
【読書ノート】瞬考 メカニズムを捉え、仮説を一瞬ではじき出す 異質のキャリアから生まれた思考法
今回採り上げる本は、
『瞬考 メカニズムを捉え、仮説を一瞬ではじき出す 異質のキャリアから生まれた思考法』
著.山川 隆義
です。
この本を手に取った切っ掛け 四季報写経
四季報写経ウーマンさんの下記記事を読んで、
四季報写経って面白そう!
と思い、同記事で紹介されていた本書を手に取りました。
誰にも思い浮かばないような仮説が湧くためにはとにかくインプットが大切です。(大量のインプットをするとどうして仮説が湧いてくるの?という方は、まずは四季報写経の生みの親 山川隆義さんの『瞬考』を読んでみましょう。)
https://note.com/shikiho_shakyo/n/nbf9441c46a6b
書き留めたところ① 6つの要諦
「自分自身で鋭い仮説を生み出す」瞬考の要諦をお伝えしておこう。
それは次の6つである。
①求められる仮説とは「相手が知らなくて、かつ、知るべきこと」を捻り出すこと
②仮説構築をするためには、事象が起きたメカニズムを探る必要がある。メカニズム探索では、「歴史の横軸」「業界知識の縦軸」そして、その事象が起きた「背景」を意識する
③導き出した仮説を「メカニズム」として頭の中に格納し、それらをアナロジーで利用する
④事例などのインプット量が仮説を導き出す速度と精度を決める
⑤「一を聞いて十を知る」人ではなく、「一を聞いて十を調べる」人が仮説を出せるようになる
⑥あらゆる局面でエクスペリエンス・カーブを意識する。
これら6つを、これからの人生で意識、実践していけば、どんなお題を出されても、瞬間的に仮説をはじき出せる人材になっているはずである。
大量のインプットを、時間軸と業界軸で繋ぎ合わせて、抽象化することでメカニズムを認識し、このアナロジーとして未来を想像していく。
仮説をはじき出すとは、頭で考えるというよりも、過去の蓄積から身体で感じるもののような気がします。
書き留めたところ② 四季報写経
ある日、見るに見かねた先輩から、「これを全部入力しろ。どこの会社や業界が儲かっているか分析してくれ。そこの会社にシステムサービスを売りに行くぞ」と言われ、『会社四季報』をどっさり渡された。
当時は、『会社四季報』のCD-ROMはなく、四季報台帳のみだったので、毎日朝から夕方(基本的に暇だったので、夕方の定時には帰っていた)まで、ロータス1-2-3に会社名、売上高推移、経常利益推移、当期利益推移、工場の場所、その期のトピックなどを入力する。
・・・
この四季報入力を、私は「四季報写経」と呼びながら、10年分入力したわけだが、終わった頃には、かなりの会社のプロフィールが頭に入っていた。
新聞を読んでも、雑誌を読んでも、そこに掲載されている会社が何をしているのか、どんな会社なのかが、わかるようになっていた。
未だ、1000社に満たない私の四季報写経ですが、これを10年分(10年分とは、年4冊出る四季報をすべて写経する、すなわち40冊の写経なのでしょうか?)実施するとは、途方もない作業のように感じられます。
個人的には、はやくこの境地に達してみたい。
10年分写経できると、何が見えるのか、すごく気になる。
そんなことをこの箇所を読んで感じました。
読後メモ 歴史の時間軸(1989年から)
最近、四季報写経と合わせて、『情報の歴史21』を斜め読みしています。
四季報写経で、会社設立年月を書き写していますが、自分の中で、情報の歴史21のトピックと会社設立年月を重ね合わせていくことが面白く感じています。
1989年:バブル絶頂(昭和から平成へ)
1990年:バブル崩壊
1991年:ソ連解体
1994年:ネットスケープ・ブラウザ発表
1995年:PHS登場、
1996年:アップルにスティーブ・ジョブス復帰
1997年:山一證券廃業/楽天創業/ヤフージャパン株式公開
1998年:グーグル設立/松井證券国内初のネット取引開始
1999年:宇多田ヒカル、椎名林檎、電子掲示板2ch
2000年:みずほ銀行発足、ITバブル崩壊
2001年:日銀量的緩和政策導入(デフレへ)、9・11同時多発テロ
2002年:ユーロ流通開始、竹中プラン(不良債権処理)
2003年:テスラ設立、六本木ヒルズ開業、ライブドア連日ストップ高
2004年:ミクシィ、アメーバ、フェースブック
2005年:youtube、Web2.0
2006年:ライブドア事件と村上ファンド、ニコニコ動画、ツイッター
2007年:iphne発売、初音ミク
2008年:リーマンショック、コンビニ売上が百貨店超え
2009年:世界同時不況、ビットコイン運用開始、GM倒産
2010年:ユーチューバー、DVDレンタルのブロックバスター倒産
2011年:東日本大震災、福島原発事故
2012年:マッチングアプリ、パズドラ、LGBT
2013年:メルカリ創業、アベノミクス掲げる
2014年:仮想通貨規制、Apple Pay/LINE Pay
2015年:アップル・ウォッチ、
2016年:鴻海精密工業がシャープ買収、東芝再編、TikTok
2017年:任天堂スイッチ
2018年:日産ゴーン会長逮捕、PayPay
2019年:キャッシュレス決済台頭
2020年:新型コロナウィルス、テレワーク拡大
こう見ると、1990年のバブル崩壊から、グローバル化とIT化が加速し、仮想空間が広がり、情報の流通量が増大しているように見えます。
この流れの中で、国内では、
金融機関が再編され、大手家電メーカーが衰退し、ITのハード企業の勃興から、情報プラットフォーム企業の勃興。
この35年で、多くの企業が衰退し、そして多くの新たに生まれた企業が勃興しました。
10年にわたり、四季報写経が出来るとすれば、時間軸の中での企業の栄枯盛衰も感覚的に理解できそうです。
先日、noteに「株式会社技術承継機構」の記事を書きましたが、企業経営においては、M&Aが普及し、企業の栄枯盛衰のスピードも上がることが想定され、飛躍的に成長する企業も出てくることでしょう。
『メカニズムを捉え、仮説を一瞬ではじき出す』
本書に書かれている内容を参考に、私も、仮説を立てて、世界を見ていきたいと思います。
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