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【山形の新風】子どもの棋力向上に力

 将棋駒の生産量日本一を誇る山形県天童市。全国大会で数々のタイトルを獲得したアマチュア屈指の強豪・中川慧梧さん(32)は2021年春、東京から移住し、同市の職員となった。各種大会を転戦して「将棋のまち」をPRするとともに、後進の育成にも力を注いでいる。

 中川さんは青森県八戸市出身。小学2年で将棋を始め、対局を重ねる中で徐々に頭角を現し始めた。高校は岩手、大学は京都に進学し、就職は東京の大手機器メーカー。営業マンとして働きながら、19年に全日本アマ名人戦を制した。

 そんな中川さんが東北移住を考える契機となったのは新型コロナ禍だった。子どもの頃から大会で何度も訪れた天童市が候補に挙がり、妻愛実さん(31)が山形県鶴岡市出身だったことが後押しになった。

 移住後、通勤時間が大幅に短縮されたことで将棋に向き合う余裕が生まれ、充実ぶりは結果に反映。22年3月の朝日アマ名人戦全国大会で16年以来2度目の優勝を果たした。22年6月には日本将棋連盟天童支部の会員となり、全国大会に出場する県内小中高生のレベルアップに一役買っている。中川さんは「市からプロ棋士を目指す子どもを増やせたらうれしい」と力を込めた。(山形新聞社)


山形県天童市の職員となり、将棋のまちをPRする中川慧梧さん=2024年7月、同市役所

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