またカリブの謎の食べ物を満面の笑みでもらってしまった
朝、いつものようにガッチャン、ガッチャンたくさんカギを閉めて、階段をかけおりバルコニーを抜けようとすると2階の部屋の奥の方から、Yuki待って!渡したいものがあるから!とマルコム(大家)が呼びかける声が聞こえた。
控えめに言ってぼくはかなり期待した。
だって、今日は金曜日ではなくて木曜日、つまり、ういろうのような何かではない。(下記note参照)
そして先日、電気代の請求書はもらった。Wi-Fiはネットから支払った。思い当たる請求書は他にない。
ぼくの知ってる何か良くないものではない。
なにか新しいものをぼくに渡そうとしている!
期待してしまう。
ー ポテトプリンだよ、これも伝統的なものだね。作り方は…どうだったかな…うん、とにかく甘いイモが入ってるんだ。おやつみたいなものだね。きっと気に入ると思うよ
そう言ってカラフルなビニールの小袋をくれた。中にはプラムと、そのポテトプリンなるものが入っていた。焼き色もついていて、見た目はプリンというよりカステラっぽい焼き菓子だった。
イモという言葉に少し引っ掛かったけれど、頭お花畑なぼくはその前のプリンという言葉に心を奪われてしまっていて、すべての疑念と懸念を打ち消して満面の笑みで「まあ、素敵ね、ティータイムが楽しみだわ!」と貴婦人を気取って受け取った。
プリンかー、そんなこともできるんだ。やればできるじゃんーと思いながら職場へ向かっていたけれど、時間とともに冷静さを取り戻し、(待て待て、この国のスイーツって歯が解けそうになるほど甘ったるいものではなかったか?この国の人はぼくが1年かけて消費する量の砂糖を1カ月で消費するのでなかったか)と、もっともらしい懸念と疑念が息を吹き返してきた。
とりあえず、考えても仕方ないことだし、11時頃まで仕事しようと黙々と仕事をした。
そしてティータイム。
ビニール袋からプリンを指ではさんで取り出すと、指先にぬちょっとした感触が残った。
あれ?思ってたのと違う。良くないサプライズだ。
プリンを指でつまみ上げたことがないから、本物のプリンもぬちょっとしてるかもしれないけれど、ぼくはそれをプリンではなくカステラ的なものと認識していたから、あぁやっぱり期待ぼくがバカだったと思うには十分な衝撃があった。
少なくともマズくはないだろうなと思えるくらいにメンタルが回復してから、一口食べてみた。
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うん、おいしくはない。
例のういろうはでんぷんが強いのかぷるぷるしていたけれど、このプリンなるものは見た目の通りぷるぷるはしていないけれど、食感は7割くらい同じ。あとの3割はイモの食感が残ってる。味も8割くらい同じ。あとの2割はほのかにサツマイモっぽい甘み(※サツマイモではない)が口の中に漂う。
例のういろうよりは全然おいしい。
この国の甘ったるいスイーツよりも全然おいしい。
けど、どうだろう。
毎週、こうやって1口サイズでも4切れほど食べるとなるとしんどいかもしれない。
今回は初めましてだったから違和感なく食べれたけれど、次は違和感を感じそう。
決して味は悪くはない。
けど、なんでしょうが入れちゃったんだろうなぁ。
ぼくの味覚には絶妙に合わない。
しょうががなければ、紅芋タルトっぽい味になると思うんだけどなぁ。
おしい。
これも毎週のようにもらうことになるのなら憂鬱だ。
こういうローカル料理はレストランとかで売ってないからとても貴重で、それを味わえるのは非常に良いことなんだけどね。
1度経験したから満足!もういらないよっていうのを嫌味なく伝える語学力が今求められている気がする。
最近気づいたんだけれど、こういう伝統料理ポジション的なのにはしょうがが結構入ってる気がする。そしてそれはこの国の人がしょうがが好きというわけではないように見える。
もともとしょうがはレシピに入っていなかったけれど、国民が良く食べるからという理由で、誰かが健康目的でしょうがを入れ、それを広めて根付かせたんじゃないか説を提唱したい。
ちなみにぼくはこの国のジンジャーエール以外のしょうが料理をあまり認めていない。