無題/戦争画をテーマにした物語(第4部のつもり④)
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ついさっき再会したばかりだという小笠原君と平澤君を椅子に座らせ、さっそく質問責めにしてやろうか、というところではあった。しかし懐かしい顔が一度にふたつも揃ったものだから、どこからどう攻めていけばいいのか、まるで見当がつかない。当然ながらふたりそれぞれの話をじっくり聞きたいし、こちらだって近況報告をしなければいけない、話したいことは山ほどある。おまけに再会の嬉しさもあり、すっかりわけが分からなくなってしまった。
お茶を持ってきた父に「ご無沙汰しています