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1月の賃金データの観察、特にご注意を!

 本日(3月7日)、1月の毎月勤労統計調査の速報値が公表され、実質賃金の下落率が過去最大級(記事は過去最大となってますが、厳密にはそれより大きな下落幅があるので過去最大級ですね)になったことが報じられています。日経電子版は、消費税率引き上げ直後の2014年5月以来(4.1%減)、09年12月(4.2%減)と同程度と指摘しています。

 ただ、これまで以下のnoteで指摘させていただいたように、速報と確報で実績値が修正されることは珍しくありません。ちなみに、速報では前年同月比4.8%増だった2022年12月の現金給与総額は、確報では同4.1%増まで上昇率が縮小、速報でプラスの伸びだった実質賃金は同0.6%減となってます。新聞ですから日々の動きを扱わざるを得ないのでしょうが、あまり大騒ぎしない方が良いですね~

さらに、1月の賃金データは、速報値と確報値の間で調査対象の一部入れ替えが行われる点にも注意が必要です。その作業のためだと思いますが、1月の確報値の公表は、2月の速報値の公表と同じ4月7日に予定されています。昨年(2022年1月)のようにベンチマークや基準年の変更まで行われる大がかりなものではないのですが、どれだけ数値が改定されるか注目したいですね。
 ちなみに、上記のnoteでもご紹介している共通事業所の結果をみると、1月の現金給与総額の速報値は1.0%増で、共通事業所以外を含めた0.8%増より若干伸びが高かったです。また、12月の共通事業所は速報段階では3.3%増だったのが、確報では3.7%増とむしろ伸びが拡大しています。サンプルが変わる影響は決して小さくないことがここからもわかりますね。

#日経COMEMO #NIKKEI

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