【詩】Malevolence
空から赤い炎の塊が落ちてきた。
街は一瞬にしてこの世から消え去った。
青い空の下で嘆きと呻きが支配していた。
悪意の連鎖がもたらした悲劇だった。
1週間後に帝国の降伏が発表された。
帝国は他国の領土を侵撃していた。
悪意は悪意によって報われた。
はるかな時が流れた。
その間に帝国ではなくなっていた。
人々は自国内の悲劇を語り継いでいた。
自国外の悲劇には耳をふさぎ続けた。
彼らは再び悪意を抱き始めた。
それを見下ろす空は青く澄んでいて、鳥たちは無邪気にさえづりつづける。