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プロット作成にはエクセルを使おう 魅力的なプロット作りの基本②

エクセル、というか、僕が使ってるのはOpenOfficeの表計算アプリですが。まあ、同じことですね。セルがいっぱい並んでるアイツです。


イメージとしては

巨大なホワイトボードにキーワードや短いセンテンスを書いたポストイットをいっぱい貼り付けるようなものだ、

といえば伝わるでしょうか?

「文章を書く」という作業には圧倒的に向いていないのですが、そもそも「プロットを作る」作業は文章を書くことではない(!)ので、ワードなどの文書作成ソフトよりもずっと便利なのです。



それでは具体的に、誰もが知っている「桃太郎」の物語を元にエクセルを使ってプロットを作っていきましょう。


まず、物語を読みますね。当然です。

さて、読み終えましたか?
例えばそれが一冊の小説ならば、読み終わったら閉じてしまいましょう。
そしてどんなお話だったか、記憶印象だけを頼りに”骨”を大まかに取り出し、エクセルに貼り付けて行きましょう。

するとこのようになります。お話の流れがわかれば良いので、表現や誤字脱字などに気を使うことはありません。


そして、自分で取り出した”骨”をざっとみて、物語の流れがすんなりわかるなら次の作業に取り掛かります。


しかし、流れが何か変だな、と思ったら物語の読解がうまく行っていないということなので、もう一度原作を確認しましょう。


*ここで要素を取り出さなかった(取り出せなかった)部分があってもプロットが成立してるな、と感じる場合、それがあなたのこの物語の「解釈」となるのです。
それはきっと第三者(読者とか評論家)から見た場合、あの原作のこの部分がないのは原作を理解していない証拠だ、などと批判される部分でもあるわけですが、そんなのは出来上がった後から言われても仕方がないし、それはその第三者の「解釈」でしかないので、無視しましょう。この「物語」をコミカライズするのはあなたです。あなたの「解釈」が全てです。
*ちなみに編集者はここでいう第三者ではありません。編集者は共にこの「物語」をコミカライズするパートナーです。彼/彼女の意見は真摯に受け取りましょう。もちろん、必ず編集者のいうことを聞け、ということではありませんが。


次に、登場人物などを書き出して貼り付けて行きます。

エクセルのいいところは、書き出した”キーワード”をあちこちに貼り付けたら、後から移動させやすいことです。
まずはこれからコミカライズしていく物語の要素を、このような感じで次々と書き出して行きましょう。



さてこうして大まかに”骨”を取り出したパーツを元に、この「物語」の「構成」がどうなっているかを整理して行きましょう。

ざっと見てみるととだいたい3部構成で出来上がるようです。ふむ。


ではここからそれぞれの”章”を細かくパーツ分けして行きましょう。

第1章はだいたいこんな感じになるでしょうか。


最初に”骨”を取り出したこととの違いがわかるでしょうか?


例えば「おじいさんとおばあさんが住んでいる」というキーワードからすぐに絵を描くことはなかなか難しいですよね?
しかし細かく、二人がどんな風に暮らして、朝、それぞれの仕事へ出かけるときはどんな具合で、桃から赤ちゃんが生まれるくだりの二人の動きはこんな感じで…

などとキャラや物事の動きが具体的に書いていますね?

こうやって具体的に書いていけば割とすぐ絵を描いていけるのです。

”骨”を抽出して整理するまでは「構成」ですが、この具体的な動きにまで分割する作業はいわば「足場作り」と言えるでしょう。


また書き出しながら、思いついたことをメモとして横のセルなどにどんどん書いて行きます。

書きながらキャラの性格などが”わかって”きたら、先に書き出しておいた登場人物の箇所にメモとして書き付けてやれば良いのです。

整理は後からいくらでもできます。


つまり原作から取り出した”骨”を細かくパーツ分けしていく「足場作り」の作業というのは、

それを読んだだけですぐに絵が思い浮かべられるようにする、

ということなのです。

これが「プロット」です。



エクセル(表計算アプリ)を使ったプロット作りのイメージがうまく伝わったでしょうか?
キーワードを自由に張り替えたり、横に置いておいたり、メモがわりにしたり、など
エクセル(表計算ファイル)を使ってプロットを作っていくことに慣れれば、作業がとても便利だし楽しくなりますよ!


ちなみにですが、僕はこのエクセル(表計算アプリ)を本来の使用目的である表作成だとかグラフを作成したりとかデータベース作成だとか、果てはマクロを書いたりとか、のために使うことが全くできないことを告白しておきます。とほほ…。


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トーエ・シンメ
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