【詩】幸福なひと
彼は水を得た魚のように孤独の中にいる。
彼は妬みから解放されていた。
妬みを幸福の敵とみなし、いつか悪魔の息の根を止めた。
彼は自ら妬みをかきたてることをしなかった。
謙譲の美徳の表れではなかった。
妬みを駆り立てる享楽は、何にも増して危険なものであることを知っていた。
彼は幅の広い溝をまわりに巡らせて、妬まれることを切り離していた。
彼にも苦悩はあった。
そんなときは、より大きな苦悩を想像した。
どんな悪いことも、この世を偶然が支配している以上は避けられないと知っていた。
出来事のすべては必然的に起こり、どんな災難も逃れることはできないと知っていた。
けれども彼は悲観しない。
多くの人の進む平坦な道を歩まない。
彼は必ず自分自身の脚で歩む。
彼の平静はこのような生き方によりもたらされていた。