#19 また会いたい

久しぶりにふと、ゆずの「from」を聞いたらある記憶を思い出しました。

私が中学生のころの話です。
練習試合の帰り道、下り坂を歩いているときに「めっちゃゆずっぽいぞ、これ！」と私が言うと、「ほんとじゃん！」と二人してテンションがあがって一緒に「夏色」を歌ったんです。それからあのCD好きなんだよねという話になって、当時はスマホなんか持ってなかったので、二人でアカペラで「YUZU YOU [2006~2011]」を頭から歌ってスキップして帰った、あの夏の日を思い出しました。

その子は中学にあがるときに遠くの地から引っ越してきた子でした。
初めて会ったのは体験入部の時。
「じゃあ二人組でペアを作ってキャッチボールしてくださーい」
周りのみんなは同じ小学校だった子と一緒に来ているらしくペアはすぐできていた。私はというと一人ぽっちで来ていました。一緒に行こうと友達を誘ったけど、他のところ行きたいからごめんね、と断られてしまったので仕方がないです。
余っている子は居ないかなと辺りを見回すと、静かそうな子がひとりぽっちでもじもじしているのを見つけて、勇気を出して声をかけに行ったのが出会いでした。とりあえず自己紹介をしたつもりだったんですが、相手の名前はわかりませんでした。それで部活が終わってからも良かったら一緒に帰らないか、という旨の意思が読み取れたので、一緒に帰ることになりました。それで一緒に帰っているときも彼の言ってることが何にもわからず、かろうじて分かったのは、辿り着いたここが彼の家ということと表札にかかげられた苗字と自分の言えととても近いということだけでした。なぜかというと、彼はとても訛っていたんです。

まぁそれからなんやかんや（それが一番大事なんですが端折り）あって、中学生の間、毎日一緒に登校したんです。高校が離れ離れになってから彼はそれほど遠い場所ではないんですが、また引っ越しをしてしまったんです、やっぱりあれだけ近かったので少し寂しく感じてしまいますね。

高校のときに偶然会って道に大の字に倒れ込んで喜んでしまうくらいには彼のことが大好きなのですが、もうしばらく会っていなくて。今どこでどんな姿でどう生きているのか全く知らなくて、元気にしてるのかなって。ゆずを聴くと毎回思うんです。

また会いたいな。ゆず歌おうよって。