【詩】雨
君はもうここにいない。
部屋の外の雨はどんどん強くなり、
しょぼくれた僕を打ちのめす。
君の黒い髪と小さい手に触れることは、
今の僕には罪深いことだ。
かつては確かに感じていたぬくもり。
君は静かに立ち去った。
理由は今の僕にはわからない。
教えられても理解できないかもしれない。
いつかは僕にもわかる日が来るだろうか。
君のいなくなったこの部屋で、
使わなくなった食器を片付ける僕に、
神がくれる慰めは届かない。
今では外の雨だけが、
僕の思いを代弁してくれている。
涙をぬぐって前に進む以外の選択肢は僕にはなかった。
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