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東北におけるダム・ポンプ機能としての仙台
1995年をピークに人口が減少しており、2040年には673万人と2019年比で22.3%減り、全国比6.1%まで減少すると推計されている人口減少地域、東北地方。
その中で、2020年国勢調査で過去最多109万7196人となった仙台市。東北の「ダム・ポンプ機能」となっている仙台市について、今回見ていきます。
東北のダム機能・ポンプ機能を果たす仙台
岩手、宮城、福島3県の計127市町村のうち、仙台市は唯一、転入者数が転出者数を上回る「転入超過」の状態を2011年以降、維持し続けています。
東日本大震災が他県からの転入者増の契機となりましたが、東北における人の仙台集中の流れは、継続しています。
また、仙台に流入した人は、首都圏へ転出していく。
「東北のダム」としての仙台、東北から「首都圏へのポンプ」としての仙台。仙台にはこの両面があると見て取れます。
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また、宮城県の中においても、仙台市及びその近隣への集中は、顕著となっています。
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仙台市若林区、太白区の震災後の人口増加
「多くの被災者をすぐに受け入れられる場所があった」。仙台に人口が流入した理由について、市関係者は口をそろえる。
その場所の一つが、仙台駅から5キロ東の仙台市若林区荒井地区。住宅と農地が混在する約150ヘクタールの広大な土地の開発が1986年、市の主導で始まった。市で2本目となる地下鉄の開業を見据え、宅地の造成が行われた。しかし、バブル崩壊以後は停滞気味に。民間開発を含めた造成予定地の4割は未着手だった。
地権者らでつくる荒井西土地区画整理組合の理事長だった伊藤敬一郎さん(72)は「計画を縮小するしかないと思っていたところに、震災がきた」と振り返る。東隣の荒浜地区は津波で壊滅、全988世帯が被災していた。伊藤さんのもとにはすぐに、市から土地提供の要請があり、夏には被災者の集団移転先となった。
2021/03/03 読売新聞オンライン
同市太白区でも、長町地区の旧国鉄貨物線跡地などで区画整理を終えた時期と震災が重なった。同地区には災害公営住宅が高層マンションと並んで立つ。開発地域の人口は約8500人、震災前の3倍近くになった。
2021/03/03 読売新聞オンライン
東日本大震災の被災者の受け皿となり、旺盛な住宅需要を背景に、更なる雇用創出が他県からの継続的な流入増を引き起こしている仙台。
特に、仙台市若林区、太白区が人口増加を牽引しています。
この事実から企業が考えること
復興需要が減退する中、東北地方の建築投資額は今後、減少が見込まれます。また、働き手の不足についても今後さらに顕在化していきます。
※下記記事参照下さい。
この状況を踏まえて、企業が考えることは、以下の点です。
東北地方で人材を採用する際は、仙台の基準を参考にすること
仙台に採用拠点を置く場合、東北地方全体に採用エリアを広げることが出来ること
女性、外国人の活用も視野に入れた環境作りが必要となること
1.仙台市基準での採用
仙台市以外の東北地方の企業が採用活動を行う際、仙台市の賃金基準をベースに募集を行わないと人が集まり難い事態が想定されます。
仙台市以外で暮らしている若年層は、自分が住んでいる地域の未来に明るい展望を頂いていないはず。
その中で、仙台の求人よりも劣後する求人を出しても、なかなか人が集まらないという状況になる可能性が大です。
2.採用拠点を仙台に置くこと
仙台に採用拠点を持つ企業が、その他の地域の人材を集めていくことは可能性としてあり得ますが、仙台以外の地域の企業が仙台の人材を集めていくことは可能性として厳しいと考えます。
そうなると、採用強化を検討する東北地方の企業は、採用拠点を仙台に置くことも視野に入れていくことが求められます。
3.女性、外国人活用も視野にいれた環境づくり
人材採用の難易度が上がる東北地方において、女性、外国人が活躍できる職場を作ることは避けては通れない課題です。
実際に採用の幅を広げながら、育成・定着できる職場環境を整え、積極的な対外的PRを行うことも求められます。
まとめ
東北地方において、ダム機能・ポンプ機能を果たしている仙台。
この環境を踏まえて、東北地方の経営者の皆さんは、採用活動をどのように行うかが課題となります。
採用活動は、育成と定着がセットと機能させるべきものです。
東北地方の経営者の皆さん、東北地方の現状と未来を踏まえた採用・育成計画、立案・実行できていますでしょうか。
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![穿つ@組織コンサルタント](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/169786732/profile_b44a090f8bc607a4387a63eb4f7251d6.png?width=600&crop=1:1,smart)