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オフィス家具業界について思うこと
最近、四季報写経をする中で、オフィス家具メーカーの業績が好調であることが気になったので、備忘録として書き留めておきます。
◆オフィス家具メーカー好調
会社四季報 2025年1集・新春号
オフィス家具メーカー4社のオフィス家具需要が伸びているとの記載がありました。
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【イトーキ】7972
【最高益】柱のオフィス家具が好調。研究施設向け設備も伸びる。原価上昇を価格改定で吸収。25年12月期は新築ビル増え、オフィス家具の需要旺盛。設備機器も堅調。値上げも通期寄与。最高純益。連続増配濃厚。
【内田洋行】8057
【最高益】オフィス構築案件好調。情報はインボイス特需剥落もライセンスや会議室予約が堅調。公共はネットワーク増強や自治体システム標準化が尻上がりに拡大。人件費増やシステム投資吸収し営業益増勢。
イトーキさん、内田洋行さん、ともに最高益とのことです。
◆オフィス家具について
オフィス家具業界について、詳しいわけではないですが、この業界が複合的なビジネスになっていることは想像できます。
お客様のニーズに対応するためには、「空間デザイン」「インテリアコーディネート」「設計」「ITインフラ」「AV機器」「内装」「オフィス家具」「セキュリティ関連機器」「運搬」「アフターサポート」といった複合的な専門要素を組み合わせて、お客様に提案することが求められます。
また、完成イメージをお客様と共有するため、自社でモデルケースを構築し、見学して頂くことも必要です。
規模感がある施設の場合、これらを綜合的に提案できる企業は限られており、参入障壁が高いものと想定されます。
◆オフィス投資=人的資本投資
また、イトーキさんの資料の中で、「人的資本戦略」という部分が目に留まりました。
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自社の事例として、「インターンシップ応募率向上」「20代、30代の離職率の低下」「生産性実感」等の数字が上げられており、
オフィス投資=人的資本投資
が表現されています。
コロナ禍によるリモート勤務からのオフィス回帰が進む中、オフィスで働くことの意味を問い直し、これがオフィスに投資することに繋がっているように感じます。
◆セーフティーネットとしてのオフィス
このことを考えていた時、そもそも「なぜオフィスが必要なのだろう?」という疑問が湧きました。
これについての自分の意見についても、書き留めておきます。
リモートワークでの勤務は、上司から見て部下のプロセス(頑張っている、工夫している、遅くまでやっている、積極的に動いている等)を把握することが困難なため、成果での評価が色濃くなります。
本来、組織は、評価者である上司が求める成果を上げることが求められるため、リモートワークの環境下でプロセスではなく、成果で評価される色が濃くなることは、組織の評価が本来あるべき姿に近づくこととなります。
しかしながら、会社業績に波があるように、個人も、組織の中で、常に高い成果を出し、高い評価を得続けられるとは限りません。
評価が得られない時、すなわち、組織の中での存在意義が得られない時、人は、存在意義が得られる場所に移りたいと考え、これが離職に繋がる可能性があります。
オフィスという物理的な環境は、そこで一緒に働く仲間との間で、このような状態に対する緩衝材として機能していると考えます。
ある時期、パフォーマンスが上がらず、組織の中での存在意義を得ることが出来なかったとしても、一緒に頑張ってきた仲間ともう一度頑張ってみようと、横のつながりの中に自分の存在意義を見出し、組織に留まり、もう一度、頑張ることができる。
このような環境を作ることが出来ないと、組織の中に留まれるのは、確率論的にわずかな、成果を出し続けられる人だけになってしまう可能性があります。
リモートの環境下において、誰もが、組織が求める成果にまい進し、仮に求められている成果が出せずに、評価が得られなかったとしても、自身の不足を捉えて、自ら改善し、自ら率先して周りに働きかけ、成長を希求する人ばかりであれば、オフィスは必要ないのかもしれません。
しかし、そのような「強い人」はごく僅かです。
同じ場所で働くことで、誰かが自分を気にかけてくれていることに、自分の居場所を感じて、この場所で頑張ることができる。
人の弱さかもしれませんが、オフィスはそんなセーフティーネットであるように感じます。
出社したいと思えるオフィスを作ることは、組織の中でのセーフティーネットを築くことに繋がるのかもしれません。
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