『Magic;the Gathering 30th Anniversary Edition』ドラフト ピック振り返り~アナログゲームマガジン~
こんにちは、とどちゃまです。
今回の記事は、『アナログゲームマガジン』兼用の記事となっておりまして、『Magic;the Gathering30周年記念パックドラフト』の参加経緯とピック振り返りとなります。
さて、このイベントはnoteゲームチャンネルから配信が行われまして、以下からご覧いただけます。
そもそも『30th Anniversary Edition』とは?
『マジック・ザ・ギャザリング』はなんと30周年を迎えました。
僕がこのゲームを始めたのは1996年、通販のサイトを始めたのが2012年、店舗開店は2017年ですから、半生をこのゲームと付き合い続けたといっても過言ではありません。
そんな30周年を迎えたこのゲームが、周年を記念して特別パックを販売するというではないですか。封入されているカードはゲームでは使用できない特別版となりますが、とても高いカードとして有名な《Black Lotus》なども入っている特別仕様となっているわけです。
さて、その特別周年パックのお値段は、楽天でメーカーから販売されてなんと15万円。いや、そんな高いパック買うんかいなと思っておりましたが、速攻で完売。いやはや、記念パックとは恐ろしいものです。
ドラフトだと……
そんな15万円もするパックですが、3月の上旬に出荷が始まったようで購入したみなさんの手元に届き始めた様子でした。そんな中、不穏なツイートが見受けられたのです。
これは、noteplaceをお借りして開催されているTCGのフリーマーケットの告知です。前回は、僕も出展者として参加させていただいたのですが、その告知に不穏な記載があるじゃないですか…
そして、今回の出店を考えていた僕に、突然DMが飛んできました。
人が足りないんじゃ仕方ないですね!
10万円ってパックの販売価格が4パック15万円なのに、3パック使用して10万円って……安い!
そういうわけで二つ返事で承諾し、昨今のプロたちとドラフトをするというイベントへの参加が決定したわけです。
アナログゲーム方面の人達に参加者の概要をかるく説明しておくと、
です。なんか2名ほど一般人が混ざったわけです。
さて、ここからはドラフトピック譜とその時の考えや心境となります。
前提
今回のパックなんですが、かなり特殊なパックです。
まずパックの中に基本地形が15枚中3枚とられており、12枚しかカードが存在しません。さらにアルファやベータ2ED3ED4THのパックに比べてクリーチャーが多数未収録となっており、リミテッドデッキとしてカード不足になる事が明白です。
一方で、コモンに《恐怖/Terror》《黒死病/Pestilence》《火の玉/Fireball》《分解/Disintegrate》《稲妻/Lightning Bolt》と除去が満載のため、弱いクリーチャーでは生き残らない事もほぼ確定でしょう。
そのため、強い除去とクリーチャーを取っていく事は当然として、サイドボードのカードもメインに入れたり、超ロングゲームのことを考えてタッチのカードも多くなる可能性を意識しておきます。
あと、当然ながら上の人と色が被ったら、デッキにならず負けです。
そんな事を意識しながらピックしていきましょう。
ドラフト開始 1パック目
1パック目は強いクリーチャーを取るか、レアのカードアドバンテージかという選択です。《鉄の根の樹人族/Ironroot Treefolk》はただの3/5バニラで、昨今のクリーチャースぺックと比較すると使用に耐えられないクリーチャーですが、この時代のドラフトにおいてはコモンのエースまであります。キーマナの緑1つだけですので、タッチすら検討できる良クリーチャー。以下、彼を《樹》と呼ぶことにします。
一方の候補はレアの《破裂の王笏/Disrupting Scepter》。昔のリミテッドはアタッカーのサイズがパワー1とか2なので、しばらく放置してこの能力を起動しておいてアドバンテージをとるというプレーが可能です。今なら2ターン目パワー2、3ターン目パワー3を出されて対処必須となりますが、このころはとても牧歌的なのです。また、このカードで土地を捨てさせておくと、コモンで乱発される可能性のある《火の玉/Fireball》のサイズが落ちるという副次的メリットもあります。
そういうわけで、1-1は《破裂の王笏/Disrupting Scepter》をピック。
2ピック目は、《鬼火/Will-o'-the-Wisp》《Living Wall》《大喰らいのワーム/Craw Wurm》からの選択となりました。色はまだ決まっていないので、どのカードもピック可能です。
とはいえ、《鬼火/Will-o'-the-Wisp》はかなりの高得点カードです。環境ほぼすべてのカードをビタ止めする超硬質ブロッカー。
パックからはアンコモンが抜けていて、上のプレイヤーのピックは《セラの天使/Serra Angel》《氷の干渉器/Icy Manipulator》《惑乱の死霊/Hypnotic Specter》《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》《悪魔の教示者/Demonic Tutor》《大気の精霊/Air Elemental》《剣を鍬に/Swords to Plowshares》あたりと予想。
ひとまず、《鬼火/Will-o'-the-Wisp》をピックしておきますが、アンコ抜けな時点で上が黒い可能性は3/7くらい想定。
このあたりまででしかトップコモンをピックする事ができないので、期待して見てみましたが存在せず。ここでは黒くまとめるための《生命吸収/Drain Life》、黒を簡単に殺せる最強サイドボードカード(多分メインに入って黒やめる)《因果応報/Karma》、渡りが強い《ゴブリンの王/Goblin King》、そして相手そうな緑の《大蜘蛛/Giant Spider》です。
《因果応報/Karma》の存在は本当に嫌でしたが、しぶしぶ《生命吸収/Drain Life》をピックして黒くまとめていきます。
《生命吸収/Drain Life》と《大蜘蛛/Giant Spider》で、《生命吸収/Drain Life》をピック。このくらいの除去であれば、クリーチャー優先して後ろにあった《食屍鬼/Scavenging Ghoul》でよかったかもしれません。
《狂暴化/Berserk》と《樹》の選択。ここにきて、デッキに入るカードが少なくなってきました。クリーチャーを優先して《樹》をピック。
6パック目にして、デッキのメインパーツ足りえるものが無くなりました。有用パーツの中で一番マシな《炎の壁/Wall of Fire》をピック。
《スケイズ・ゾンビ/Scathe Zombies》《サマイトの癒し手/Samite Healer》《保護器/Conservator》からの選択。強いのは《サマイトの癒し手/Samite Healer》ですが、黒くまとめるか色を増やさずに飛行クリーチャーなどのケアをするかという選択で、《保護器/Conservator》をピック。しかしながら、ここまで流れたきた《サマイトの癒し手/Samite Healer》は白が空いてる可能性だったかなって後から思ってます。シグナルにしてはかなり弱いカードですが、全体的なカードパワーから考えるとそういう視点で見てもよかったかもしれません。
《解呪/Disenchant》は当時のリミテッド環境ではメインを張れるカード。《因果応報/Karma》を流した事もあるので確保したかったカードでもある。
パックが1周して返ってきたのは《城壁/Castle》。まあまあ強いカードではるので、白が空いてるかみんな気づいていないかって感じですが、この面子で気づいてないってことは無さそうなんで、《サマイトの癒し手/Samite Healer》のこともあって白が空いてそうです。このあたりで癒し手をピックしなかった事を早くも後悔してました。その後、《平穏/Tranquility》だけ確保して1パック目は終了。
ここまで、黒タッチ緑白という形を想定。緑と白はいずれも切る事ができるので強い青赤のカードを見たらピックする事もあります。ただ、白は空いている可能性があるので、切るなら緑から。
2パック目
事件です。
白も空いてそうだし絶対に流さないだろうって決めてた《セラの天使/Serra Angel》の横に黒のトップアンコモンの《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》が。そして強レアの《Veteran Bodyguard》。こっそり後ろに《稲妻/Lightning Bolt》もあります。
絶対的なカードの強さから言えば、《恐怖/Terror》が効かない分《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》が上位。空いてそうな白を選ぶなら《セラの天使/Serra Angel》です。本当に困りました。長く悩んだ結果、《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》をピックしました。
2パック目に黒白のカードは流れてきませんでした。無色の《巨大戦車/Juggernaut》を取るか、カードパワー果てしなく上位の《海賊船/Pirate Ship》を取るかです。強さが違いすぎますし、緑を切ってタッチ青で入れることも考えて《海賊船/Pirate Ship》をピック。《巨大戦車/Juggernaut》は《稲妻/Lightning Bolt》も《解呪/Disenchant》《粉砕/Shatter》と様々な除去が当たるので、できれば白か緑のクリーチャーのほうだったらピックしたな、という感想です。
さらなる試練。《分解/Disintegrate》が流れてきました。対抗は《ウォー・マンモス/War Mammoth》と《炎の精霊/Fire Elemental》。マンモスとって黒緑タッチ青とするか、分解取って黒タッチ赤青とするかという感じの選択を考えていたんですが、どうせカード足らなくなりそうかつ18~19枚の土地を入れる事になるなって感じてたこともあって《分解/Disintegrate》を。4色目になると思うんですが、山2枚だけ入れて運用しましょう。どうせ、みんなそこまで強いデッキになる事はないはずですし(願望)
早くもデッキに入るカードがありません。まだ4手目ですよ?
さっきタッチすると決めた赤いカードを追加でピックするはめになりました。《赤霊破/Red Elemental Blast》ピック。
《白騎士/White Knight》。そう、白はやっぱり空いてるんですよね。ただ、ここまでタッチ青赤が確定している状態で黒を多く要求してくる《生命吸収/Drain Life》が2枚ある中で、白白って出るんでしょうか。しかしながら、次候補の《サマイトの癒し手/Samite Healer》と比較すると強さが違いすぎるため、《白騎士/White Knight》をピック。
ここからもうデッキに有用なパーツは《スケイズ・ゾンビ/Scathe Zombies》1枚のみ。一応、《秘宝奪取/Steal Artifact》がありましたが、ダブルシンボルだけに使わないで済ませたい。適当にメインボードに入っちゃいそうなサイドカードみたいなものを回収して2パック目は終了です。
そうなんです、もう2パック目終了です。
あんなに悶絶してピックした《センギアの吸血鬼/Sengir Vampire》以外、デッキが強くなった気がしません。デッキパーツが微塵も足りてないなと思いながら、3パック目に託すしかありません。
頼むー、レア、アンコ、いや《黒死病/Pestilence》とか《恐怖/Terror》でいい。
3パック目
青と赤のカードしかない……
両方ともタッチ色なのに、ダブルシンボルのカードしかない…
《石巨人/Stone Giant》か《Vesuvan Doppelganger》で後者をピックしました。
パックに《メサ・ペガサス/Mesa Pegasus》しかクリーチャーが入ってなかった。
《黒騎士/Black Knight》か《樹》。いや《樹》って5色目。《黒騎士》をピック。ただ、この時点でカード足らな過ぎてピック済みの《樹》も入れて5色の可能性ちらついてました。少なくともロングゲームになりそうなときにサイドから《樹》と《平穏》入れるゲームあるだろうなって感じです。
《新たな芽吹き/Regrowth》が強いのですが、できる限りメインにはしたくない色。そういうわけで白黒以外のカード枚数は増やせないので《Tropical Island》でサイド後を少しでもマシなマナ状況にしようかと。
しかし5パック目にも有用なカードはなく、しぶしぶ《大喰らいのワーム/Craw Wurm》。ここで心が折れました。次のパックで《真珠色の一角獣/Pearled Unicorn》取らずに《陥没孔/Sinkhole》。以降、クリーチャーは緑の1マナ圏しか流れてこず終了。
残飯デッキ完成
《センギアの吸血鬼》《黒騎士》《白騎士》が入りながらタッチ《海賊船》《分解》の4色デッキ。相手のデッキもスローペースなゲームにつきあってくれそうだったら、サイドから《Vesuvan Doppelganger》と《樹》を追加するというゴミデッキが完成しました。
確認したところ、上は赤黒タッチ青、上上も同様の3色、その上が青白タッチ赤、という感じでした。メインの動画を見てみると、ちょうど反対側あたりのカードが強そうでしたので、僕と下家が一番弱い部分を引き受けていた感じがあります。
そして、カードが弱すぎて上が何やっているのかほとんどわかりませんでした。最近のドラフトであれば流れてくるカードでやってない色が2~3色透けてくるのですが、緑はやってないという事しかわかりませんでしが。総じて、2,3手目で黒に触ってしまったことが敗因な気がします。
『30th Anniversary Edition』ドラフト感想
いや、めちゃくちゃ面白かったですよ。たださすがに高すぎました。たまにやるにしても2万円くらいかなー。
あと、殿堂のヤソと話してたんですが、4パック全部使ってドラフトするとカードの枚数丁度よさそうだな、と。もしかしてそんな感じに設計されてたのではないでしょうか。
次回は4thのパックでやってくれると期待して、今回は終了といたします。
あ、成績は察してください。
アナログゲームマガジン
さて、この記事は『アナログゲームマガジン』に登録されています。
今回のドラフト企画に協力していただいたnoteさんの機能を使ったマガジンで、毎月一定額を支払うとマガジンに登録された様々な記事が見れるという機能でして、この『アナログゲームマガジン』は名前そのまま「アナログゲーム全般」を取り扱ったものとなっております。
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