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【詩】光の代償



父により創造された彼は、愛されていた。

光がほしいと言えば、与えられた。

鳥がほしいと言えば、与えられた。

魚がほしいと言えば、与えられた。

そして父は彼に与えたものを支配する権限を与えた。

彼が愛されていたのは、彼が何もできないからだった。

彼はやがて成長していった。


かつて父は彼が望むものをすぐに与えていた。

ある日彼がアーモンドを求めたとき、父はただ雷鳴で答えるだけだった。

甘い果物を求めたら苦い草が与えられた。


苦い草を放り投げた彼は、父に対する憎しみを感じた。

かつて満たされていた心がくもりはじめた。

彼はついに父の作った世界に疑問を抱き始めた。


魚の数が足りないと言うと、海は濁って中が見えなくなった。

もっと鳥がいればいいのに、と言えば空は暗くなり何も見えなくなった。

彼はついに父の愛を失ったと悟った。


愛は成長するにしたがい、無条件のものから条件付きのものへと変わっていた。

愛されるためのいくつもの条件が課された。

彼はそのすべてを満たさなければ愛を得られなくなった。



彼の苦難がはじまったのはそれからだった。

日々の糧を得るために汗と涙を流さねばならなくなった。

汗はやがて血にかわったが、どれだけ流せば愛されるのかはわからなかった。


彼はその後に誕生したあらゆる人類と同様の苦しみを味わっていた。

得ることのない愛を求めて果てしない葛藤を続けながら。




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