有効求人倍率ワースト職種の採用戦略
有効求人倍率が再び二桁へ
有効求人倍率の上昇が止まりません。
最新の6月は1.27倍となり、前月より0.03上がりました。
「建設躯体工事」に分類される鳶職は、今月も安定のぶっちぎりのナンバーワン。
有効求人倍率は、再び二桁になりました。
ますます、求人数(仕事の数)が増え、一向に働き手が足りません。
さて、そんな鳶会社の悩みの種は、いつだって人材の確保です。
おかげさまで仕事はくる。
でも、人がいないから断らざるを得ない。
「職人さえいれば、より大きな面白い現場を請けることができるのに。」
そのジレンマとずっと戦っています。
日本人の若手がくるはずないと諦めていた
リーマンショック直後こそ、有効求人倍率1.0を割り込んだものの、震災復興にオリンピックと建設ラッシュが続き、まったく人材確保ができずにいました。
特に、単価面で関東に勝てず、関西はどこも相当苦労したはず。
弊社の職人が4名まで減ったのもちょうどその頃です。
そこで、起死回生の一手として、始めたのが外国人技能実習制度です。
これは弊社にとって、とても大きな投資でした。
おかげで、初年度3名、翌年に2名(半年後に1名)、翌々年に3名とこれまで計9名のベトナム人実習生を雇用。
現在、3名が実習生として、2名が特定技能として、活躍しています。
計画的に人の確保でき、うまく行き始めた採用計画でしたが、ほどなくしてコロナ。
出入国が完全にストップし、大幅に予定が狂いました。
4期生の来日は、なんと1年半もずれ込みました。
刑務所出所者・受刑者雇用の開始
ほぼ同時並行で始めたのが、刑務所出所者・受刑者雇用です。
刑務所出所者等で就職が難しい人に対し、保護観察所とハローワークが連携して、社会復帰のための就職支援を行っています。
「協力雇用主制度」というのがあり、事前に登録しておくと、求職者の紹介のほか、雇用時にさまざまな支援が受けられます。
実は、協力雇用主の登録は15年ほど前から行っていたのですが、それまで紹介はまったくありませんでした。
今思うと、会社規模や求人内容を見て、「この会社、雇用にはまだ早い…」と思われていたのかもしれません。
本格的に就労環境整備を始めたタイミングで、13年の刑期を終えた直後の30歳の男性を保護観察所からの紹介で雇用しました。
壮絶な経歴を打ち消すように、ひたむきに生きる彼の姿を見て、会社として出所者雇用を本気で取り組むことにしました。
たまたまメディアで取り上げられていた就労支援をしている団体にコンタクトを取り、出所前に面接、内定を出すという仕組みがあることを知りました。
以降、実際に刑務所や少年院など矯正施設内で仕事に関する講話や会社説明会、職業体験実習を行なっていたのですが、またコロナです。
外部との接触が一切中止となり、順調に行き始めた採用活動も止まりました。
正攻法で勝負する
正直、ずっと諦めていました。
「普通の若い日本人は鳶なんてやらんよね。」
「こんな地方の零細専門工事業なんか選ばんよね。」
と。
ただ、コロナで打つ手がなくなり、次の一手と考えた時に、改めて正攻法の採用を勉強しました。
これまで「働きやすい」と「カッコいい」にこだわった制度や社風や弊社らしさをちゃんと伝えられているか。
一緒に働きたい、と思える人の目のふれる場所に求人情報が届けられているか。
そして、届けた情報が彼らの心に刺さる内容になっているか。
これまでの求人票の概念を覆すノウハウを学び、実践し、たった半年で9名採用することができました。
しかも、ほぼ20代です。
正直、奇跡だと思ってます。
が、今はまだまだいけるとも思っています。
一気に9名の採用できて思うのは、諦めていただけだったなということ。
あと2年早く動いていれば、もっと採用できていたのかな…と悔やんでもいます。
なぜなら、6月から応募がすっかり止まっているから。
つか、こんなに暑いと転職する気にはならないか。
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