ブレイブ-群青戦記-
戦国自衛隊が大好きで、漂流教室が大好きなわたくし、この2つを合体させたような内容っぽいこの作品が、大変に気になってました。
あ、ここで言ってる戦国自衛隊というのはもちろん千葉真一さん主演の1979年版及び半村良さんの原作小説のことでありまして、決して「戦国自衛隊1549」のことではありません。
そして言わずもがなですが漂流教室は漫画の原作のことで、映画版のアメリカンハイスクールが漂流しちゃうアレじゃありません。当然のことなのですが、念のため記しておきます。
ということで、ネタバレありの感想です。
オープニングの惨殺シーンはちょっと意外でしたが、あとはベタベタのベタな展開です。安心して観ていられます。
オチまで予想通りの展開で、難しくもややこしくもなく子供向けの漫画のように楽しく見てられます。
キャラの立たせ方も漫画みたいだなー、と思ったら漫画原作でした。
せっかくの歴史オタクも、科学の凄い子もあんまり作戦に活かせてなくてもったいないです。ドローンももうちょっと活躍出来ただろうに。
あ、これは脚本・演出についての苦言ではなくて、物語に入り込んだ上での登場人物たちへの感想です。
死亡フラグで皆さん唐揚げとかウインナーとか母ちゃんのお弁当の話をしだすのが可愛かったです。高校生、図体はでかくても精神は子供ですからね。
漂流教室でもお母さんお母さんでしたからね。男の子は母親です。
とにかく無駄死にが多くて可愛そうでした。もうちょっとやりようあっただろうに・・・。せっかくのアスリート達なのに。
信長ほとんど関係無いし、せっかくの有名な桶狭間の戦いなのに、史実を知ってる未来人としてそれもほとんど活かす機会無し。
1年前にタイムスリップしてた先輩(名前失念)が、あんなに目的と策略を持ってた人なのに、主人公と一騎打ちしてやられちゃうのがさっぱり意味が分かりませんでした。なんで部下に戦わせて逃げないんだか本当に意味が分からない。何がしたかったんでしょう?。
一番凄かったのは、簡単に現代に帰って来れちゃう頭の良いクラスの生徒たちでした。凄いな、高校生なのに、天才集団。彼らがいて良かったです。
そしてあんなに大変なことがあったのに普通に高校生活を送っているっぽい描写。あのヒロインの女子、なんという精神力なのでしょう。普通に考えたら気が狂っちゃうか、少なくともトラウマで同じ学校に通うなんて出来ないと思うんだが、新しく出土された家康の絵を見て「うふふ」って笑うって、ほとんどサイコパス。
あんな恐ろしいことがあった学校、立ち入り禁止にするべきです。またタイムスリップするかも知れないし普通に学校として再開させちゃだめです。
と、いろいろ気になることはありましたが、大変に楽しめる良作でございました。
余談ですが個人的に嬉しかったのは、この一所懸命問題をちゃんと取り上げてくれてたことです。
結論は、戦国時代で戦うなら高校生レベルのアスリートよりもやっぱり自衛隊のほうが強くて盛り上がる、そして学校ごとのタイムスリップは小学生のほうが泣ける、ということです。
「群青戦記」原作読んでみたくなりました。