【自分より上の人、下の人】
ある日、ぼーっとしながら、とある人物のことを考えているとき、オレはその人を〈見下している〉事に気がついた。
自分が他人を見下しているという事は、〈他人は自分の鏡〉に照らせば、自分を見下している事になる。
自分の中に〈人を見下す自分〉という部分があるという事になる。
どういう事だろう?
その人物は
〈オレより頭が悪く、学歴も低い。〉
〈特に偉業を成しているようには見えない。〉
〈人はいいが、左脳が弱くて人を傷つけている事さえ気がつかない。〉
と、文字にすると急にエグい事を思っている自分に気づく。
自分の同僚はオレより上か?下か?
後輩はオレより上か?下か?
なぜそう思う?
…自分に質問すると、意外にエグい事を思っている。
オレの中には〈誰かを見下す〉という部分があるという事だ。
その〈誰かを見下す〉という部分を、ある人物に写し、反射させ、まるでそのイヤな部分が、あたかも相手のモノであるかのように錯覚させる。
しかし〈相手は自分より学歴が低い〉というのは事実だ。オレはいつも「事実だ」というのを、言い訳にして、〈思ってもいいこと〉にしていた。悪い事を思っている自覚はあったのかも知れない。
〈相手は自分より学歴が低い〉からと言って、世界は何も変わらないし、無くなりもしない。
その事実は本当は何も意味がない事実だ。