一般労働者の所定内給与の伸び、引き続き3%付近の伸び~2024年9月の毎月勤労統計
本日(7日)、「毎月勤労統計」(厚生労働省)の2024年9月分の速報値が公表されました。日経電子版は、就業形態計の名目賃金が2.9%増となり、実質賃金が0.1%減と2ヵ月連続でマイナスになったことなどを報じています。一方、私のnoteで注目してきた共通事業所ベース(「前年同月分」及び「当月分」ともに集計対象となった事業所のみを集計)でも就業形態計の名目賃金の伸びは2.9%とヘッドラインの数値と同じです(2ヵ月連続)。
ということで先月に続き、今月も基調的な賃金動向が確認できる、一般労働者の所定内賃金上昇率とパートタイム労働者の時給から確認しましょう。
一般労働者の所定内給与伸び率は2.9%
一般労働者の9月の所定内給与の前年同月比伸び率は2.5%で、8月の2.7%から伸びを縮小しました。8月は速報段階では2.9%だったので、それと比べるとペースダウンな感じもいたします。ただし、後述するように出勤日数や所定内労働時間が前年に比べて減少していることも影響している可能性があります。今年の9月の土日祝は11日(日曜5日+土曜4日+振替も含めた祝日2日)、昨年の9月の土日祝は10日(日曜4日+土曜5日+祝日1日)でした。
なお、共通事業所ベースでみた一般労働者の所定内給与伸び率は7月に3.0%を付けた後、8月は2.8%、9月は2.9%と推移しており、全サンプルの結果ほどは伸びが低下していません。
一方、パート時給(パートタイム労働者の時間当たり所定内給与)上昇率は4.3%。8月の4.8%から若干縮小したものの、高い伸びを維持しています。
9月も所定内労働時間減少
労働時間は2ヵ月連続で前年同月比減少となりました。以下の表で示した総実労働時間だけでなく、所定内労働時間も減少(就業形態計2.6%減、一般2.8%減)しています。これは、前述したように出勤日数が減った影響が含まれていると思います。
夏のボーナスは3年連続で2%超える伸び
上の表で8月確報の特別給与や9月速報の特別給与の伸びの高さが目立ちます。前年と今年のサンプルの違いの影響が含まれている(例えば、前年は8月や9月にボーナス支給するサンプルが少なかったが、今年は多かったとか)と思われます。ただ、金額もそれほど大きくなく現金給与総額全体を押し上げる力はなかったと思われます。
こうした期ズレを気にせずにみられるのが、本日あわせて公表された「特別集計 令和6年夏季賞与」です。2024年6月~8月の「特別に支払われた給与」のうち、賞与として支給された給与を特別集計したものです。下記の厚生労働省資料にあるように3年連続で2%を超える伸びになりました。この勢いが冬の賞与に波及すると良いのですが、果たして…