飯塚 信夫(神奈川大学経済学部教授)
GDP統計に関連したエッセイを集めています。
政府経済見通しなど経済見通しに関連したコラムを集めています。
日本の財政や税制に関するコラムを集めています。
分類できない経済統計のよもやま話のほか、自己紹介的な内容、各年で多くの方にお読みいただいたコラムの紹介などを集めています。
国際収支統計、貿易統計関連のコラムを集めています。
2018年12月にnoteを始めて以来、コツコツとコラムを書いてきました。コラムは本務校や非常勤先の講義にも活用(参考資料として読んでもらうなど)しておりますが、本数がそこそこ増えてきて(現在:321本)、整理が必要になってきました。 従来のマガジンはいったん廃止し、「経済統計のよもやま話」関連で9個のマガジンを作成。そのほかに、分類しきれないコラムを集めた「その他のよもやま話」、お手伝いしている東京財団政策研究所での活動の紹介を集めた「東京財団政策研究所での活動」も含め
昨日(11/15)の2024年7~9月期のGDP速報公表を受けて、次の四半期(10~12月期)の民間調査機関の成長率見通しが今日の日経朝刊に掲載されていました。民間予測の平均は前期比年率1.4%とのこと。この見通し通りに推移すると、2024暦年の日本の実質GDP成長率は、2020暦年以来、4年ぶりのマイナス成長になります。 プラス成長になるには前期比年率6%程度が必要か 前期比年率成長率とは、その前期比成長率が4四半期(つまり1年)続いたとした場合の成長率で、以下のよ
本日(15日)、内閣府は2024年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値を公表しました。日経電子版は季節調整済み前期比の動きに注目し、2四半期連続のプラス成長となったと報じています。一方、前年同期比でみると、実質GDPは3四半期ぷりのプラス成長です。いよいよ経済は上向きに転じたといえるのでしょうか? 民間需要が2023年4-6月期以来のプラス寄与 2024年7~9月期の実質GDPの前年同期比成長率は0.3%。4~6月期の▲1.1%から0.8ポイント改善し、3四半期ぶり
政府が11月中にまとめる総合経済対策の原案が明らかになり、各新聞が報じています。その中には、住民税が非課税になっている低所得者世帯に1世帯あたり3万円を目安に給付し、子育て世帯には子ども1人あたり2万円を加算する案が含まれています。 経済対策のたびに登場する「住民税の非課税世帯」。日経の記事では「全国に1500万世帯ほどと推計されている」と書かれています。根拠はどこにあるのでしょうか? そもそも住民税非課税世帯とは? 住民税非課税世帯とは、均等割、所得割いずれの住民
編集委員を務めさせていただいているJapan Spotlightの最新号(2024年11~12月号)がリリースされました。写真は、11~12月号のトップページで、今号のテーマは、“Key Features of a New Partnership Between the Global South & Japan ”です。 私の経済統計の連載(Economic Indicators For Japan)は、「日本の空き家問題の現状は?」を取り上げました。日本語で書いて、ス
本日(11日)、2024年9月分の国際収支統計が公表されました。日経電子版は年度半期の経常収支黒字が過去最大になったことに注目しています。本稿ではいつものように、季節調整値と原系列の前年同月差に注目しながら月次の推移を確認していきます。 9月は第一次所得収支の黒字が大きく縮小 9月の経常黒字は季節調整値でみると1.3兆円。3ヵ月んぶりに減少しました。2024年8月(3.1兆円)からの黒字縮小にはすべての項目が寄与しましたが、第一次所得収支の黒字縮小(8月:4.0兆円→9
本日(7日)、「毎月勤労統計」(厚生労働省)の2024年9月分の速報値が公表されました。日経電子版は、就業形態計の名目賃金が2.9%増となり、実質賃金が0.1%減と2ヵ月連続でマイナスになったことなどを報じています。一方、私のnoteで注目してきた共通事業所ベース(「前年同月分」及び「当月分」ともに集計対象となった事業所のみを集計)でも就業形態計の名目賃金の伸びは2.9%とヘッドラインの数値と同じです(2ヵ月連続)。 ということで先月に続き、今月も基調的な賃金動向が確認で
(2024年11月13日追記) はしがき、目次、編者・執筆者一覧が読める立ち読みコーナーができました。以下のリンクの「立ち読みする」ボタンをクリックしてください。 (以下は11月7日にアップした記事です) 宣伝です(笑)。 編者・執筆者として参画している『新 入門・日本経済』(有斐閣)が11月13日に発売されます。 『入門・日本経済』(第6版)から大幅に刷新 本書は1997年に初版が刊行され、第6版(2020年刊行)まで改定を重ねてきた『入門・日本経済』の後継本です。『
観光庁の「宿泊旅行統計調査」の2024年9月分が10月31日に公表されました。遅ればせながらではありますが、「出入国管理統計」の「短期滞在」の入国外国人の動向ともにポイントをまとめます。百貨店のインバウンド需要に相当する「免税売上高」の推移や、宿泊業の売上推移も見ていきます。 2024年9月の延べ宿泊者数、前年同月比3.6%増 2024年9月の延べ宿泊者数は5406万9840人泊であり、前年同月比で3.4%増加しました。8月の1.0%増(1次速報段階では2.7%増)か
本務等でバタバタしていてフォローアップ遅れましたが、10月31日に9月分の鉱工業生産指数の速報値が公表されました。当日の日経夕刊は前月比が2ヵ月ぶりにプラスになったことに注目していますが、いつものように前年同月(同期)比に注目してデータを観察します。あわせて、11月15日(金)に予定されている2024年7~9月期の実質GDP速報値の見通しもチェックしてみましょう。 生産の前年同期比は5四半期連続のマイナス 前年同月比でみると2024年9月の鉱工業生産は前年同月比2.8
10月27日(日)に行われた衆議院選挙で自民・公明の与党が議席を減らしたこともあり、国民民主党が選挙公約の一つに掲げていた基礎控除等の103万円から178万円への引き上げ、いわゆる「103万円の壁問題」が政策論議の対象になりそうです。 この103万円の壁については、私も昨年9月にnoteを書かせていただいたのですが、国民民主党さんが政権公約に挙げてくださったためか?、多くの方にご覧いただいております。現時点の「スキ」の通算数106、通算ビュー数(1万強)は、私がこれまで書か
少し前の日経電子版の記事ですが、「住宅ローン膨張、すり減る家計 負債額が初の年収超え」という記事を見つけました。「家計調査」(総務省)の2人以上世帯のデータによると、2023年の負債残高の平均が655万円で年収(642万円)を超え、「1950年代から一度もなかった事態」といいます。これって意味があるのでしょうか?私の場合、長らく、住宅ローン残高は年収を上回っていたんですけど(笑)。 負債なしの家計が6割。平均を見て良いの? 確かに2023年の家計調査年報をみると、記事
日経電子版で興味深い記事を発見しました。10月15日にリリースされた「私が旅行をしないワケ 日本人、国内も2023年末から減少」です。私も毎月、「宿泊旅行統計調査」(観光庁)のフォローアップを行っており、延べ宿泊者数の伸びが外国人頼みになっていることが気になっていたためです(下図)。一方、記事では宿泊業の売上高は堅調と書かれているのですが、本当なのでしょうか?「サービス産業動向調査」(総務省)などを確認してみたいと思います。 外国人を含めた宿泊者数も宿泊業売上高も伸びは鈍
本日(18日)、2024年9月の消費者物価が公表されました。日経電子版は、コア指数と呼ばれる「生鮮食品を除く総合」の上昇率が5ヵ月ぶりに縮小したことを報じています。一方、「生鮮食品を除く総合」は、政府の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」の一時的な復活といった、かく乱要因を含んでいます。本稿では、引き続き、生鮮食品及びエネルギーを除く総合の上昇率に注目します。 今月は2指数が下落、1指数が上昇、1指数が横ばい 今月の消費者物価(総合)の前年同月比上昇率は2.5%(8月は
私が参加している東京財団政策研究所の研究プログラム「地方自治体におけるEBPM人材の育成」(および、それ以前の研究プログラム)の一環で実施している、中長期経済見通し研究会の第8回の開催報告をホームページに掲載いたしました。主要シンクタンクで経済見通しを担当するエコノミスト6人が日本経済の先行き、日銀の金融政策、石破新政権の経済政策などについて議論しております。ご高覧いただければ幸いです。
本日(8日)、2024年8月分の国際収支統計が公表されました。日経電子版は8月の経常収支黒字が過去最大になった注目しています。本稿ではいつものように、季節調整値と原系列の前年同月差に注目しながら月次の推移を確認していきたいと思います。 8月は第一次所得収支の黒字拡大とサービス収支の赤字が縮小 8月の経常黒字は季節調整値でみると3.0兆円。2ヵ月連続で増加しました。2024年7月(2.8兆円)からの黒字増加には第二次所得収支以外のすべてが寄与しましたが、第一次所得収支の