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変えられるのは自分だけ

今日はビジネスコーチとして私が見てきた事例のなかで、私自身も実体験として確信していることを皆さんにシェアしたいと思います。

それは、「他人や環境は変えることができない、できることは自分が変わることだけだ」ということです。

先走ってこの話しの結論を言ってしまうと、「人や環境を変えようと思うな、自分が変われば周囲が変わる」

ということです。

私は何人ものクライアントの人たちがこうつぶやくのを見てきました。

「部下たちが主体的に動いてくれないんです」

「なかなかチーム運営がうまく行かないんです」

「上司との相性が悪くて、どうしたら理解してもらえるのか途方に暮れてしまいます」

私自身も同じように思ったりした時期もありましたが、ある時からこういう嘆きは一切しなくなりました。

それは、「私たちは鏡の中で影響し合って暮らしている」と思えるようになったからです。

これはどういうことかというと、「周囲の人が私に示す態度は、私が周囲に対して示している態度の鏡写しだ」

ということです。

これは私の経験上もほぼ間違いのない真実です。

この考えに沿って言うと「部下が主体的に動かない」のは、自分が部下の主体性を奪う動きをしているからだと解釈できます。

つまり、部下の姿は自分の影響によって鏡となって返ってきているということです。

そして「部下が主体的に動かない」という人は、必ずといっていいほど「自分でやった方が早い」と言います。

私もそうでした。

「部下が動かないから自分でやる」というのですが、どうやら「自分で何もかもやろうとするから部下が動かない」という方が正しそうです。

同様に、「チーム運営がうまく行かない」という人にも、実に頻繁にお目にかかります。

部下が主体的に動かなかったり、チーム運営が思うようにいかなかったりした場合、多くの人は真っ先に「原因は相手にある、相手を変えよう」と思うのですが、これはほとんどのケースでうまく行きません。

でも、他人に向けた指先を自分に向けてみて、部下が動かない原因が、もし自分にあるとしたらどんなことが思い当たるかと考えてみる、つまり視点を変えて考えてみることができると、何か気づくことがあるかもしれません。

今から2年半前に初めてお会いしたある大手電機メーカーの経営企画担当の方は、その時の直属の上司から「お前のことは何一つ認めていない」と言われ、上司との関係でとても悩んでいました。

ところが最近とても明るくなっているのでその辺のことを聞いてみたところ、その上司との関係はとてもうまく行っているということで、何があったのか尋ねてみたらこういう答えが返ってきました。

「上司を変えようとしたって無理だとわかり、できるのは自分を変えることだけなので、できるだけ反応しないようにして、自分の上司に対する態度や姿勢を変えてきたんです。

そうしたらいつの間にか上司の対応が変わってきて、今ではとてもうまく行っています。1年かかりましたけどね(笑)。」

すべての原因を自分自身に手繰り寄せて、世の中で思い通りに変えることができるのは自分自身だけだと腹を決めれば、どんなふうにでも変われるし、それによって周囲の人も不思議と変わってくるものです。

今年一年、皆さんはどんな風に自己変容をとげていきますか?

いや、俺は自分を一切変える気はない、という人も世の中には大勢いると思います。

それはそれで信念としては尊重しますが、そんな方には私はこう質問します。

「それによってあなたが得るものと失うものは何ですか?」

確実に言えることは「世の中はものすごいスピードで変わっている」ということ、そして「他人を変えることは容易ではない」ということです。

自分を取り巻く周囲を変えるための一番早く有効な手段こそ「自分が変わること」です。

そして自分が変わると、しばらくすると周囲の景色が全く違ったものになっているはずです。

あなたは今年、あなた自身の何を変えていきますか?

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