朱い夏。赤い命。
久米です。
朱夏ということばが好きでして。前回春にブログ書いたときに、「次は朱い夏の日に。」と締めたので夏のハイライトをブログにしたためようと思ったんですが、
なんか急に肌寒くないですか。
まさか夏、終わったんですか。
夏って何なんですかね、なんかすごい爽やかで清々しい季節みたいなイメージありますよね。日本の気候じゃ当然、じっとりモワッと暑いのに。
なんか一番楽しい季節みたいな、青春の1ページはだいたい夏、みたいなイメージありますよね。“青春”って文字に春が入ってるのに、パッケージ化されるのはだいたい夏じゃないですか?清涼飲料水のCMとか、いつも夏。
物心ついたときからひねくれていた人間なので、絵に描いたような夏を送ったことがありません。徳島の中高生なんかみんな好きすぎでしょってぐらい阿波おどり行くんですけど、4日間の予定をそれぞれ綿密に立てて、12日はクラスの友達、13日は部活の友達、14日は習い事の友達、15日は恋人と、みたいなことしてる子たちが周りにたくさんいました。ひとつでいいから分けてくれ、その器用さ。
こういう性分ですから大学4年生、もしかして人生最後の夏休み?には少しおセンチになりましたね。結局最後まで夏らしい夏など来なかったなあと。コロナ禍だったというのもあり、相変わらず人付き合いが上手くないというのもあり、夏休みまるまるU-NEXTを観て過ごしたものです。
手始めに『オレンジデイズ』観たら青春コンプレックスさらに拗らせました。こんなキャンパスライフは存在しなかった。作中で妻夫木聡がくるりの〈ばらの花〉聴いてるんですけど、やめてくれ~って思いました。大学4年生の夏にくるりなんて聴いてしまったら切なすぎて心が分裂します、モラトリアムが終わる音がしますもん(今は楽しく聴けるようになりました、〈リバー〉が好きです)。
こうして荒れた心を落ち着かせるために『あなたのことはそれほど』『ホリデイラブ』『あなたには帰る家がある』を観ました。これ全部不倫ドラマね。東出昌大、中村倫也、ユースケ・サンタマリア。三者三様のサレ夫たちが素晴らしいのでぜひ観てください。でもやっぱ人生最後の夏休みに観るもんではない。不倫最悪、絶対絶対反対。
野島伸司とかも観ました。『未成年』に『人間・失格』、『高校教師』。私は90年代を生きてませんが、衝撃的だったでしょうね。森田童子が好きになりました。それから、近年の野島作品も観ておこうと『ラブシャッフル』や『ワンダーエッグ・プライオリティ』なども。後者は途中で挫折しました。詳しくは語りません。
人生最後の夏休みです。どうせならよりよく過ごしたい。やはり私の心を救済してくれるのは瑛太であるのだから(久米は瑛太シンパです)、瑛太を摂取しておけば間違いはないのです。『最高の離婚』『それでも、生きてゆく』『anone』『まほろ駅前多田便利件』『リコカツ』『アヒルと鴨のコインロッカー』『ハロー張りネズミ』……夏休みって最高!!
……こういう悲しい夏しか過ごしたことが無かったものですから、今年の夏はそれはそれは刺激的でした。
いやあ、まさか。
カブフェスに出演できるとは。
ここから本題なので上のところ読み飛ばしていただいてだいじょうぶです。
読んでくれたひと、ありがとう、大好き。
昨年観客としてカブフェスに参加したときに、思ったんです。
私にはまだまだ足りない、と。
足りない。
何がって、演劇基礎代謝、みたいなものが。
基礎代謝。
よく言うところの、総合力とか対応力とか柔軟性みたいなところももちろん含むんですけど、それだけじゃなくって何ていうかな、
作品を、
演劇というものを、
咀嚼して
飲み込んで
消化して
血肉にしたり
排泄したり。
ああこのひとたち、
演劇とともに「生きてる」んだなって。
そういう演劇人が同じ空間にいっぱいいて、ものすごい生命力とか血の滾る感じとかをわりとサラッと(ここ大事)目の当たりにして、結構ショックを受けました。もちろん良い意味で。
いやね、去年のカブフェスって私初舞台の1か月後とかですよ。
そりゃ当たり前に何ひとつ足りてないでしょ。そうなんです、だからこそかな。
マジ強くなりてえと思った。
まさかこうして1年後、ご縁いただけるとは思ってなかったですが、todokeru,として立たせていただき光栄でした。
『おしゃべりなちぎりぱん』。
私にとっての演劇の好きなところがいっぱい詰まってるみたいな、大好きな作品です。
「生きる」ってことが大きなテーマのひとつでもあるし、初めてのカブフェスでこの作品に巡り合えたことを、どこか運命的に感じたりした。
1年前の私じゃ演じられなかったと思う。すこしは強くなったんだな。
絶対来年も、再来年も、5年後も、10年後も、20年後も、強くなり続けます。
強く生き続けます。
そう誓った夏になりました。
ご観劇くださったみなさま、主催である株式劇団マエカブのみなさま、参加団体のみなさま、お力お心を寄せてくださったみなさま、todokeru,の仲間たち。
本当にありがとうございました。
なんか基本的に価値観が週刊少年ジャンプみたいなテイストなのは許してください。
久米はほんとうは熱血系のひとです。
カブフェス終わった途端嘘みたいに涼しくなって、夏がたぶんおわりました。
いやもう今年も暑すぎて、暑すぎて、
真夏のピーク去ってくれよ(フジファブリック)、
すごい速さで夏は過ぎてくれよ(andymori)、
いつかと同じ風吹き抜けてくれよ(森山直太朗)、
と思ってたのになんかちょっと寂しい。
終わったから思うことなんでしょうけどね。
ということで、今夏のハイライトでお別れ!!
過去一の夏だったかも。
学生時代の夏休みとは、比にならないぐらい。
毎年更新していきたいね。
それが生き続けるってことだと思うからね。
それではまた。
つぎは、白い秋の日に。
秋短そうだな、わりとすぐかも。
久米 春花