9)

まだ卒業して間もない頃、Sと旅行に行きました。

当時は彼氏がいなかった私達だったのと、

若かったこともあり、よく遊びに行っていました。

当時はまだ二十代。好きな俳優の話やら美味しいお店の話をしていたので、

険悪な予兆すらありませんでした。


学生時代に彼女との旅行で散々だったにもかかわらず

私、また行っていたんですね。



出発前の空港の免税店でやらかされました。

”ガッチャーン”

なにがあった?と棚の方を見ると、

焦っているSがいました。

Sが香水のテスターを戻そうとした時に誤って手が別のテスターに当たり

瓶が数本落下して割れてしまったのでした。


実は、この数分前に、彼女の肩にかけているバッグが気になっていました。

私も言えばよかったのかなと思いましたが、

その持ち肩危ないよ?と言うべきだったのか、

でも、親じゃあるまいし、とよぎっていました。


そのわずか数分後のできごとだったので、

自分で自分が怖くなりました。

あぁ、やっぱりやってしまったか、、、と思ったからです。

あの時の私は、なんて意地悪な私、とも思いました。

でもバッグが当たったわけではありませんでした。

Sが置く時に自分の手が当たって落としてしまったのです。

でもなんとなく嫌な予感が的中したので、

自分が怖かったです。


香水は匂いがきついから嫌いと言っていたので、

見ていないと思ったのですが、

まさか香水を見ていたとは。


そして、割れた香水のあるそばで、Sはただ

ニヤニヤしていました。

その表情は今でも覚えています。

今で言う”テヘペロ”というんでしょうか、

ちょっと笑いながら上目づかいでこちらを見て、

「ど~しよ~」

と。

手にはテスターが。


彼女はそこから動かなかったので、

連れの私がすぐにレジの店員さんに知らせに行きました。

もちろん謝りながら。

免税店の店員さんは一流ですね。

いろんなお客がいると思います。

大変なお仕事です。

「お客様、お怪我はありませんか?」と言いながら対応してくださいました。

商品ではなくテスターだったのも幸いでした。

破片や液体は店員さんが片付けてくださり、

さすがのSもすみませんと謝っていました。

でも特に悪いことをしてしまったという雰囲気ではなく、

その後も見たいものを見ていました。


もう二十年以上前のことなのに、こうやって令和の時代にnoteに書いている自分は、

本当に執念深い奴だなと自分でも認めます。

ただ、書く事で心の整理をつけることができました。

通っている診療内科の先生にも、

嫌なことは吐き出すのが一番と言われました。

日記もいいそうですが、手がしんどくなるくらい

腱鞘炎になるくらい大量の文字数になるので、

noteに感謝です。



そんなことが旅の始まりにありました。

そして滞在先のホテルに着いたその日のやらかしがもう一つ。

全体的には楽しい旅行でした。

ホテルに着いて荷物を出そうとしたところ、

「スーツケースのキーがない!」

とSが言うのです。


ええ?!それはちょっと初日にやばいんじゃ?!

スーツケースは先にホテルのポーターさんにお願いしていたので、

チェックインまでの時間は街中を散策していました。

そこで、歩いた道を戻ったのです。

もうすっかり夜になっていました。

夜のこの国はちょっと怖いと聞いていましたが、

まだ夕飯時でもあったので、特に危険な時間帯というわけでもなく、

歩いてきた場所もショッピングモールとかカフェとかがあるエリアでした。


2時間くらい歩きました。晩御飯は早めに済ませていたので、

あとはお風呂に入って寝るだけ。


初めての土地で、海外で、しかも夜にスーツケースのキーを捜すのは、

無謀ですよね。


彼女は諦めて、鍵を壊して開けると言い出しました。

ホテルで叩ける工具を借りると。


ふと思い出したのです。

社員旅行でやらかしてくれたお局さん

腕時計がないとかでホテルの朝食を食べれなかった、、

noteを読み返しました、

スタッフの方が用意してくださいましたが、

満足に食べれなかったのでした。

その時のことを思い出したのです。


「ない!ないない!!どうしよー!!」

というデジャブか?と思うくらいあの時と似た状況。

まさかね。

まさかと思い、私が、

「こんなに探してもないなら、もしかしてスーツケースの中とかじゃないよね?」

私はスーツケースのスペアがあったので、貴重品袋とはべつにバッグのポケットにも入れていました。

「え?そんな、あるわけないじゃん!鍵開けてないんだもん!」

と言うので、

「壊す前にちょっと開けてみたら?」

と促すと、Sはしぶしぶスーツケースの鍵を触りました。

すると、

「あ!開いてる!」


と、笑いながら、開いてるー!!と言っているではありませんか。

そして、スーツケースを開けると、バスタオルがあり、その上のど真ん中に

キーが置いてありました。


さすがに彼女は私に謝って来ました。

2時間も歩かせたのは申し訳なかったと。

当時は旅も始まったことだし、良かった良かったでした。


彼女は無意識にスーツケースを開け、そのままキーを上に置いて

そのまま蓋を閉じたらしく、

まったく覚えていなかったようです。


あの時のお局と同じですね。

お局がないない!!と言っていた腕時計は、

肩に掛けているショルダーバッグの底から出てきたのです。


こうやって思い出すと、今なぜあんなにも良妻賢母ぶって、

偉そうにするようになったのか、

今思えば、彼女は依存心が強い人でした。

自分の意見を出しているようで、

他人に出させてさも自分がまとめて解決しているような

そんなこともありました。


彼女は数十年前となんら変わっていません。


もしかして、残念な自分を隠す為に、

強がっているの?


子供の幼稚園時代の3年間(卒園後も継続中)、心的外傷だけでなく、家計のために始めたパート代、高校受験でいうと6校分の入学金くらいになる金額を、あるママ友に搾取されました。ママ友、同僚からのいじめ、ねずみ講ビジネス勧誘に悩まされている方のお役に立てられれば幸いです。