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【起業戦略】第6講 PMF/プロダクトマーケットフィット

前回は、市場を独占できるような都合のいい競合優位性とか、独自性なんてもんはないよ、っていう話をしました。


今回は、自社の製品やサービスがマーケットにあってるのか、みたいな観点でよく聞かれる定番の質問について解説していきます。

「プロダクトマーケットフィット(=製品がマーケット/ユーザに刺さること)は、してるの?」

VCからくる定番の質問だよね。

多くの場合、漠然と「興味持ってくれる人います」とか「ユーザのうち、〇%が、『継続して使えないと困る』って言ってます」みたいな回答をしたり、「まだプロダクトマーケットフィットは見えてません(=全然、刺さりません)」みたいな回答をする。

そもそも「プロダクトマーケットフィット」ってなんなのか、見えてないから、フィットしているのかどうか判断する方法も分からないというのが、実情じゃないかな。

聞いてる方も、多分、一緒。「どうなってたらプロダクトは、マーケットフィットしてるって言えるんですかね?」って聞かれたら、答えられないんじゃない?

でも、この一連の連載を読んでる人は、もうイメージがつくはず。

要するにフィットしているかどうかなんて「予算を執行するためのMUSTを満たしているか」ってことにすぎない。

結局のところ、「どの予算をとりにいくの?」「その予算が執行される(=その予算で購買される)ためのMUST条件はなに?」っていう、今まで散々出てきた話に戻ってくるわけ。

これを「ペルソナのニーズに一致してるかどうか」「ペルソナのペインを解消できるか」みたいな方向にもっていってしまうと、もう途端に訳が分からなくなるよね。

ペルソナっていう考え方は、特に2Cのマスマーケティングみたいな世界で、顧客像を抽象化する上では有効だけど、法人ビジネスに関してはあまり有効なアプローチではないと思ってる。

だって、「予算」と関係ないし、MUSTっていうのは、もっぱら人(ペルソナ)ではなく、業務(ジョブ)に紐づいているものだからね。

という訳で、製品やサービスを開発するにあたって、考えるべき「プロダクトマーケットフィット」は、どこまで解像度高くMUSTを把握できるか、そのMUSTに一致する機能を開発できるか、ということに尽きるんだ。

次に「プロダクトマーケットフィットしてるの?」って聞かれたときは、「MUSTをクリアできてる?」っていう質問に頭の中で置き換えて、答えてみよう!

次回は、「Job to be Done(ジョブ・トゥービー・ダン)理論」について解説します。

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