家族愛愛家族②七実ちゃん、大丈夫や
家族だから愛したんじゃなくて、愛したら家族だった②
母・ひとみ(坂井真紀)の下半身に麻痺が残り、車椅子を余儀なくされてしまい、七実(河合優実)の心が揺れ動く回。辛い状況を辛く描かない。しんどいことを日常をやり過ごしながら生きぬく姿を淡々とみせる。友人マルチ(福地桃子)の存在もデカい。七実は、ニューヨークに渡り大道芸人になるんだ、とパントマイムをしたり英語を勉強したり戯けたりして悲しみ辛さと向き合っている。
「自分がしたい事するんが、親のためになるんやないですか?」
何気ない会話が七実の気持ちを少し軽くする。大切なセリフを運送屋さんの兄さんがサラっと言うところ、好きでした。
七実とマルチがプールで昼弁当食べたり、英語の練習をする描写も美しいし、時が流れ、流暢な英語で会話するシーンも粋だ。
七実とひとみ
母と娘の距離感、関係性が際立つ描写がところどころあって、それがどんなに視聴者の心を前向きにしてくれることか。それぞれの独り言もいい。
七実「ママが生きたいって思うようにしたいねんな」
ひとみ「この笑顔を見る人生をいただいたんやな」
懸命なリハビリの甲斐もあり、母の外出が病院に許され、七実とひとみ2人で外に出る。
♿︎車椅子で街中を行く「生き辛さ」もさり気なく重ねる、娘の様子を見上げるひとみ目線の描写などが重なり、たどり着いた店でスパゲティを食べる。ひとみが涙を流しながらポツリと言う。
ひとみ「七実、ごめんな」
七実「ぜんぜん大丈夫やで。2億%大丈夫(壁に貼ってあるチラシなどから言葉を選び)他人の視線や反応も大抵は気まぐれサラダやし。休日がよくなかったな自分あま〜いわ」
ひとみ「ママのせいで辛い思いさせたな」
七実「私こそごめん」
ひとみ「なんで七実が謝るん!」
七実「私が手術の同意書にサインしたせいやから」
ひとみ「だから命が助かったんやで」
七実「そのせいでママ、死ぬよりも辛い思いしとうって知ってる…」
ひとみ「……」
七実「ママさぁ、一緒に死のか」
(ずっと堪えていた気持ちが涙となり溢れ出し、母娘が一緒に泣く)
七実「ああ…もう悔しい…今日一日ホンマ腹たった…もう…ごめんママ、泣かんといて」
(タオルで顔を押さえて泣き続けるひとみ)
七実「ママ…ママ…死にたいなら死んでええ。…私も一緒に死ぬ…でもちょっと時間ちょうだい…ママが生きたいって思えるようにしたいねん、わたし」
涙が笑顔に変わっていく2人
父・耕助
父・耕助の存在も大きい。ところどころ写る耕助の写真はホントいい。青空をバックに背負い、麦わら帽子と白い開襟シャツでたれ目で笑う写真はとても効果的だ。頼りなさ気にも見えるが人柄溢れる優しい自然な笑顔。家族がどんな状態でも、ずっと同じ表情で見守っている…素敵だ。2話での耕助のセリフはたったひと言だった。
耕助「七実ちゃん、大丈夫や」
されど、ひと言。家族を見守る守護神なのか?天使なのか?ソファに座る姿も実に自然ですぐ見えなくなる。だから逆にずっと家族の近くにいると感じる。
ラストでは、すんなり家族と一緒に盛りあがっていた。七実の合格を子供のように可愛らしく喜ぶ。錦戸亮は演じ過ぎないのがとても良いのだ。
来週も更に楽しみなドラマです。
P. S.
NHKさま、色々事情があるでしょうが、このドラマ地上波でぜひ放送お願いします🙇♀️
家族だから愛したんじゃなくて、愛したら家族だった
【出演】河合優実,坂井真紀,吉田葵,錦戸亮,美保純,福地桃子,奥野瑛太ほか 草太担当:安田龍生【原作】岸田奈美,【脚本】市之瀬浩子 他【演出】大九明子
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