出る杭は打たれませんように…
やっと暖かい春が、ここ越後平野にもやって
きました。桜の季節も終わり、いよいよ新緑
の季節到来。春や!!
と思ったとたんに肌寒くて、今期の役目を終
えた暖房のスイッチをONしちゃう私。
ぬくぬくと家でゴロゴロが好きだけど、一日
の歩数結果 300歩ってやばいよね。
そして本日も着実に体重増量中。
終わったな、私…
そんな緩い生活をしていると、せっかく始めた
noteも停滞気味になってしまうのは当然かも。
ここは自分に喝!! をいれなくちゃと思っていた
ところ目の前に朗報?
5月後半のテーマは「多様性を考える」
まったく建築の世界から離脱しちゃうかもしれ
ないけれど、この際許してください。所長さま
画一性から個性、そして多様性
最近は、「多様性」というカッコいい名前で
語られるけど、昭和生まれの私にはどうも
しっくりこない。
だって、昭和の時代は「画一性」が大切って
教わったのに、平成に入り「個性」が大切って
言われ、次は「多様性」だよって都合よく言われ
ても、そう簡単に順応できかねます。(笑)
そんな私が、先日、あるイベントに参加した。
(珍しい)
LGBTQについて、理解を深めようという集会。
(もっと珍しい)
突然、どうしてしまった私???
実は4年ほど前「LGBTQの映画上映会&トーク」
という会合に参加したことはある。
でもせっかく出かけたのにトークをしてくれた
方の印象が良くなくて、それ以来遠慮していた
LGBTQ関係の集会。
「LGBTQ」という暗号や「多様性」という言葉
が氾濫し始め、「地球環境」という言葉が
「SDGsの17目標」とやらに置き換わり、
すっかり頭の中がパニックな私。
先ずは、「ジェンダー平等」辺りから整理して
みよう。
それも、いきなり「セクシャルマイノリティー」
の世界を覗いてみようと意気込んでみた。
私の居住地「新潟市」には、パートナーシップ
宣誓制度がある。はたして一般市民は、どんな風
に受け止めているの?
そんなこんなも知りたくてイベント参加を決意した。
会合のサイン会の落とし穴?
集会当日。
(いきなりですまぬ!!)
さて、何人くらい出席するものなのかな?
と、入場するなり様子を伺う不審な私。
10人くらいかな。まぁ、いい人数やね。
席に向かおうとする私に第一の試練が…
係の方「あのぉ…コロナ下なので、お名前と
ご連絡先のご記入をお願い致します」
キター!!
最近、人混みを遠慮していたので、
すっかり忘れていた。
やっぱり本名だよねぇ、こういう時は
(;^_^A アセアセ・・・
ここで、こっそり告りますが
私、MTFという称号を持つ諜報部員。
諜報活動の時の姿は、女の子が基本。
(MTFという称号は、検索してね)
なので、こういう場合は、流石の私も動揺する。
お仲間の中には、本名は書かないよ!!という方も
いるけれど、私は正直に書くようにしている。
(真面目やろ!!)
サイン会は、LGBTQの集会でも容赦ないのね。(笑)
LGBTQという生物の分類説明
さて、会合は「普通」と信じてやまない人向け。
先ずは、LGBTQという生物の分類説明から入る
のがお決まりコースのようだ。
ちなみに、簡単にLGBTQを解説すると
Lはレズビアン。女性同性愛者で最近はビアンと呼ぶ。
Gはゲイ。男性同性愛者。男らしさが大切な世界。
Bはバイセクシャル。両性愛者。
Tはトランスジェンダー。性自認が体の性と異なる人。
FTMとMTFに別れ、異性装とは、また違う世界。
Qはクイア。特定の枠に属さない人。
となるらしい。正直、複雑過ぎて本人も理解不足。
今回、お話をしてくれたのが、LとBのカップル
さんとFTMの方がお二人。
若い彼らは、すごく真面目。
きちんと自分の性自認を認め、ご両親にも
カミングアウトしているそうです。すごいなぁ。
私が今、90過ぎの高齢な両親にカミングアウト
したら高血圧でショック死しそうよね。
もうちょっとボケるのを待たなきゃ。(笑)
私という生物分類
お話をしてくれた彼らの年齢は、私の半分弱
だろうか。そんな私から見た彼らは、随分と
恵まれていると思う。
私が自分に違和感を感じたのは、中坊の時。
それ以来○○年の間、ずっと悩み続けてきた。
悩みながらも、女の子の自分を追い求めて
密かに戦い続けてきた。
ショックだったのが保健体育の教科書に
異性装した人の写真が載っていて「白日夢」
と書かれていた時だ。
自分は精神病なんだ!!バレたら社会から抹殺
されるかもしれない。
でも病気なんだから治るかもしれない。
もうやめよう。
と何度もやめた。でも見えない力で?元の世界に
呼び戻された。理屈ではないのだ。誰にも言えず
表面上は男の子として生き続けてきた。
この歳になると、そんな生き方に慣れてしまった
のと、ネットのおかげで自分と同じような友人や
理解ある男女の友達に恵まれ、都合の良いように
生きる術を手に入れ、とうとうMTFという分野に
進出し、そのまま目が覚めずに今に至っている。
今はネットを検索すると、LGBTQ関係の情報が
簡単に手に入り、公的な相談窓口も多い。
それだけでも幸せな時代になったと思う。
カミングアウトは命がけ
自分の過去を回想していたら、いつのまにか集会
も終盤に突入していた。
出席者の中から「もしLGBTQだとカミングアウト
されたら、どうしたらいいですか?」という質問が
あった。
若い彼らからは手続きや啓蒙活動の大切さ、学校
の先生の対応など、彼らなりの貴重なアドバイス
があったけれど、人生経験が彼らの倍で、妻子も
いる私からみると、
「もっと大切なことがあるはずだよ!」
と思った。その瞬間、手を挙げている私。
あちゃー…
絶対目立たないようにと心に決めてきたのに。
その前に、恰好だけで十分目立っているけどね。
ここは、バシッと決めて…
「声のトーンを上げて女性らしくお喋りしよう」
と心に決めた。
そっち??(笑)
カミングアウトは全力の愛で…
「もし、カミングアウトされたら
どうしたらよいのか」
大切なのは、最初に、私に話してくれて
ありがとう。って言うこと。
そして、大丈夫だよ。今までつらかったよね。
とギュッと抱きしめてあげること。
カミングアウトされて、驚いたり、気が動転
するかもしれないけれど、先ずは、ありがとう。
そしてとりあえず、否定せずに受け入れて
あげて欲しい。理屈は、後からでよいのだ。
本人は、ずっと苦しみながら隠し続け
生きる努力をしてきたはず。
何故、あなたに自分の本来の姿を伝えたのか
考えてみてください。
「あなたに」自分を知って欲しかったからです。
あなたが好きだから、あなたを信じているから、
あなたなら分かってくれると思ったからです。
それを頭ごなしに拒絶したら、本人は、
大切な「戻る世界」を失います。
ありのままで居られる場所がなくなったら…
どうなりますか?
だから、もう一度言います。
先ずは受け止めてあげてください。
そしてあなたを
愛してるよ。大丈夫だよ。
と言ってあげてください。
普段、無口な私がこんなこと言うなんて珍しい。
でも、居場所をなくした友人を知っているから。
ここまで、偉そうなことを言ったので、
後はついでに…
「皆さんにお願いがあります。
私達は、普通なんです。
決して特別な人間ではありません。
(中にはそうでない人もいるけれど…)
だから、普通に接してください。
私たちは普通に生活したいだけなんです」
って言いながら、何気なく後ろの席を
振り返った。
じぇじぇじぇ!!
何時の間にか人が30人くらいに増えてる。
やっちまったぜ。(;^_^A アセアセ・・・
特別ではなく普通でいい
性はグラジュエーションと表現することが
あります。
境界線が、ひとりひとり曖昧なのです。
一口にLGBTQと言っても考え方、生き方、
性的指向、性格など、一般の男女と同じ
ようにみんな違います。
だから「みんな違ってそれでいい」と
都合よく世間が受け止めてくれるとは
思っていないし、経験上、絶対にないです。
LGBTQだからこそ、節度ある接し方や謙虚な
姿勢で過ごすことで、社会に貢献できる人と
なることが大切であり、初めて受け入れて
もらえる機会を得ることが出来るのだと
思っています。
私、LGBTQという呼び方が嫌いです。
そんなに簡単に区分できるほど単純ではないし
この言葉の中に特別な人として押し込まれて
しまうことが怖いと感じています。
私は普通でいたいだけなのです。