見出し画像

レスパイトケアの重要性〜運命共同体〜

毎日のように高齢者のご自宅へ訪問リハビリや、生活支援のためにお伺いしている。

仕事を通じてたくさんのご家族と出会い、関わりを持つ中でわかった事は、全ての家庭がと言っていいくらい何らかの悩みを必ず抱えていることだ。

そして家族が仲良く、絆が強い家庭ほど介護生活の中で自分を犠牲にして支援をしている人が存在している。

二世帯、三世帯で1人を介護しているならまだ問題は少ないが、夫婦のみで介護している場合、パートナーへの負担は計り知れない。

老老介護はその名の通り介護者も高齢者なのだ。

あるご夫婦の話だが、お二人とも80代までお互い好きな趣味を持ち、元気に過ごされていたがある日、ご主人が転倒し、骨折した事により生活は一変する。

約半年のリハビリを終え帰宅するも、歩行が不安定なため常に奥様が介助する生活となった。

もちろん介護保険サービスを検討する事にはなったのだが、あまり乗り気ではないご主人のためにはできるだけの事はしてあげたいといつ呼ばれても介助できるようにと常に側にいるようになった。

初めの方はまだ緊張感もありうまくいっている様に見えたのだが日に日に奥様の顔色は悪くなっていた。

夜中だろうといつでも駆けつけなければとの思いが不眠症を引き起こしてしまい、できるだけ家を空けてはいけないという思いが習い事や趣味の交友関係を断ち笑顔や楽しみの無い日々を招いていた。

家族の介護は大切な人を守る重要な課題だが、その引き換えに介護者が犠牲になるべきでは無いと思う。

奥様が倒れたら、それこそご主人もご自宅で暮らせなくなる。どちらの命も守らなければならない。まさしく運命共同体だ。

介護者を休ませるためのサービスはレスパイトケアと言われる。

子育ては少しずつ手が掛からなくなるが介護はすぐには終わらない。10年以上になる事も珍しくないし、さらに言えばトラブルは増える一方だ。

その長く続く介護生活を少しでも笑顔のある日々にするために、これから介護サービスを選定する方達には、ショートステイでもデイサービスでも、保険外の見守りサービスでも構わないので、家族の意向を汲んだレスパイトケアを積極的に取り入れて欲しいと思う。

長生きする事がまるで迷惑をかけるだけで悪い事の様に言われるのは本当に心苦しい。

超高齢社会はとても素晴らしい事で長生きする事を本心で喜びあえるような社会になってくれればと切に願う。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?