このままだと持続性がない気がする件
わたしは今まで走り続けてきた。そんな気がする。小中高、なんなら保育園の頃から「いい子」をしていた。優等生のレールから外れたことはなかった。家では父親の理不尽な怒りが支配していた。それでもわたしはグレることも家庭内暴力をすることも引きこもりになることもなく、とりあえずいままでそれなりに「真っ当な」人として生きてきた。
ひとつだけレールを逸れたとしたら、それは大学院を中退したことだ。就活をする気も起きなかった。その時医者には抑うつ状態だと言われた。研究室の空気が合わなかったので、適応障害みたいなもんだろうと思った。
別に戻っても研究室が変わる訳じゃない、もうあんなところに戻りたくない、そう思って大学院を辞めた。けれどその後のあてがない状態ではなく、資格職に就くために別の大学に合格してから辞めた。
その仕事もやりたいと思った仕事だし、今でも悪くはないと思っている。だから大学はきちんと卒業したい。けれど、やっぱり、走り続けてしまったような、そんな気がする。
大学院を辞めて暇になったあとは週5でバイトをして学費を稼いだ。大学ではそれなりにちゃんと勉強して、義務でも何でもない研究もした。
だからわたしの少し変わった経歴も、やりたいことが見つかったんだね、というポジティブな見方をされることが多いし、わたし自身もそういうふうに見せている。
でもわたし、大学院を辞めると決めた時は、やっとレールを下りることが出来ると思ったのだ。もう頑張っていい子をしなくても良くて、優秀なふりもしなくてよくて。一度挫折を味わって、ちゃんと立ち上がろうと思ったのだ。
それなのに今も「いい子」のままだ。鬱病と不安障害の診断が下りて、それが良くなる気配もないまま、騙し騙し敷かれたレールの上を歩く。大丈夫ですよ、病気なんて辛くないし、普通にやってますよ、という顔をして。
でもそれは細い細い綱の上を何とか渡っているみたいな状態だ。実際に一度は死のうと思って実行した。本当はもうここから一度降りてしまいたいのだと、どこかでは分かっている。でもまだギリギリ出来そうな気がして、だからそのままでいる。レールを外れるのは怖い、だって、一度も「いい子」を辞めたことないんだから。
このまま騙し切ったとして、その先に待っているのも同じ綱渡りだ。もうどこかで落ちることは決まっている、そんな気がする。ロープが切れてしまいそうだ。それは倒れるか、自ら死を選んでしまうかのどちらかで、苦しいまま人生が終わってしまう。
もういい子なんて辞めよう。何度もそう思う。勇気が出ない。無理なんですって言えない。病気が良くなる気がしない。どうしたらいいんだろう?このまま漫然と進んではいけない、それだけが分かっていて。