【詩】再会



彼は妻を弔ったあと、古人の語った真理を思い浮かべた。

「死んだ日は生まれた日よりも素晴らしい」と。

墓の前にたたずみながら、ほどなく彼をも待ち受ける運命を思った。


彼はこの世で妻と再会する可能性が0であることを知っていた。

同時に死後に妻と必ず再会できるとも思わなかった。

それを確信するにはあまりにもリアリストだった。


同時にその可能性が0であるとも思わなかった。

0と比較すればいくらかの可能性に賭けるだけのロマンティシズムをもっていた。

妻と死後の世界で再会することを想像することが楽しみになっていた。


この世では愛するにも必然的に苦しみがつきものだった。

死後の愛はいかにも純粋らしく思われた。

いかに苦しめ合わずに愛し合うか。

それを実現することは彼にとっての理想だった。


腰が曲がり、歩くことが困難になるたびに、彼は妻のことを思った。


待ち受ける再会をたびたび想像していた。

静寂を越えて再び妻の手に触れる日を楽しみにしていた。

その時にすべての苦しみが終わりを告げると思われた。


ある日、医師が冷酷に余命を告げた。

それを聞いて彼は静かに微笑んだ。





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