見出し画像

朝一杯の牛乳が消える!? 酪農危機の知られざる実態・・・という記事の紹介です。

一部報道では出ているのでご存知の方も多いとは思いますが、北海道で深刻なニュースなので紹介します。

日本の生乳の生産の半分以上を担う酪農王国・北海道では、過去最悪レベルともいわれる“牛乳ショック”に直面している。搾りたての牛乳は一部廃棄され、手塩にかけた子牛は価格さえつかないことも。廃業を決断する若手酪農家も出始め、超巨大ファームまでも“このままでは本当に生き残れないかも”と悲鳴を上げる。一杯の牛乳が届けられるその裏側で何が起きているのか。30人を超える当事者への取材から、知られざる“牛乳ショック”の実像に迫る。(クローズアップ現代 取材班)

クローズアップ現代

しぼりたての牛乳が廃棄されてる???
最初にこの報道を知った時は、ちょうど乳製品などの値上げの報道があったばかりで、てっきり牛乳などが不足しているからだ・・・と思っていたのですが、なんで???となりました。

ウクライナ情勢で乳製品等の原価が高騰しているから値上げラッシュになっていると思っていたのですが、国産の牛乳があるのであれば値上げする必要もなさそうな気もするのですが・・・。

牛乳とかチーズとかヨーグルトは結構好きなので、勿体ない感が半端ないです。

険しい表情を浮かべ、カメラの前で語り始めたのは、日本を代表する酪農家として知られる小椋幸男社長。経営する「ドリームヒル」は、北海道十勝で年間約4万トンの生乳を出荷する全国最大規模の牧場の一つであるが、ロシアによるウクライナ侵攻後、飼料穀物の高騰で経営は苦境に陥った。抱える乳牛の数は約3900頭。年間約5万トンのエサが必要となるが、その半分近くを海外からの輸入に頼ってきた。トウモロコシを主原料とする配合飼料は、この2年で1.5倍以上に高騰。アメリカやオーストラリアから輸入する牧草も円安の影響などで値上がりし、年間のエサ代は経営コストの8割を占める約30億円にも上ってしまったのだ。

クローズアップ現代

僕も牛や馬が牧場にいる風景の中で仕事をしてきたので、結構身近な感じにはなってましたが、飼料の高騰でも苦しんでいたというのは、こうやって聞かされると確かに、とは思うものの、知らなかったなぁ・・・というのが正直な所です。

コストが増大しているのに牛乳を売れないどころか廃棄している実態があるというのも、ちょっとその流れがよくわからないですね。なんでだろ。

危機的な状況は、エサだけにとどまらない。

アメリカで最先端の酪農経営を学んだ小椋社長は“世界基準の酪農”を目指し、最新設備を次々と導入。4年前に約40億を投資し、エサやりから搾乳まで無人で行える最新鋭のロボット牛舎を建設し、乳牛頭数もさらに1000頭増やした。

後継者不足などで全国的に酪農家が減少し、生乳生産量が落ち込む中、国からは北海道の酪農家に増産が期待された。規模拡大に奔走していたところ、起きた世界的な飼料高騰。去年、金融機関から多額の借り入れをして、なんとかしのいでいる状況だという。

クローズアップ現代

農業もそうですけど大規模化しないと難しいと言われていますし、機械化できるかどうかがポイントみたいですが、そういう課題に対応してきた段階での物価高騰など厳しい状況にあるみたいですね。

国産の食料については、国を挙げて守らないとダメなんじゃないかなぁ、なんて思いますし、もうずいぶん前から食料自給率について危機感があるような報道がされていたような気がするのですが、そういえば最近はそういう話も聞かなくなったな・・・と思っていたところでした。

生き残るためには、1円でも高く生乳を買ってもらいたいところだが、価格を簡単に上げることはできない特有の業界事情がある。牛乳やバターなどの原料となる生乳は、地域別に農協などが作る指定団体が集め、全国の乳業メーカーに販売する「一元集荷体制」が組まれている。乳価は、指定団体と乳業メーカーの交渉で決まるため、酪農家は妥結した価格を受け入れるしかない。酪農家の経営悪化などを受け、去年11月から飲用牛乳向けの乳価は10円値上げ、バターなどの加工向けも今年の4月から10円値上げとなるが、赤字を解消するにはほど遠いという。

クローズアップ現代

価格高騰の流れは僕らの生活では少しの値上げでも厳しいですけど、売っても赤字を解消できないというのはつらいですね。
しかも自由競争になってない環境ですよね、これってどうなんでしょう・・・。

こうした中、小椋社長は、「一元集荷」という業界の枠組みから一部外れる決断に踏み切った。指定団体を通さず、少しでも高く売れる販路を独自で見つけるというものだ。

日持ちのしない生乳。必要な量を必要な時に消費者に届けるため、指定団体に卸すことで生産流通の秩序が維持され、価格の安定が図られてきた。しかし、「このまま何もしなければ、地域経済にも大きな影響が出る・・・」小椋社長は、本州の乳業メーカーと直接取り引きを拡大する交渉を始めた。
 

クローズアップ現代

その団体に所属していたら生き残れないので仕方ないですよね。

「いいところどりをしているだろうとか、ずるいやつだとか言われるんですけども、しょうがないかなと。もう無理だと白旗あげるわけにはいかない。従業員百人抱えて、家族のことを考えると、とんでもない人数背負ってますから。何とか凌いでなきゃならない」

クローズアップ現代

みんなと同じ事をしないなら潰れてしまえ、というような周囲の環境があったようですけど諦められませんよね、そう簡単には。

北海道の酪農家の一部では、生乳の廃棄処分をせざるをえない事態が起きている。

900頭あまりの乳牛を抱える友夢牧場の植田昌仁社長は、生乳の生産量を減らすよう農協から求められ、1日 1~2トンの生乳の廃棄を始めた。

クローズアップ現代

農協から廃棄を求められているという構図ですよね。
他の工夫とかできなかったのか謎ですし、その分の補填などはあった方がよさそうなもんだと思いますけど、その辺は何もしてない感じですよね。

搾りたての生乳をなぜ廃棄しなければならないのか、背景にあるのが国の政策だ。2014年、バター不足が問題になると国は生乳の生産を増やすため、補助金をつけて大規模化を促す「畜産クラスター事業」を推し進めた。

道内の酪農家らは、大型投資を進め、増産体制へと舵を切った。こうして全国の生乳の生産は733万トン(2014年度)から764万トン(2021年度)へと増加に転じたものの、2020年に新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、学校給食が減り、さらに外食や観光需要が落ち込んだことで、今度は一転して、生乳の供給が過剰となった。乳業メーカーでは日持ちのしない生乳を保存がきく脱脂粉乳に加工することで対応。しかし、脱脂粉乳の在庫量は去年最高水準に達したため、酪農家は生産の抑制をしなければならない事態に陥ったのだ。友夢牧場では、今年度1万トンの生乳を生産する計画だったが、農協から割り当てられた減産目標は85トンに及ぶ。

クローズアップ現代

国の政策でやってきた事なのに見事に梯子を外された感じのように見えます。
脱脂粉乳の倉庫の容量も増やせばよさそうなもんですけど、そこもそう簡単な問題ではないのでしょうか。

これだけの廃棄量があるのであれば、乳製品の原材料として流用できるような工夫もできそうな気もしますけど、そういうのもうまくいかないのかなぁ・・・。

最近は牛乳を飲む量を増やしましたけど、さすがにガブガブ飲めないので国として何等かの対策をしないと、また生乳不足だー・・・とかになりかねませんよね。

去年11月、国は生乳の需給ギャップを解消しようと緊急支援事業を発表した。

生乳の生産抑制のため、牛を早期淘汰した場合、1頭あたり15万円の助成金を国が交付するというものだ。この事業で、4万頭の削減を目指している。

去年9月に釧路市で開かれた集会では、国の進める方向性について疑問や反対の声が次々と噴出していた。

(釧路地区農協青年部協議会 浅野達彦会長)
「数年前の生乳不足、増産要請に応える形で投資をしたのに梯子を外され、自己責任と切り捨てられてしまっては、これから先、だれが30年もの借金を背負って、設備投資を決断できるのでしょうか。
このままでは、農村に人が寄り付かなくなってしまいます。これから1年、2年先の経営が厳しいという話では、もうすでになく、酪農の基盤そのものが揺らいでしまう深刻な事態だと思います」

(標茶町酪農振興会連合会 山本志伸会長)
「牛乳は、水道の蛇口のようにひねれば簡単に乳量を止められるようなものではありません。投資してきた借金を返済するためには、増産しなければなりません。ウクライナ情勢をきっかけに、食料自給率の向上や食料安全保障が議論になっている今、外国産の乳製品と置きかえる時が来たのではないでしょうか」

クローズアップ現代

国の対応がひどいですね、方針がないというかなんというか・・・。
介護保険政策でも似たような感じはありますが、それにしてもひどい。
増やせといってきたのに減らせはないよ、と思いました。
生き物ですからね、減らせというのは殺せっていう事ですから、本当に現場にいないで指示だけ出すのは簡単だなぁ、と思いました。

上記の意見でも出ていますけど、捨てるくらいなら輸入製品を減らせばいいんじゃないかと思います。

牛そのものの価値も暴落している。90 頭ほどの牛を飼う、八雲町の片山伸雄さんが取材班に見せてくれたのは、肉用として販売してきた子牛の売買記録の明細。去年6月の時点で1頭あたり約14万円で買い取られていたが、9月には5000円に。

牛が乳を出すためには継続的に子牛を産ませる必要がある。メスの子牛の多くは、乳牛として育てられるが、オスや交雑種は肉牛として畜産農家に売られ、子牛は酪農家の収入の柱の一つとなっている。しかし、大量のエサを与えて牛を育てる畜産農家も、飼料の高騰で経営が苦しく、子牛を買い控えるようになっているのだ。

去年10月、家畜の流通業者が片山さんの子牛を引きとりにきたが、体重が軽かったこともあり、ついた値段はわずか1000円に。

種付けから出荷までかかった経費は3万円。

出産後は、下痢や肺炎にならないよう細心の注意を払って育ててきただけに落胆は大きかった。

「最近の相場で考えたらしょうがない・・・でも、ここまで値段が落ちてくると経営にもかなり響いてくる」

クローズアップ現代

子牛が1000円・・・。どういう事ですか・・・。
普通に経営成り立たないんじゃないですか?これ。

25歳の吉田雄平さんは、札幌の自動車専門学校を卒業後、一度は別の職についたが「祖父の代から70年続いた牧場を守りたい」と3年前に父から経営を引き継いだ。

しかし、その直後に飼料高騰、子牛の暴落が重なり、去年11月に農協から提示された赤字額は700万円以上。今年、経営を続ければ、赤字が新たに1100万円に上る厳しい見通しが示された。

今後、経営を続けるには老朽化した牛舎の改築も必要となるが、この状況では資金のねん出や借り入れはできない。従業員は姉と両親の3人だが、父は68歳、母は63歳、続けるには体力的な限界もある。今のタイミングで牛や土地を手放せば、両親にいくばくかのお金は残せるのではと考えている。

クローズアップ現代

若い世代の後継者が酪農続けられなくて廃業しちゃってるじゃないですか、本当に大丈夫なんだろうか・・・これから先・・・。

30人を超える酪農家に話を聞いてきたが、その誰もが口をそろえて“過去に経験のない事態”だと語った。去年、北海道だけで、経営を諦め離農したケースは200戸近くにのぼるとみられ、意欲ある若い酪農家までも退場を迫られる事態に陥っている。

しわ寄せの多くが生産者にのしかかる状況が続けば、次に続く者はいなくなると感じた。

クローズアップ現代

こんな状態だと、これから先は国産の乳製品はなくなって、全部海外の輸入品になっていくような気もします。

国はそうならないように大規模化を進めたんじゃないのかなぁ、海外の輸入品に負けない国産品を流通させるのが目的だったんじゃないかと思うのですが、すごく残念が現状が北海道で起こっているとの事です。

みなさん、可能なら少しでも牛乳買ってください。

十勝の基幹産業である酪農がいま、危機に直面しています。新型コロナウイルスの影響で、全国的に乳製品の消費が落ち込み、年末年始には余った生乳を廃棄するおそれも出ました。廃棄は回避できたものの、バターなどの在庫が過去最高水準に積み上がっていることから、令和4年度には16年ぶりに生乳の生産抑制が始まります。道内の生乳生産量の3割を占める酪農王国十勝に広がる影響を追いました。

(NHK帯広/嘉味田朝香記者)

NHK

バターとか余っているのに何故乳製品が値上がりしたんでしょうね。
こういう在庫分を直接買えたりしないのかなぁ。

チーズ好きだし保存もきくだろうしそれなりに買えそうな気がします。

バターや脱脂粉乳などの在庫が過去最高水準に積み上がっているとした上で生産抑制への協力を求めています。生産抑制が求められるのは、道内の酪農家だけです。

NHK

なんで北海道の酪農家だけ生産抑制しないといけないのでしょう。

道内の生乳生産量はここ数年急増しています。背景にあるのは酪農家の大規模化です。国の支援事業の後押しも受けて、生産が減り続けていた本州を補う形で生産を増やしてきました。十勝も生乳生産量は10年連続で過去最高となっています。

NHK
NHK

本州の減産分を北海道の増産でフォローしてきた経過があるようですね。

ドリームヒル 小椋幸男社長
「国は大規模化を推進してきて『どんどん絞りなさい』という方向性で来ていたので、いきなりはしごを外されるという感じです。国の方針に沿って大規模化してきたので、生産抑制が行われる中でこの投資をどういう風に回収していけばいいんでしょうか」

NHK

国の方針がこんなにコロッと変わっていいのでしょうか・・・。
こんな事だと、どの業界もいつ梯子を外されるかわからないので信じられなくなりますよね。

ドリームヒル 小椋幸男社長
「北海道の生産をメインで抑え込んで、コロナ後にはまた、調整が効かなくなると思います。一度減産してしまうと、再び“バターが足りない”ということになりかねません。また同じてつをふんでいるのではないかと思います」

NHK

普通に考えて起こりそうな予測ですよね。

そうなったらなったで乳製品がまた価格高騰するんですよ。

北海道大学大学院 小林国之准教授
「この危機をどうやって乗り越えるかという中で、非常に厳しい局面をことしは迎えると思います。北海道という場所でどういう酪農が持続的なのか、酪農家だけでなく消費者も互いにコミュニケーションを取りながら改めて考えていく、そういう機会にしなければならないと思います」

NHK

消費者として出来るのは、牛乳とか乳製品を買う事くらいでしょうか。
特に北海道の酪農が厳しいので、北海道産の乳製品に狙いを定めて購入するとか工夫した方がよいのかもしれませんね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?