ClafT2024の感想①『閉鎖的開放』を鑑賞した後の心象について
こんにちは、とある心理師です。
今日は前回の記事にお伝えした通り、Center line art festival Tokyo 2024(中央線芸術祭2024・以下ClafT2024)を通じて鑑賞した数々の作品の内、特に印象に残った展示について綴りたいと思います。
ClafT2024では多くの素敵な作品に出会うことができました。
ただその中で、特に記憶に刻まれた展示があります。
それが、Open Art Platform「iru」にて行われたアーティスト・上野悠河サンの『閉鎖的開放』です。
展示内容について、どこまでお伝えして良いのか分かりませんが、この個展が、個人的にClafT2024の展示の中で最も印象に残った(心象を得られた)展示でした。
在廊していた上野悠河サンともお話をすることができたのですが、その中で『身体性』というテーマを意識的に捉えて今回の展示を企画したと話されていたことが印象的でした。
確かに、それぞれの展示物が帯びている質感も感じとれましたが、それと同時に、不思議と身体性も感じることができたように思います。
まるで、人間の身体に内包された最も柔らかいものを見たり触れたりしたような感覚。或る青年の淡い記憶がセピア色の空気になって、辺りに漂っているような不思議な空間の中で、柔らかい身体性を感じながら、その中で佇むことができました。
それはとても心地いい体験で、筆者は小一時間ほどそこに滞在することになります。
余談になりますが、上野悠河サンの『閉鎖的開放』は、当初は中央線沿線の吉祥寺エリアで開催する予定だったらしいです。諸般の事情により開催会場の変更を行う必要が生じ、会場をOpen Art Platform「iru」に変更したとのことです。
ただ、筆者としては、それが凄く良かったと個人的には思っていまして。
「iru」で開催されたからこそ、鑑賞者はゆったりと居続けながら作品を鑑賞できたように思いますし、「iru」が持つ空間としての面白さと上野悠河サンの作品が醸し出す質感や雰囲気が絶妙にマッチしていて、きっと筆者以外にも、この秀逸な調和を楽しめた方がいるのではいるのではないかと思います。
そのような事もあり、結果論ではありますが、『閉鎖的開放』が「iru」で開催されて、個人的には本当に良かった、と思っております。
『閉鎖的開放』の鑑賞時に得られた心象は筆者にとって大きなもので、自宅に帰宅した後もしばらく余韻が続いており、就寝前に当時の情景がふと浮かび上がるくらい、脳裏に焼き付いて離れなかったことを覚えています。
芸術作品を鑑賞することでこのような体験をしたことはこれまでになく、その点においても、とても素敵で貴重な体験だったと思います。
ちなみに、上野悠河サンは今回のClafT2024で『座・高円寺・Gallery アソビバ』でも「概観 Tour d'horizon」という展示をされていました。
そちらの展示でも鑑賞を楽しむことができ、どこか懐かしい雰囲気だったり、繊細な記憶が蘇ってくるような面白い体験をすることができたと思います。
また、上野悠河サンは「Mus'c」(ムスク)という名義で音楽活動もされているようです。ご本人のWEBサイトも紹介しますので、気になった方は是非、ご覧になって下さい。
さて次回は、ClafT2024で特に印象に残った(心象を得られた)パフォーマンスについて綴りたいと思います。
今日もご一読をありがとうございました。