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アジカン リクエストファン投票順に曲感想⑥~センチメンタルな気分に浸るための”スローダウン”~


Planet of the Apes / 猿の惑星

『Wonder Future』 は、他作品よりも資本主義・商業主義への嫌な感覚が強く出てる。そしてそれは、もちろん戦争を焚きつける軍産複合体への嫌悪感とも繋がる。

この曲では、「猿」という言葉が出てくる。もちろん、本物のサルのことではない。

猿と言えば…

息を吸って 生命を食べて
排泄するだけの猿じゃないと言えるかい?

新世紀のラブソング

歌詞の「スクリーンの向こう~」の部分(特にドラム)が、何度聴いても飽きない。

廃墟の記憶

Planet~ のテーマが「欲望」だとするならば、この曲は「希望」「理想」「自由」を歌っている。しかし、「~し忘れた希望」というような形で。

一方で、私たちが「希望」をもっていながらも、ほんの僅かなそれさえも、踏み潰そうとする存在をほのめかす。

ゴミ溜めに咲く花を蹴散らして歩く衛兵

手向けられた祈りを蹴散らして歩く亡霊たち

…というものだ。

この曲は、アジカン版『さよーならまたいつか!』(米津玄師)だと思う。

あのアジカンリスペクトアニメ『ぼっち・ざ・ろっく』の脚本担当・吉田恵里香さんが脚本を手掛けた朝ドラ『虎に翼』の主題歌である。

ドラマは、女性として初めて弁護士となった主人公の活躍を通して、昔の、そして今にも(未来にも?)続く女性(だけでない全ての人)に立ちふさがる差別や偏見をも描いている。

 そういうものが、

遠い昔に忘れ去られたこと

近い未来に忘れ去られること

という歌詞でも示されていると思うのだ。


最果ての街で裸になって生きて行くのか

の部分のコーラスが好き。

最後に一つ。

書類の改竄に勤しむ自警団

とは、公文書改ざんをさせた愛国者(=自警団)のことだと思えてならない。

和田塚ワンダーズ

『完全版』を初めて聴いたときからの印象は、

『由比ヶ浜カイト』から続いての、この曲『和田塚ワンダーズ』でダメ押しのセンチメンタル!!
という感じ。

『完全版』は、

西方コーストストーリー
和田塚ワンダーズ

この二曲の追加で、旧版よりセンチメンタル感が増したと思う。

気になったのが下の歌詞。

胸がギュッとなって思いだした
あの娘の面影も
波のあとに残る砂の模様

最近、「好きだった人の顔が思い出せない」という話題を耳にした。

あんなに夢中になったのに…

極楽寺ハートブレイク

好きすぎて、完成度が高すぎて、逆に語ることがない。
…みんなもちろん好きだよね?(でもこの順位なのか。)

『西方』と『和田塚』が「静」のセンチメンタルとするならば、
この曲『極楽寺』が、「動」のセンチメンタルだろう。

このアルバム(旧版も完全版)のテンションは、ここで頂点に至る。

この曲ですごいのは、

センチメンタルな部分もありつつ、聴いた後の
「爽やかさ」が半端ない、こと。

悲しい歌詞なのに、それを感じさせないくらい、何回聴いても疲れない。

アレンジについて。

色褪せるさ
君もいつか
僕だっていつか
赤紫の花のような心模様

この部分のコーラス「フーウイ―ウー」「心模様~おーおー おーおーウーイェェェェ」も、演奏も好きすぎる。


スローダウン

Baby, Slow down 都会の電車よ

都会とは、資本主義や商業主義が最も進んだ場所だと言えなくもない。

そして、都会はとてもスピードが早い(速い)。

月日が流れて、薄れてしまう。

道に咲いた花に気付くこともない。

ここはスローダウンして、時には立ち止まって、スローなダンスで、センチメンタルな気分に浸ってみてもいい。

そうだろ??

とにかく、コーラスが涙を誘う曲。
そして

彼は今日も君を探して
未だ

の部分のゴッチの裏声が胸を締め付ける。ああ。

おわり


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