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無意識に脱構築的なコミュニケーションをしている。

あらゆるイライラしてそうな人と会話をする時によくする「逃げ/距離を置く/はぐらかす」的な言葉はとても役立つなんてのは普通の話ですが、僕はこれからその普通の話をします。

「脱構築」はデリダやらドュルーズやらなにやらと、まぁ現代思想やファッションなどでもよく使われる言葉ですが、これは会話でも応用可能なのでしょう。ついさっき千葉雅也の「現代思想入門」を読んだので、色々人生で実践での脱構築などを考えてみたのですが、記憶の中でよく無意識にやってたあれとかそうなんじゃない?とか思い出しました。
つまるところ「脱構築的なコミュニケーション」において言えば「相手と私がそのままの状態でいる」事だと私は軽く考えてます。相手がどんなに隠れたクズであったり無知であっても、「そのままの状態でどうぞお喋りになって」といったスタンスを僕はとってたりすることがあります。もちろん普通にそんなこと考えずにベラベラとギャルみたいに喋る時もありますが、たまに、あっ、この人イライラしてるかもと思った時に切り替えることが最近特に多いですしその度に「マジでそろそろダルいな」とか思うことほんと多いです。

僕は基本的に本質的な会話が好きです。ですが、本質的な会話というのは仲の良いと思っている相手とでもたまに相手を傷をつけてしまうということは避けられません。
どんな相手とでも基本的なマナーとして相手を傷つけたくないように話を進めているつもりなのですが、僕はうっかり人を傷つけてしまっているのです。そして傷ついた相手は、そのような痛みの借りを晴らすかのように、相手のスマートさが一瞬だけ一変し、苛立った言動を僕にぶつけたりします。

僕も人間なので基本的にイライラしますが(現代思想的に言えば、同一性ってこれ?)、それを見せるのは殆どかわいいとも言える演技という効果に乗っ取って中和させて伝えることをしますが、特に切実に思っていたり、イライラしている人間は、殆ど滑稽ともいえる真剣な態度で相手を貶めようとする言動や皮肉がたまに垣間見えるのです。僕はこういう人を「幼稚な人」とよく思います。

僕はそういう瞬間にたまに遭遇しますが、昔から人を無意識に怒らせることには基本的に慣れているので、この場合は相手に僕は君と喧嘩するつもりは鼻からないということを伝える為に、そこで初めて道化になったり、軽く演技して「仰る通りですね。」とか「僕はさっきからずっと意味不明なことばっか言ってますよねー。」とか殆ど思ってもないことを平気で答えます。大体、瞬間的に人が変わるなんてことは相手が心を開いていない限り無理なので、まずイライラしている相手に対しては、相手の目線に立って相手と同じように「僕」を貶めようとして急に仲間意識を持たせたりとかするなどします。案外この雑とも言える返しで、相手が「私の勘違いだったかも」と思う人は多いんです。そしてほとんどこの時の僕の感情は少々の焦りと笑いが混じって結構楽しんでいるのを白状しますが、最近はもう反射的かつ作業的にやっていることが多くて。イライラしている人や真面目な方が多いのをお察しします。僕もイライラしたりするし真面目なのですが。

最近ずっと思っているのですが、会話なんてものが一番面倒くさくてリスキーで分かり合えることなんて殆どないなのに人は会話を一番好むと思いませんか。僕も元々バーテンダーをやっていたので会話は好きですけど、最近は会話が実りを持たせることが少ないなと感じたりします。
別にもうそれでいいとさえ思っているほどこの社会のムードに慣れてしまっているのですが、最近は、もう言葉じゃなくてダンスとか手話のようなものがもっぱら美しいコミュニケーションのように感じてならないです。今度うちの奥様と会話禁止でダンスとボディランゲージやってみよう。
「うちで踊ろう」を超える最高かつ最古の方法で巣ごもり生活を送れるかもしれないな。

話を戻して最近のイライラした方々と比べれば基本的に僕は常に満たされている人間なのだと思うことが最近多いです。殆ど彼らと同じように会社に行って殆ど同じように意味不明な仕事をしている1人の社会人に過ぎないのですが。

さて今日のテーマを台無しにしようと思うのですが、僕は「脱構築」も「差異」もいいんだけど、また下部層の「連帯」をルネサンスしてくれない?とずっと思ってます。それが愚かで馬鹿げてて、社会が何も変わらなくてもいいんですけど、明らかにそっちの方が人々が元気だし人々が絆を取り戻せるし、こんなゾンビ社会より遥かにマシだと思うのだけど。まぁまぁ無理なのでしょう。基本的に僕が人のことを好きなのは愚かでたまに漫画みたいにヤバくなる瞬間があるからなんだと思うのですが、昨今は、ずっと全ての人間と茶道をやっているようで僕は肩が凝っております。

ベッドをゴロゴロしながらこれを書いていて、大分ナメた態度で革命を夢見ているアホな僕は割と幸せなのであります。吠えてやるぜワンワン。

秋野 藤吾

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