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好きなバンドが聴けなくなったのが憎い
失恋してからというもの、エモい曲なんか聴いたら死んでしまうような気がして、全くバンドを聴かなくなった。
私は、エモい曲が好きだ。
失恋していなくても失恋ソングばかり聴いている。あの、しんみりした感じが好きだ。元恋人もそんなタイプだった。
君と付き合う前に私は「indigo la end」を勧めた。「忘れて花束」「雫に恋して」
これらは、多分5.6年前の曲だと思う。長年ずっと私が聴いている曲だったし、きっとこの人も私と同じ属性の人だなって、きっと気に入るような気がして勧めたんだっけな。
「川谷絵音のバンドなんだね。indigoは聴いたことなかったや。絵音の他のバンドよりもこっちの方が好みかも。」なんて言ってくれた。
付き合ってまだ数か月の頃、私たちは旅行に行った。
夜、2人で一緒に撮った写真たちを見返していた。
2人笑ったツーショット、どっちか絶対顔が事故ってたりとか、食べ物とか、景色とか、夜景。
そんな時に君が「そういえば最近indigoのこれにハマってるんだよね。」
今日だけは夏の夜のマジックで
今夜だけのマジックで歌わせて
今なら君のことがわかるような気がする
夏の夜限りのマジックで
今夜限りのマジックで 身を任す
夜明けが流れるまで
夏夜のマジック/indigo la end
旅行の夜、この曲を流しながら、写真を一緒に読み返していたら、なんだか感情がぶわぁぁって高まってしまって泣いた。君はびっくりしてた。
私は、楽しい時、それが終わることを考えて悲しくなってしまう。楽しいことには終わりがくる。絶対に。すごく楽しい楽しい旅行も明日の夜になれば終わる。そんな気持ちと、大好きな人とこうやって旅行に来れて幸せでいっぱいな気持ちが混ざって、もうなんだかよく分からなくなってわんわん泣いた。思い返すとまったくめんどくさい彼女だ。
「また、どっか行こうよ!」君はこう言っていた。
もう別れて一ヵ月以上経ったし、久々にindigo la endを聴いた。
「夏夜のマジック」
イントロで涙腺崩壊だった。
別れてしまって、写真は全部消した。また行こうよも叶わない。写真は消したけど、旅行の景色も、夏の終わりの空気も、手繋いでる時の手汗でちょっと湿った感覚も、抱きしめた時の背中の感覚も何もかもが曲と一緒に思い浮かんできてしまう。
長期記憶は海馬か携わっているんだっけ?私の海馬、こんなことをいつまでも記憶しないで良いから、資格の勉強をもっと記憶してくれよ。
記憶に蓋をするのは勿体無いよ
時間が流れて少しは綺麗な言葉になって
夏になると思い出す別れの歌も
今なら僕を救う気がする
全く救われそうにないよ。
君がいない夏だけど、今年は旅行になんていけないし、花火なんかも中止だから、それだけが私の救いだよ。私にも、別れの歌も僕を救うような日は来るのだろうか。
そういえば、最後に会ったときに車の中で「忘れて花束」流れてたな。
私が勧めた曲だなんて忘れて聴いているんだと思うと、ずるいよやっぱり。
大好きな曲が聴けなくなってしまったのが憎い。
今年は駄目でも、来年の夏はもっともっと笑っていられるように、幸せでいるために、今は目の前のことを頑張るよ。