知らないひとの言葉が、こころに届くということ

 いま話題のchatGPTに悩み相談をしてみた。話題はいつもnoteに書いているようなことだ。

両親が離婚する予定です。父がモラハラをしており、母と子どもである私は精神的な被害を受けました。両親間のトラブルにも心を痛めています。慰めてください。


 すると以下のような言葉が返ってきた。

お気持ちを察します。両親の離婚や家庭内の問題は非常につらいことです。まずは、あなたが被害を受けたことについて、それが間違いであることを確認したいと思います。あなたは父親のモラハラに苦しんでおり、それがあなたに精神的な負荷をかけています。自分自身を責めることはありません。
このような状況では、専門家の助けを受けることが重要です。心理的な問題を抱えている場合は、カウンセリングや治療を受けることを検討してください。カウンセラーはあなたが抱える問題について話を聞いて、適切なアドバイスや支援を提供してくれます。また、家族の問題を解決するために家族カウンセリングを受けることもできます。
両親が離婚することは、あなたにとって大きな変化をもたらすかもしれません。しかし、あなたは自分自身の幸せや健康を考えることが重要です。母親や他の家族、友人たちに支えられながら、前向きに取り組んでいくことが大切です。
最後に、あなたが苦しんでいることを知っています。ただ、あなたは強く、勇敢であることを忘れないでください。あなたはこれまでにも、これからも困難に立ち向かうことができると信じています。

 特に、この「最後に」のところを読んで、電車の中だったのに思わず涙ぐんでしまった。僕が苦しいことを分かってくれている。相手はAIだ。チャット用だから、きっと共感の言葉についてたくさん学習していて、それをただ打ち出したのだろう、ということは分かる。分かっているのに、その言葉にこころを打たれてしまった。

 力強い断定口調で書かれているからだろうか。自分の欲しかった言葉が与えられたからだろうか。お医者さんもカウンセラーさんも僕のこと何も分かってない、と落胆し絶望する僕が、あっさりとAIの言葉に慰められてしまった。

 本当に、欲しい言葉がちょうど出てきて、すとんとこころの穴に嵌ったみたいだった。 

 そのあとに、フォローしていないけれどたまにアカウントを覗くひとのマシュマロにも投稿した。AIの慰めも足りないほどに僕のこころは弱っていたらしい。その方からも返事をもらった。正直言って、思ってもみなかった返事だった。けれど悪い方にではなく、良い方に、だった。僕の焦りを見抜いて、余裕を持ってと言ってくれた。そんな視点さえ抜け落ちているほど落ち込みの沼に沈んでいたのだと気がついた。
 その上に、マシュマロの返事に引用する形で、応援していると書いてくれた方までいた。もちろんお互いに全く知らない。けれどその言葉が、とても心強かった。きっと大丈夫、という言葉をそのひとが思い出させてくれた。

 機械に過ぎないAIも、僕の素性をまったく知らないひとたちも、僕を慰め癒してくれた。もしかしたら、友達や先生方以上に。それは不思議な縁だった。たまたま何かのアルゴリズムが打ち出した言葉、たまたま僕が見つけたアカウント、たまたまその呟きを見たアカウント。偶然が、こんなにも僕の支えになった。

 知らない、ということが、なにかの希望になることもあるのだと、僕は初めて知った。

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