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組織が持っているダイナミズムをコントロールする【読書ノート】「組織という有機体」のデザイン
組織で仕事をする上で、組織が目指す姿を言語化し、組織の構成員の中で共有することは大切なことです。
そんな中、下記書籍の中にある
『組織が持っているダイナミズムをコントロールする』
という言葉が気になったため、本書の該当箇所と所見を書き留めておきます。
書き留めたところ『組織が持つダイナミズム』
組織の場合、「あちらを立てればこちらが立たず」の状況に直面した場合には、最初はどちらかを選択し、どちらかを犠牲にするのがよい。当然ながら、選択したほうはうまくいくが、犠牲にしたほうはだんだんうまくいかなくなる。
そして頃合いを見計らって、タイミングを見極めたうえで今度は逆にする。最初に選択したほうは、それでも元の木阿弥にならない。最初の慣性が残っているからだ。これを繰り返すことで、全体の底上げが図られる。組織とは、このように縦にしてみたり、横にしてみたりしながら、組織が持っているダイナミズムをコントロールすることで、成長・発展させることができる。
組織に静的な絶対解はないでしょう。
環境が常に変化しているため、ある環境に適応した組織は、環境が変化した後、その適応が、不適応につながります。
組織が抱える矛盾を踏まえて、右に倒れたり、左に倒れたりしながら、動的平衡、絶えず動きながら絶えずバランスを取り直している、そういう状態で継続していくのが組織なのでしょう。
サイボウズさんの記事
最近、サイボウズさんの記事(2024年10月29日 08:00)が目に留まりました。
背景には、新しく入社したメンバーや採用候補者から「サイボウズなら働き方を何でも自由に選べる」と、極端な解釈をされるようになってきたことがあります。
社内でも、個人的な希望を実現できることが前提のようにとらえられ、マネジャーがメンバーとのコミュニケーションに苦慮する場面が出てきました。
「わたしはこの時間、この場所で働きたい」と強く主張されても、業務内容やタイミングによってはかなえられないことがありますからね。
そこで「100人100通りのマッチング」という表現に変えたんです。
多様性を許容することは、多様性を許容しないという多様性の否定を引き起こしたり、多様性という言葉が解釈のズレを引き起こしやすくなってしまいます。
正しいとか間違ってるではなく、目指す状態に向けて、動的平衡を試みていくこと。
組織という有機体としての動的平衡
組織における動的平衡で言えば、組織のシステムを変更することもあれば、組織内で流通する言葉を変えていくこともあるでしょう。
特定の静的な正しさに固執するのではなく、組織を有機体と捉えて、動的平衡を試みてみること。
このイメージを組織内のメンバー間で共有することは、価値あることかもしれません。
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