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【雑感】FINAL FANTASY16をクリアして(エンディング考察)

こんにちは、えみこです。

発売初日に購入したFINAL FANTASY 16。ついにクリアしました。
「もうすぐクリアしてしまうのだな」と思った瞬間、ストーリーを進めることが怖くなってしまい数週間そのままに寝かせ、休みの前日に「今日はクリアする」と決めてエンディングまで見届けました。胸が苦しくなり、感情が迷子になっています。スッキリするのでもなく、モヤモヤするのでもなく、自分が今これをどう感じているのかわからない、そういった状態に陥っており、地に足がついていない感覚をリアルに味わっています。ここから抜け出すため、自分のために整理していきたいなと思います。

いくつかのトピックに分けて、と思いましたが、主にエンディング解釈のみにしようと思います。ネタバレしかありませんので未プレイの方は閲覧なさらないようお願いします。

>演劇関係のことを期待してブログを開いた方へ
劇団のブログをお借りして本当にすみません。自分のブログを持っていないので勝手にお借りしています。演劇のこと一切書かないので関係ない人はこの時点で閉じていただいて大丈夫です。閉じてください。
今日だけ、今日だけ、お許しください。
ではまた!


■プレイ環境について

PS5は持っていませんでしたので、このタイトルを購入するのと同時に導入しました。同梱版です。ついでに、若干「臭う」感じも否めないコントローラも注文しました。まじかっこいいっす。FF以外で使いづらいな。

我が家のテレビは4K対応、60型。つい数年前に買い替えたばかりです。PS5の箱にはおもいきり「8K」と書いています。ということはもっと美麗な映像が楽しめているのか、と羨ましい気持ちはありますが、そこは足るを知っておりますので…(本当か?)

メインのプレイ時間は23〜24時頃が多かったかな。FF14のようにMMOではないため、人とスケジュールをあわせてプレイする必要がないのは助かりました。約束を守れないのは辛いので(破られる方はもちろんだけれど、破らなければならなくなる側も心苦しいんです)。子育てのこともあり、なかなか決まった時間にプレイすることは難しいのです。

■エンディングの解釈について

人により捉え方が異なるエンディング。炎兄弟の生死については意見が分かれるところのようで、ここについてはやはり想いをめぐらさざるを得ませんでした。

端的に、現時点では私はこう捉えています。
クライヴは死んだ。ジョシュアは生きている、と。

なお、私はクライヴ・ロズフィールドという人間をとにかく愛しているので死んでほしくなどないし、そのまま生き延びた未来であってほしいと願っています。それでも、上記の解釈に至った理由を書こうかと。

最終決戦においてアルテマと対峙した二人。ジョシュアは息も絶え絶えで半身がすでに石化した状態になっていました。自分より少し背の低い、頼れる兄の肩を借り……進みます。そこで出会うアルテマ(達)。各地に配置されたマザークリスタルはアルテマ達のある種化身で、エーテルを集めるための装置であったことも語られます。彼の思惑は破壊の後の再生でした。そしてその再生に用いられるのが完全生命魔法「レイズ」であることも彼の口から語られます。
わざわざこれだけの装置を配置してエーテルを集めなければ詠唱できない魔法、それが「レイズ」。

ジョシュアがフェニックスのドミナントであるという時点で、当初より疑問に思っていたことがありました。最初に「亡くなった」と思われたとき、彼は自身で自分を蘇らせたのではないかと思っていましたが、教団に助けられたという説明を聞きその疑問が増したのでした。なぜレイズを彼は詠唱しないのか、ということを……。ストーリーを進める中で彼は「回復」こそすれど「蘇生」を行うことはありませんでした。フェニックスのドミナントであっても、蘇生は行えないなんて。どういうことなんだ、と感じていたのです。(なんかよくわからんアルテマを自身に封印するという謎行為はできる割に!)。

ジョシュアは自らの死を悟りすべてをクライヴに伝えました。特別な器たる彼にフェニックスを預けました。彼は慟哭しました。こんな泣き声をゲーム内で聞いたのははじめてです。巻き戻される思い出。生まれたばかりのジョシュアを胸に抱き上げた少年時代の彼。一度でさえ二度も護れなかったナイトになんの意味があるのか、この失意の中でクライヴはよくぞ戦ったと思いますし、だからこそ本当の意味で「身を挺する」覚悟ができたのではないかと感じています。
……おそらく、この瞬間(アルテマリアスと戦う前の時点)ですでに決意していたのだと思います。すべてを終わらせる方法を決めた上で臨んだ。

余談、ナイツオブラウンドの「アルティメットエンド」や、漆黒のハーデス戦なども思い出す胸熱展開、戦闘中泣きました。

アルテマを吸収した後、ジョシュアの胸を癒やしたのは、紛れもなく「レイズ」だった、私はそう考えています。ロゴスたる存在、一族をすべて再生できるほどの能力を持つ魔法なのですから、人ひとりの蘇生など容易いものだったのではないかと思います。
(希望的観測ですが、クライヴが自分ひとりでは神の力を持て余すという意味の発言があることから、この時点で自身が受け取った能力の一部をジョシュアに分け与えていたのではないかとも考えました。封印という謎パワーを持つジョシュアは、クライヴのようなミュトスとしての能力はないまでも、兄弟ということもあり、なんらかの力を体内に受け入れるちからを持っていたのではないかなとも思ったのです)

その後にクリスタルオリジンを破壊するクライヴですが、これは理の破壊でした。ベアラーやドミナント等といったものが消失する。これは人が人となること。ベアラーは人となる。ドミナントも、人となる。もちろんクライヴも。海岸に打ち上げられたクライヴは膨大な力をすべて出力し、石化が進み、おそらくあのムービーの間…あるいはその後に器から「人」になりました。そして、命が潰えたという理解です。
※彼が行った「理の破壊」が物理にも干渉するのかどうかはわかりませんが、石化の具合によってはそのあと人として生きている可能性もあるとは思っています。石化が解消され、生身に戻っているならば、これ以上のハッピーエンドは無い!

生きている可能性を語るものとして「著者:ジョシュアの『ファイナルファンタジー』をクライヴが書いた」という説を目にしました。なるほどなと思いました。ヒポクラテスから受け取ったペンの行方を願うとそうだなと思います。

しかし、わたしはとにかくクライヴを愛していますが、それでもこの書き記した人物は「ジョシュアである」と考えました。
クライヴはジョシュアを護れなかった。自身のナイトとしての天命を果たすため、ジョシュアを蘇生した。ジョシュアには辛い思いをさせることになるのは理解していたが、命とともに自らの得た能力(おそらく記憶等も含め)も託した、そのように。

ジョシュアがどうやって破壊されゆくオリジンから脱出したのかという点が疑問に残ります。これも仮説ですが、あえて期待するとすれば……。
メティアの消失を期に失意の底にあったジルやトルガルですが、最後複雑な表情をしています。夜が明け、空が晴れました。これはクライヴが神を倒したことを意味するのは明白でした。そもそも願いを叶えてくれるという「メティア」の消失は、願いの成就を意味するものでもあるのかなと思いました。そこに希望を感じたジルは、吹っ切れたような、あるいはつかの間癒やされたような表情をしたのではないかと思います。あるいは、ここが自身の希望的観測ですが、「クライヴのエーテル」の再生を感じたのではないかと思うのです。
ジルたちがエーテルを頼りに探しに行くと、そこには「クライヴのエーテルを持つジョシュア」が居たのではないかな、と考えます。(クライヴも目立つ外傷なく海岸にいたくらいなので、ジョシュアもきっと大怪我には至ってないはず)
クライヴの魂は、ジョシュアの身体を借りてシドの隠れ家に帰ってきたのではないか、そう考えます。
だから、クライヴ自身の生死に関わらず、「俺は帰ってくる」、この約束は果たすことができたのではないかなと。クライヴはまたも自身との、人との約束を守れずに終わることはなかったと、そう信じています。

■「思い出の品」について

シドの部屋の「思い出の品」。これは墓標だ、そう思いました。
彼に想いを託した人々から受け取った品々がこれまあ几帳面にディスプレイされている。手持ちアイテムの「大事なアイテム」ではなくて、あえてこの部屋に飾る理由。それはここ(隠れ家)が今のクライヴの居場所であること、帰ってくる場所であることを強く示しています。
この作品では墓を訪れるシーンが多かった。兄弟でエルウィンの墓に行き、そこに飾ってあった兜を受け取りました。これはさすがに最終決戦に携えていくのではないかと思ったものの、これも「思い出の品」にディスプレイしたことが引っかかっていたのです。傍で見守っていてほしいというようなことを言っていたのにな、と。ジルの作ったお守りは、携えていたにもかかわらず、です。(まあ持っていくには大きいですし仕方ないですが)
私はそれを理由に、感覚的ではありますが、クライヴは、ここを自分の墓にしたのだなと思いました。

■最後に(今回のまとめ)

ここまで心揺さぶられるストーリー、テクストに頼らない非説明的な表現(これはPS5だからこそ可能だったモーション表現)、おそらく20年前の私ではここまでこの作品を愛することはできなかったと思います。
音楽、システム、様々な面で愛しい部分が多くありますが(同時に気になる点も多々ありますが)、今のところ過去プレイしたFFを大きく上回る体験をしました。細切れプレイでこれでしたから、可能であれば再度自身の今作に関する記憶をすべて消去した上で、寝食以外の時間をすべて今作プレイに費やしてみたいと思いました。
クライヴたちと生きてきたこの約1.5ヶ月、もう進むことはなく補完することしかできないのだなと思うと寂しさばかりが押し寄せてきます。いったん強制的に思考をリセットすることで健やかな毎日に戻す必要がありそうなので、Switchの積みゲーを消化していこうと思います(いやそれよりするべきことあるやろお前)。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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