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初めての。昔の話 海外編6

いよいよコンポンチャムへの出発の朝。
氷に当たった先輩は熱も軽くあったのだが、一人で明石邸にいるのは嫌だと、泣きながらスーツに着替えて連れて行ってもらえることになった。これから行くのは国賓ということでちゃんとした格好をしなくてはいけないらしい、、、。馬子にも衣装になんかならず、とっても変な日本人の集団。その前にやった芝居の影響でみんな髪の色が激しく脱色された人たちだったのである。

船に乗るための桟橋に着いた。
桟橋なんて呼べる代物ではなく土が盛ったところに丸太橋のように板が一枚船まで渡っていた、、、、、
うん、これは機材なんて運べない、、、機材と一緒に落ちる、、、、、確実に。
機材持ってなくても怖い。

船はカンボジア軍の船であった。
銃を持った軍人さんたちに囲まれてのメコン川クルーズ。
メコン川ですよ!!デルタ地帯の。そのぐらいの知識しかなかった、、、。今みると東南アジア最大の川。そりゃでかいはず、、、スケールが違います。船で上流に向かうので、4時間かかると言われた、ゆっくりゆったり船は進んでいく。日本の団長さんは、兵士の方に日本語で「この銃かして。写真撮りたいから」と宣って、まんまと銃を借りて、一緒に写真を撮っていた、、、いつかこの人のようにずーずーしくなりたい、、、と心の中で思った。

ほんとに心地よくて睡魔がなん度も襲ってくる。あの風、空気、泥のような川。こんな体験絶対できない、、、それを今自分がしてるんだなぁー。旅してる自分、素敵ーー。と心の中で思った。四半世紀以上経った今も思い出せる。

そしてお昼時、軍人さんたちがビニール袋に山盛り何かが入った袋を持ってきた。
それは一袋に50本ぐらい入ったバゲットだったのだ。それを一本づつみんなに配給してくれた。一つ一つのパンに食紅のカンボジアの判子が押してあった。これが軍で出るものなんだーーー。これを食べたことある日本人はどのくらいいるのか?!すごーーい、ほんとにすごい体験。
そして、そのパンの美味しさたるや、これまで食べたバゲットの中で1番美味しかった、、、。練り方も、小麦の味も、その後フランスにも行かせてもらったのだけれど、とにかくあのカンボジア軍のパンに敵わない、、、もう一度食べたい。あの時の自分の舌が本当なのか、空気感でそう思ったのかもしれない、、、
北海道出身なのだが、みんな北海道に騙されていて、「北海道ってなんでも美味しくていいねーーー」とかいうアレ、だったのかもしれない。でも、ほんとに美味しかったのだ。おかずも何もなくペットボトルの水1本とパン1本の配給。あああカンボジア印のバゲットが食べたい。もう一度食べたい。あの素晴らしい味をもう一度🎵なのだ。

そんなことをおもって微睡んでいると、コンポンチャムに到着した。
コンポンチャムは浅瀬があり、うまい具合に斜めに板の階段が降ろせた。

船から降りて町の待合所のようなところに案内され外のベンチとテーブルに座っていたら、山盛りのミニバナナを持ってきてくれて食べろ食べろと言って置いて行った。二種類のバナナは親指程のものと、オレンジ色のバナナ。そのバナナを食べた時の感動。きっと昔の人がバナナを食べた時と同じぐらいの感動じゃなかろうか、、、バナナを食べて感動するとは思っていなかったから。
今もあのバナナが食べたいと思っている。甘さと芳醇さが素晴らしかった。日本でバナナをあんまり食べなくなったのは、あのバナナの味じゃないからなのだなぁ。と思う。

お祭りで町は楽しそうに生き生きしている。普段はどんな町なのか全くわからないのですが、田舎のお祭りのまちの空気感が満ちていた。

このあと、何があってそうなったのか記憶が曖昧なのですが、どうやらあちこちから集まってきたお金持ちの方たちが乗った船が何台かあり、今日はそこに宿泊するらしい。といっても木造の船のデッキで風に吹かれながら寝るらしい。すごい体験!!
そんでその船に乗ったら、二つのグループに分かれてしまったのだ。いや、正確には三つ。分かれた人を探しに行ったグループ。船に残った人、町にいる人。
自分は船に乗りっぱなしだった。探しにいくグループが降りて少ししたら、船がメコン川の沖?中の方に動き出したのである。

はてさて、この先どうなる?!

つづく

いやはや、記憶の曖昧なこと(笑)まだまだ初めて体験はつづくのであった。




削除したのが見つかった!!


以下 書き直した新しい文章。

せっかくだから残しておこーっと

朝早くから、桟橋??的なところに行くと、カンボジア軍の船があった。

お腹を壊した(激しく激しく)心優しき先輩は熱まであるのに、明石邸で休むのは嫌だと泣いて駄々を捏ね、スーツに着替えて、同行することになった。もう一人の方も行かないと言っていたので、一緒にプノンペンにいればいいのにと言ったのだが、そりが合わないらしかった。気力でその後船の中で寝たら治ったらしい、、、おそるべき気合い。

一応国賓ということで、みんなでスーツを着たので、スーツに着替えたのだった。
カンボジア軍の船に乗るためには木の板一本で船まで渡る。ほんとに木一本。これは機材無理!!人間だって怖くて渡れない。バイクの一本橋のような板。落ちたらメコン川へ一直線!こ、こわーい。叫びながら、船に乗り込むとたくさんの兵士さんが銃を持っていた。
皆さんは私たちのためにいるのか!す、すごすぎる。
軍服にベレー帽だったはず。
メコン川を上って行くので、行きは4時間かかるそうだ。心地よいメコンの風に吹かれて、うたた寝しながら船は進む。

団長さんは、日本語で兵士さんに「この銃貸して、写真撮りたいから!」と屈託なく笑って借りていた。困りつつも笑いながら兵士さんは貸していた。うーん、歳をとったらこんなおじさんになりたいものだ!そう思った。普通なら遠慮しちゃう。さすが、若い時から某テレビドラマにレギュラー出演していただけのことはある。もう、お亡くなりになっているからお名前は出せない。ぶっ飛んでないとダメなんだなぁーって思って見ていた。
銃を抱えて、カッコよくパシャりと一枚撮っていた。
まだデジタルではなく、フィルム写真のカメラ。そういう時代。映るんです。はあった。
若い人は知らないかもしれない。使い捨てカメラ。

そうこうしてると、朝ごはん?なのか、10時の配給なのかわからないのだが、パンが配られ始めた。大きなビニール袋にいっぱいのバゲット。それと600mlぐらいのペットボトルの水。
自分たちも一本づつもらった。
一口食べて驚いた「う、うまい」こんなに美味しいパンを食べたことがなかった。
バゲットには食紅のカンボジア軍のスタンプが押されていた。それもオシャレ!とにかくおかずもバターもジャムも何にもいらない!!一気に食べてしまった。言葉が通じたら、団長のようにずーずーしく「もう一本ちょうだい!」と言いたかった。
その後、フランスでもバゲットを食べたがあの時のような感動を覚えたことはない。
小麦のせいなのか、水のせいなのか、空気のせいなのか、パクチー地獄で飢えていたのか。

自分は北海道なのだが、みんな北海道のものは美味しいという。えーー?そう??普通だと思うし、なんなら一番美味しいものは東京とかに行ってると思う。
北海道マジックにみんなかかってるだけに違いないと今も思っている。美味しいものもあるのは確かだが、大通り公園のとうきび(とうもろこし)はまさにそれ。高いし、べちゃべちゃなのに、みんな美味しいーーって。もっと美味しいところ遠いけど教えてあげますよ!!って言いたくなる。

話は逸れたが、とにかく死ぬまでにもう一度食べたいものの一つだ。カンボジア軍印のバゲットよ、もう一度!

そうこうして、メコンの風に吹かれてうたた寝してるうちに、村?町に着いた。送ってくれた船とは別の船に乗り換えらしい。
軍の船とはお別れ。ほんとに私たちを乗せるためだけにこれチャーターしたのかも。機材運ぶから大きな船で。でも、、、機材載せられなくてごめんなさいーーー。
旅にトラブルはつきもの。

船から降りて、この先がどんな順番でどこなったのか一つも思い出せないのだが、覚えているところから書こう。

待合所でくつろがせてもらう、ログハウスの外にあるような木のベンチとテーブル。
その上にはバナナがいっぱい載っていた。
オレンジ色のバナナ、ミニバナナ。沖縄の島バナナのような??(当時は小さいバナナとよんでいたと思う)このバナナがまたしても、今までに食べたことのない美味しさだったのだ。
今も、自分はバナナをあまり食べない。それはあの時のカンボジアのこの村で食べた味じゃないからなのである。一口食べて、あ、あの味じゃない!と思ってしまう。今も恋焦がれているのである。千○屋の高級バナナも何度か頂いたが、あの味じゃない。
これも空気感なのかなぁ、、、。
南国で食べるバナナにやられていたのか。甘さと味、どう熟成させたらこうなるのか、、、。完熟までバナナを成らせておくなんて聞いたことないので、多分違うと思うけれど、勝手に木で熟成させたから美味しいに違いないと思い込んでいた!!
この先、南国に行ったことはないので南国ならどこでもバナナが美味しいかどうかはわからない。でも、とにかく幸せの味のバナナ。バナナ一本でこんなに幸福感を味わえるなんて。でも、バナナが日本に入ってきた時の家庭でもそうだったのだろうなぁーと思う。

バゲットにバナナ、1日にこんな幸せを味わっていいのだろうかと思った。今思えば、銃を貸してもらった団長のようにずーずーしくバナナも爆食いして、バゲットももらえばよかった、、、。

つづく

追伸
間違えて、6を消してしまった、、、書き直し、同じこと書けない笑笑何をどう書いたのかわからないが、うまく7に繋がるといいなぁーー。



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