【詩】炎と労苦の果て



僕は炎の上で音を立てて肉塊を焼きながら人生のはかなさを感じた。

それは必ずしも人の生に限らなかった。

娑婆苦に生きる生き物すべてのはかなさだった。


古人は太陽の下に新しいものはないと言った。

はるか後の現在でも大差のないことは明らかだった。


新しいものはなくても、生き物はすべて労苦しなければならない。

僕はこの事実に思い当たると肉を焼く手を止めた。

肉は黒く焦げついていた。

人間に食べられるためかりそめの生を生きた牛のことを思った。


僕らは人間の労苦のみならず、他の生き物の労苦もまた背負って生きている。

人間もまたいつか人間を超えた生き物が現れれば牛と同じ運命にいたるだろう。


いったい何のために労苦するのかという古人の嘆きは、同時に僕の嘆きでもあった。

同じ嘆きは太陽が消える日まで果てしなく繰り返されることだろう。


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