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一般労働者の名目賃金の伸び、8月以来の3%台~2024年11月の毎月勤労統計

 本日(6日)、「毎月勤労統計」(厚生労働省)の2024年10月分の速報値が公表されました。日経夕刊は実質賃金が4ヵ月連続でマイナスになったことに注目していますが、先月も書かせていただいたように実質賃金が上昇するかどうかは物価次第で、このところ物価変動自体に政策のノイズが入っています。
 ということで本稿では引き続き、名目賃金に注目します。今月は一般労働者の名目賃金(現金給与総額)の伸びが2024年8月確報以来の3%台になったことが注目されます。



共通事業所ベースの一般労働者の名目賃金は3.4%上昇

 11月からは冬のボーナスの時期に入っているようです。一般労働者の10月確報と11月速報を比較すると定期給与(きまって支給する)の前年同月比伸び率は2.7%で変わりありません。特別給与が7.6%の伸びになったことで名目賃金を押し上げています。
 共通事業所ベースでみた一般労働者の名目賃金の伸びは10月の2.7%から11月は3.4%へと高まっています。特別給与の伸びは資料にないのですが、7.6%よりは高いと推察されます(就業形態計の共通事業所ベースの特別給与の伸びは12.7%)。11月確報や12月にかけて特別給与の伸びが高まることを期待したいですね。

一般労働者の所定内給与伸び率が頭打ち?

 一般労働者の11月の所定内給与の前年同月比伸び率は2.6%で、10月の2.7%(速報段階は2.6%)から若干伸びが縮小しました。10月は速報段階では2.8%で9月から伸びが加速したように見えたのですが、確報で下方改定されてます。
 共通事業所ベースでみた一般労働者の所定内給与伸び率は7月に3.0%を付けた後、8月は2.8%、9月は2.8%、10月2.9%と推移してましたが、11月は2.8%でした。なかなか、3%に届かないですね~。頭打ちになっていなければ良いのですが…
 一方、パート時給(パートタイム労働者の時間当たり所定内給与)上昇率は4.7%。10月の4.3%(速報時は4.2%)から若干拡大しています。最低賃金上昇の影響が出始めているのでしょうか?



#日経COMEMO #NIKKEI

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