エッセイ| 年末年始こぼれ話 漱石ぞな、もし
今日は非常に他愛もない話なのですが、文学つながりで、してもいいかな、と思ったので書きます。
上に2つの画像をアップしました。1つは、夏目漱石の小説『坊っちゃん』。もう1つは年末年始の病院での献立表です。まず献立の話をしますと、病院にいるので、もちろんいつもは質素なメニューなのですが、季節の行事ごとに嬉しい食事を出してくれます。年末年始ともなると、ご覧のように毎日毎食が楽しみなメニューとなります。
今回の話。ご馳走は大みそかの年越しそばから始まりました。期待にそむくことなく、衣がパリパリとした非常に美味なえび天2尾が入っていました。
しかし、ふだん質素な食事をしている身には、これすらお腹にもたれてしまいました。でもこれから豪華お正月メニューは続きます。たかが3日続く程度のこと、なんのこれしき、と、その後も美味しく食事を頂いていました。
おかげさまで無事1月2日夕食まで完走しました。2日の晩は菜めしです。これが非常にあっさりして塩味も効いていて食べやすく、締めくくりにぴったりでした。
ここで思い出したのが、夏目漱石『坊っちゃん』の中のエピソードでした。坊っちゃんは東京育ちで江戸っ子気質、曲がったことが大嫌いな真っ直ぐな性分です。物理学校(現在の東京理科大学)を出て、数学教師となります。初めての赴任先は四国・松山の旧制中学校でした。赴任先では生徒の手荒い歓迎(いたずら)に、手を焼きます。方言にも、田舎のやり方にもなかなかなじめません。校長や教頭のことも気に入りません。
そんな中で、宿直の当番が回ってきました。宿直部屋は生徒たちの寄宿舎の西の外れにあります。そして、布団へ入ろうとしたときに事件が起こります。なんと中にバッタが5〜60匹入っていたのです。これには坊っちゃんも怒り心頭、寄宿生を呼び出すことになりました。
以下、引用します。
以上、引用終わり。
この箇所を思い出してしまい、私は菜めしを食べながら笑いが止まりませんでした。ここは完全に自分の笑いのツボに入ってしまいました。菜めしは本州ではポピュラーな料理のようですが、北海道ではあまりなじみがありません。ですから、一層この箇所が頭に残っていたのかも知れません。
しかしギャグとしても一流、現代でもこれはコントとして通用するのではないのでしょうか。他にも笑えるポイントが多々あります。漱石が現代に生きていたら、作家といわず、いいお笑い芸人にもなれたことと思います。