【独自】「夜勤帯は1人で50人見る状況」都内高齢者施設で職員30人一斉退職…1年前“格安利用料”オープンで入居者90人 連絡途絶えた社長に祖母直電・・・という記事の紹介です。
びっくりのニュースを見かけたので紹介です。
都会でこの状況?・・・と思うと、もしかしするとこういうの全国的に広がっていくのかもしれません。
1年前にオープンという事で、あまりノウハウがない状況で参入したのかなぁ・・・とか思うのですが、いきなり有料老人ホームとか難易度高すぎだろうと思いました。
基本的に24時間365日の運営形態は結構難しいです。
特に人手不足の状況が業界全体で慢性的なので、各時間帯に本当に必要な職員配置をしようとすると、ほぼ不可能に近くなるので、必要最低限の配置になっていく感じ。
老人ホームと記載してあると、介護職員が配置されていて、24時間365日、必要なサービスが受けられると思われがちだと思うんですけど、この記事にあるような有料老人ホームというのは、そうじゃないんですよね。
その辺の詳細はあとで説明するとして、定員に対する入居率が50%っていうのはかなり厳しいですね。
職員を揃えられなかったから部屋を稼働できなかったのか・・・とは思いましたけど、住宅型有料老人ホームなので、基本的に必要な人員基準はあってないようなもんなんですよね。なので、職員不足で入居者を集められなかったというのはちょっと違いそうな気がしますが、実際はどうなんでしょ。
さて、一般的に老人ホームで想像されるのが、前述したようなフルタイムでその施設で雇用されてる介護職がサービスを提供する老人ホームだと思うのですが、このタイプの老人ホームは、介護保険施設という分類にあてはまり、現状3種類の施設が存在します。
一番一般的なのは特別養護老人ホームでしょうか、特養と呼ばれます。
介護老人保健施設は短期的にリハビリをして在宅復帰を目指す施設なんですが、実際は長期で入所している人も多いと聞き、ほとんど特養化していると聞いたことがあります。
ですので、有料老人ホームというのは、上記のような老人ホームとは別物なんですよね。
有料老人ホームの中でも、介護付き有料老人ホームとなると、その施設の介護職員が介護サービスを提供しますが、それ以外の住宅型やサービス付き高齢者住宅というのは、基本的に施設の職員はほとんどおらず、住宅型だと食事をつくる調理職員と管理者くらいしかいないとか、そういう感じです。
で、よく訪問介護で併設型で利益率が高いと言われているのが、この住宅型やサービス付き高齢者向け住宅でサービスを提供する訪問介護事業所です。
住宅型もサ高住も、基本的に自社で訪問介護等の外部サービスを抱えた状態で住宅運営をする事で、入居者への効率的なサービス提供による利益で運営していく、というのがスタンダードな経営戦略かと思うのですが、どうやらこの記事の施設はそうじゃない感じですね。
・・・んー・・・もしかして併設の訪問介護事業所の人員基準を満たせなかったとかそんな感じ?・・・さすがにそれはないか。
ちなみに、住宅型有料老人ホームで法的に定められている人員基準はこんな感じです。
転載している記事にも記載ありますが、住宅型有料老人ホームには、事実上人員基準は定められてないわけです。
基本的に自立度が高い人向けの施設ですから、認知症になったり介護が必要になってくると退去を求められるケースがあります。
ですので、今回の記事の内容をみると30人以上の介護職員を雇用していた住宅型有料老人ホームという事になりそうなので、実際どうやって経営していくんだろう、家賃も相当安く設定していたようなので、そりゃ経営は難しいだろうと思いました。
対応がひどすぎで、本当にこんな事する施設がんのか?と思ってしまいました。
職員も困りますけど、一番困るのは入居者さんなんですけど、転居先とか大丈夫なんだろうか・・・。
これ、田舎じゃなくて都内ですからね、大都会でこんな事が起こるなんて想像もしてませんでした。
今後の動向は気になりますね。
始めたからにはこういう事にならないように踏ん張ってもらいたかったですね。同じ経営者として引き締まる思いで記事を読みました。
事業所の倒産件数が増加傾向で、訪問介護の件数も増えてましたが施設の倒産も増えてたはずなので、こういう感じで廃業していく施設も増えているのかなぁと思うと、2040年を待たずしてこの状況か・・・と思わずにはいられませんでした。