飯塚 信夫(神奈川大学経済学部教授)

日本経済論、経済統計。ホームページ(https://sites.google.com/…

飯塚 信夫(神奈川大学経済学部教授)

日本経済論、経済統計。ホームページ(https://sites.google.com/view/todobuono/)、東京財団政策研究所の研究プログラム(https://www.tkfd.or.jp/research/detail.php?id=3839)もよろしく。

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【お知らせ】マガジンを再編成いたしました

 2018年12月にnoteを始めて以来、コツコツとコラムを書いてきました。コラムは本務校や非常勤先の講義にも活用(参考資料として読んでもらうなど)しておりますが、本数がそこそこ増えてきて(現在:321本)、整理が必要になってきました。  従来のマガジンはいったん廃止し、「経済統計のよもやま話」関連で9個のマガジンを作成。そのほかに、分類しきれないコラムを集めた「その他のよもやま話」、お手伝いしている東京財団政策研究所での活動の紹介を集めた「東京財団政策研究所での活動」も含め

    • 一般労働者の所定内給与の伸び、引き続き3%付近の伸び~2024年9月の毎月勤労統計

       本日(7日)、「毎月勤労統計」(厚生労働省)の2024年9月分の速報値が公表されました。日経電子版は、就業形態計の名目賃金が2.9%増となり、実質賃金が0.1%減と2ヵ月連続でマイナスになったことなどを報じています。一方、私のnoteで注目してきた共通事業所ベース(「前年同月分」及び「当月分」ともに集計対象となった事業所のみを集計)でも就業形態計の名目賃金の伸びは2.9%とヘッドラインの数値と同じです(2ヵ月連続)。  ということで先月に続き、今月も基調的な賃金動向が確認で

      • 【お知らせ】『新 入門・日本経済』を発刊いたしました

        宣伝です(笑)。 編者・執筆者として参画している『新 入門・日本経済』(有斐閣)が11月13日に発売されます。 『入門・日本経済』(第6版)から大幅に刷新 本書は1997年に初版が刊行され、第6版(2020年刊行)まで改定を重ねてきた『入門・日本経済』の後継本です。『入門・日本経済』の伝統を生かしつつ、大幅に内容を刷新したため、第7版ではなく『新 入門・日本経済』と名付けています。  大きく変わったのは構成です。第6版までは、序章で日本経済を見るうえでの基本的知識を解説し

        • 延べ宿泊者数の伸びが拡大~2024年9月の宿泊旅行統計調査と2024年8月の出入国管理統計

           観光庁の「宿泊旅行統計調査」の2024年9月分が10月31日に公表されました。遅ればせながらではありますが、「出入国管理統計」の「短期滞在」の入国外国人の動向ともにポイントをまとめます。百貨店のインバウンド需要に相当する「免税売上高」の推移や、宿泊業の売上推移も見ていきます。 2024年9月の延べ宿泊者数、前年同月比3.6%増  2024年9月の延べ宿泊者数は5406万9840人泊であり、前年同月比で3.4%増加しました。8月の1.0%増(1次速報段階では2.7%増)か

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        【お知らせ】マガジンを再編成いたしました

        マガジン

        • 経済統計のよもやま話(雇用・賃金・人口)
          62本
        • その他のよもやま話
          24本
        • 経済統計のよもやま話(インバウンド関連等)
          62本
        • 経済統計のよもやま話(企業・収益・景気指数)
          34本
        • 経済統計のよもやま話(GDP)
          43本
        • 経済統計のよもやま話(財政・税制)
          18本

        記事

          2024年7~9月期の実質GDPの前年同期比成長率、マイナス回避できるか?~鉱工業生産から考える

           本務等でバタバタしていてフォローアップ遅れましたが、10月31日に9月分の鉱工業生産指数の速報値が公表されました。当日の日経夕刊は前月比が2ヵ月ぶりにプラスになったことに注目していますが、いつものように前年同月(同期)比に注目してデータを観察します。あわせて、11月15日(金)に予定されている2024年7~9月期の実質GDP速報値の見通しもチェックしてみましょう。 生産の前年同期比は5四半期連続のマイナス  前年同月比でみると2024年9月の鉱工業生産は前年同月比2.8

          2024年7~9月期の実質GDPの前年同期比成長率、マイナス回避できるか?~鉱工業生産から考える

          「壁」が103万円から引き上げられる?その影響は?

           10月27日(日)に行われた衆議院選挙で自民・公明の与党が議席を減らしたこともあり、国民民主党が選挙公約の一つに掲げていた基礎控除等の103万円から178万円への引き上げ、いわゆる「103万円の壁問題」が政策論議の対象になりそうです。 この103万円の壁については、私も昨年9月にnoteを書かせていただいたのですが、国民民主党さんが政権公約に挙げてくださったためか?、多くの方にご覧いただいております。現時点の「スキ」の通算数106、通算ビュー数(1万強)は、私がこれまで書か

          「壁」が103万円から引き上げられる?その影響は?

          「家計の平均負債額が初の平均年収超え」って意味あるの?

           少し前の日経電子版の記事ですが、「住宅ローン膨張、すり減る家計 負債額が初の年収超え」という記事を見つけました。「家計調査」(総務省)の2人以上世帯のデータによると、2023年の負債残高の平均が655万円で年収(642万円)を超え、「1950年代から一度もなかった事態」といいます。これって意味があるのでしょうか?私の場合、長らく、住宅ローン残高は年収を上回っていたんですけど(笑)。 負債なしの家計が6割。平均を見て良いの?  確かに2023年の家計調査年報をみると、記事

          「家計の平均負債額が初の平均年収超え」って意味あるの?

          「宿泊業の売り上げは堅調」なのか?

           日経電子版で興味深い記事を発見しました。10月15日にリリースされた「私が旅行をしないワケ 日本人、国内も2023年末から減少」です。私も毎月、「宿泊旅行統計調査」(観光庁)のフォローアップを行っており、延べ宿泊者数の伸びが外国人頼みになっていることが気になっていたためです(下図)。一方、記事では宿泊業の売上高は堅調と書かれているのですが、本当なのでしょうか?「サービス産業動向調査」(総務省)などを確認してみたいと思います。 外国人を含めた宿泊者数も宿泊業売上高も伸びは鈍

          「宿泊業の売り上げは堅調」なのか?

          前年同月比上昇率は横ばいが実勢か~2024年9月の消費者物価指数

           本日(18日)、2024年9月の消費者物価が公表されました。日経電子版は、コア指数と呼ばれる「生鮮食品を除く総合」の上昇率が5ヵ月ぶりに縮小したことを報じています。一方、「生鮮食品を除く総合」は、政府の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」の一時的な復活といった、かく乱要因を含んでいます。本稿では、引き続き、生鮮食品及びエネルギーを除く総合の上昇率に注目します。 今月は2指数が下落、1指数が上昇、1指数が横ばい  今月の消費者物価(総合)の前年同月比上昇率は2.5%(8月は

          前年同月比上昇率は横ばいが実勢か~2024年9月の消費者物価指数

          【お知らせ】『第8回中長期経済見通し研究会』の開催報告を掲載いたしました

           私が参加している東京財団政策研究所の研究プログラム「地方自治体におけるEBPM人材の育成」(および、それ以前の研究プログラム)の一環で実施している、中長期経済見通し研究会の第8回の開催報告をホームページに掲載いたしました。主要シンクタンクで経済見通しを担当するエコノミスト6人が日本経済の先行き、日銀の金融政策、石破新政権の経済政策などについて議論しております。ご高覧いただければ幸いです。

          【お知らせ】『第8回中長期経済見通し研究会』の開催報告を掲載いたしました

          季節調整値でみると経常黒字は2ヵ月連続の増加~2024年8月の国際収支

           本日(8日)、2024年8月分の国際収支統計が公表されました。日経電子版は8月の経常収支黒字が過去最大になった注目しています。本稿ではいつものように、季節調整値と原系列の前年同月差に注目しながら月次の推移を確認していきたいと思います。 8月は第一次所得収支の黒字拡大とサービス収支の赤字が縮小  8月の経常黒字は季節調整値でみると3.0兆円。2ヵ月連続で増加しました。2024年7月(2.8兆円)からの黒字増加には第二次所得収支以外のすべてが寄与しましたが、第一次所得収支の

          季節調整値でみると経常黒字は2ヵ月連続の増加~2024年8月の国際収支

          一般労働者の所定内給与、3%増まであとわずか~2024年8月の毎月勤労統計

           本日(8日)、「毎月勤労統計」(厚生労働省)の2024年8月分の速報値が公表されました。日経電子版は、就業形態計の名目賃金が3.0%増となり、実質賃金が0.6%減と3ヵ月ぶりにマイナスになったことなどを報じています。6月、7月は夏のボーナスシーズンで、それが実質賃金上昇率をプラスに押し上げていたので、マイナスになるのはある意味当然かなと思います。  実際、私のnoteで注目してきた共通事業所ベース(「前年同月分」及び「当月分」ともに集計対象となった事業所のみを集計)でも就業

          一般労働者の所定内給与、3%増まであとわずか~2024年8月の毎月勤労統計

          延べ宿泊者数が伸び悩む~2024年8月の宿泊旅行統計調査と2024年7月の出入国管理統計

           観光庁の「宿泊旅行統計調査」の2024年8月分が本日(9月30日)公表されました。「出入国管理統計」の「短期滞在」の入国外国人の動向ともにポイントをまとめます。また、百貨店のインバウンド需要に相当する「免税売上高」の推移も引き続き示していきます。 2024年8月の延べ宿泊者数、前年同月比2.7%増  2024年8月の延べ宿泊者数は6611万219人泊であり、前年同月比で2.7%増加しました。7月の4.1%増(1次速報段階では8.6%増)から伸びを縮小させました。7月の1

          延べ宿泊者数が伸び悩む~2024年8月の宿泊旅行統計調査と2024年7月の出入国管理統計

          2024年7~9月期の実質GDPはマイナス成長か~7、8月の鉱工業生産から考える

           本日(9/30)、2024年8月の鉱工業生産指数の速報値が公表されました。日経電子版で報じられているように2ヵ月ぶりの低下となりましたが、それ以上に注目されているのが、これで2024年7~9月期の実質GDP成長率(前期比)がマイナスになる可能性が高まったとされる点です。日経電子版のTHINK欄で永浜氏がコメントされているほか、他にもマイナスの可能性が高まったとみるエコノミストもいるようです。  本稿では、いつものように前年同月比(前年同期比)に注目しながら、GDPマイナス成

          2024年7~9月期の実質GDPはマイナス成長か~7、8月の鉱工業生産から考える

          【お知らせ】『第1回 地方自治体におけるEBPM活用研究会』の開催報告を掲載いたしました

           私が参加している東京財団政策研究所の研究プログラムですが、今年4月から「地方自治体におけるEBPM人材の育成」という新たなテーマに取り組み始めています。開始半年弱でようやく最初の成果を公表できました。今年8月下旬に開催した北海道上川郡東川町のスタッフの方々との第1回研究会の開催報告です。ご高覧いただければ幸いです。  この研究プログラムでは、昨年度までの「エビデンスに基づく政策立案(EBPM)に資する経済データの活用」研究プログラムを引き継ぐ形で、GDPナウキャスティング

          【お知らせ】『第1回 地方自治体におけるEBPM活用研究会』の開催報告を掲載いたしました

          生鮮食品及びエネルギーを除く総合の上昇率が2ヵ月ぶりの2%台~2024年8月の消費者物価指数

           昨日(20日)、2024年8月の消費者物価が公表されました。日経電子版は、コア指数と呼ばれる「生鮮食品を除く総合」の上昇率が2%を超えて2年半経過したことを報じています。一方、「生鮮食品を除く総合」は、政府の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」の中止などかく乱要因を含んでいます。本稿では、引き続き、生鮮食品及びエネルギーを除く総合の上昇率に注目します。 今月は4つの指数の上昇率がすべて高まった  今月は消費者物価(総合)の前年同月比上昇率は3.0%(7月は2.8%)、コア

          生鮮食品及びエネルギーを除く総合の上昇率が2ヵ月ぶりの2%台~2024年8月の消費者物価指数