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東北地方の社長年齢と事業承継

人口減少、高齢化が全国に先駆けて進んでいく地域となっている東北地方。

東北地方の社長の平均年齢はどのようになっているのでしょうか。
今回は、東北地方の社長の平均年齢とそこから見える事業承継という課題について見ていきます。

東北地方、社長の平均年齢は?

全国の社長の平均年齢は62.49歳で、前年から0.33歳伸びています。調査を開始した2009年以降、2019年の0.43歳アップに次ぐ伸び率で、社長の高齢化が進んでいるとのこと(東京商工リサーチ「全国社長の年齢調査」より)。

東北地方でみると、社長の平均年齢はどのようになっているかと言えば、
 全国 2位:秋田県 64.53歳
 全国 3位:山形県 63.96歳
 全国 4位:岩手県 63.96歳
 全国 8位:青森県 63.49歳
 全国14位:福島県 63.20歳
 全国33位:宮城県 62.48歳
東北地方は、全国トップ10に4つの県がランクインする社長年齢が高齢化している地域と言えます。
ちなみに全国1位は高知県で、6年連続トップの64.61歳とのことです。

社長は何歳まで出来るのか?

全国的に高齢化が進む社長ですが、では何歳まで社長が出来るのか。
これも参考になるデータがあります。

2020年に休廃業・解散した企業では、社長の平均年齢は70.23歳で、初めて70代に達した。生存企業の平均年齢(62.49歳)との差は7.74歳で、前年(7.45歳)より0.29歳広がった。
「休廃業・解散」企業の社長の年齢別分布は、70代以上が59.7%と約6割を占める。代表者の高齢化が事業継続を断念する理由のひとつとみられる。

東京商工リサーチ2021.08.04「全国社長の年齢調査」

休廃業・解散した会社の社長の平均年齢が約70歳ですので、東北地方の社長の平均年齢が64歳だとすれば、その差6年です。
少なくとも70歳になる前までに社長交代を行わなければ、高い確率で「休廃業・解散」となってしまいます。

60歳以上の経営者は事業承継を考えているのか?

東北地方の社長の平均年齢が64歳、残り6年で休廃業・解散の可能性が高まる中、社長は、事業承継について考えているのでしょうか。
これに関するデータが、下記調査から分かります。

帝国データバンク【事業承継に関する東北6県企業の意識調査(2020年)】

この調査資料によると、「計画があり進めている」が60代経営者で25.3%、70代経営者で38.5%。
一方、「計画はない」が60代経営者で32.7%、70代経営者で26.0%となっており、60代で準備しながら、70代で計画を進める。そして80代の経営者になると、進めることが出来なくなる、という流れが見て取れます。

帝国データバンク「事業承継に関する東北6県企業の意識調査(2020 年)」より

そもそも東北地方の社長に後継者はいるのか?

事業承継に関する計画を考える60代の経営者。そもそも東北地方の経営者は後継者がいるのでしょうか。
これについても、データがあります。

帝国データバンク「全国企業「後継者不在率」動向調査(2021年)」

このデータによると、全国の後継者不在率は61.5%となっています。
東北地方6県で見ると、後継者不在率は以下のとおりです。
 青森県:59.8%
 岩手県:65.4%
 宮城県:60.7%
 秋田県:69.9%
 山形県:56.5%
 福島県:54.2%
全国平均と比べて、著しく高い数字とはなっていませんが、約6割の社長が後継者不在となっています。
親から子へ引き継がれるイメージの強い事業承継ですが、社長の高齢化が進み、早期事業承継が望まれる中、後継者不在となれば、非同族への事業承継が今後加速することが予想されます。

事業承継の種類

社長の高齢化が進み、早期の事業承継が望まれる中での後継者不在。そうなれば親族以外の中から後継者を選ぶ必要があります。
ここではあらためて「事業承継の種類」について見ていきます。

事業承継については、以下のページがまとまっていますので、これを参考に見ていくとします。

中小企業庁 財務サポート 事業承継とは

上図「事業承継の種類」から見て分かる通り、事業を継続する前提で、親族以外の方が事業を承継する場合は、「従業員承継」もしくは「M&A(社外への引継ぎ)」のいずれかの選択肢となります。

親族外承継としてのM&A

最近、東北地方で組織コンサルを行っていると、M&A(社外への引継ぎ)を検討されている社長とお会いすることが増えています。
従業員のことを考え、比較的規模が大きい会社へのM&Aを希望されている社長が多い印象を受けています。
この流れの中で、東北地方の企業が力のある経営者の下に集約化され、生産性が上がることを願う次第です。

まとめ

社長の高齢化、早期事業承継の必要性、後継者不在、これらが企業のM&Aを加速し、政策もこれを後押ししています。

中小企業庁は 4 月に「中小M&A推進計画」を策定。後継者難などによる中小企業の休廃業防止に有効な手段としてM&Aを主軸に据える方針を明確に打ち出すなど、事業承継の支援フェーズはより踏み込んだ具体的な内容へ移行している。

帝国データバンク「全国企業「後継者不在率」動向調査(2021年)」

東北地方で、組織コンサルを行うにあたって、事業承継は避けては通れないテーマとなっています。
以降も、自身の経験をもとにした事業承継に関するお役立ち情報をこのnoteでは掲載して参ります。
宜しくお願い致します。


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