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新しい年はきれいな町で迎えたい


仕事納めをして、
スーパーですき焼きの具材を買って家に着くと、
今年も終わるのだなという実感が
いよいよ、湧いてきます。

母に電話をすると、
お正月は奮発して美味しいお寿司の出前をとるからね、と声が弾んでいました。

ふるさとの
ゆったりした空気とおいしいごはんを想像して
とたんに正月が待ち遠しくなり、
今年の大掃除は早めに
方を付けることにしました。

朝早くからの大掃除。
窓を磨き、クッションカバーを洗って、
台所の細々した部分をていねいに拭いたら、
使っていないものを思い切って捨ててゆきます。
続いて、鏡を磨き、洗濯槽を洗って
冷蔵庫の中を拭いたら、
クローゼットにある服を整理整頓してゆきます。
家じゅうが
着々と綺麗になっていくのが楽しくて
あっという間に時間が経っていました。

おしまいに、ごみをまとめて
収集場所へ持ってゆこうと
私は外に出ました。

そのときです。道端にふと
目につく光景がありました。
潰れた空き缶、コンビニの紙コップ、
煙草の吸殻だったり、使い捨てられたマスクが
そこらに点々と散らばっています。
ごみでした。それは
心無く捨てられたごみたちでした。


見て見ぬふりもできたのでしょうけれど
そのとき浮かんだのは
自分のふるさとの景色でした。
久しぶりに帰った町が
こんなふう汚れていたら、私は悲しい。

それに、自分のお家の中ばかり
せっせと綺麗にして
外のことは放ったらかしというのは、
考えると
なんともチグハグで、
心地の悪い気がしてきます。

新しい年は、きれいな町で迎えたい。
私はひとつ、気合いを入れ直しました。


ごみ拾いといえば、たまにボランティアで
活動されているのを
見かけたことがあります。
調べてみると、ボランティア用のごみ袋は
近くの市民センターで
配布されているようです。
それに、個人でも貰うことができるのだとか。
私は、急ぎ、市民センターを訪ねました。


ひとセット複数枚入りのごみ袋をいただき、
センターを出たところで早速開封。
家から持参した使い古しのトングもありますから
準備はばっちりです。

私は、家までの道のりを
ごみを拾いしながら戻りました。
目に入ったごみは、どんどん拾いました。

家に近づくにつれ、
左手に持ったごみ袋は重たくなり、
その重みが達成感となって
胸に満ちてきます。


みんなが、気持ちよく
新しい年を迎えられますように。
晴れやかな心で
この道を歩けますように。
そして、この町に帰ってきてよかったと
思えますように。
小さな願いごとをしました。




新しい年は
もうすぐそこです。



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ち あ き
これからもあたたかい記事をお届けします🕊🤍🌿