引き継ぎで伝えたい事がいっぱい。
デイサービスの管理者引き継ぎもいよいよラストスパートの4月です。
管理者経験もなく初めての管理者ですが、3月に引っ越してきて必死に食らいついてきてくれているので教え甲斐があります。
知らない土地、知らないチーム、知らない利用者、知らない管理業務、という状況で、どこまで一人でやれる状況に整えてあげれるかが重要と考えて取り組んでいます。
まず利用者さんの顔と名前を一致させない事には始まりませんが、合計60人くらいの利用者さんが曜日によって入れ替わり立ち替わり顔ぶれが変わるので、まず1〜2ヶ月で完璧に覚えるのは不可能です。
僕はだいたい3ヶ月くらいで覚えるので、最低でもそのくらいはかかると思います。
今なら利用者さんの顔も名前も見分けはつきますが、僕も着任したての頃はほとんどの方が同じ顔に見えました。
顔と名前が一致しないうちはいろいろとできない仕事もありますが、限られた期間で管理業務を教えるにはそうも言ってなれないので、3月以降は僕が把握している情報で特徴的な内容や本人の癖だったり、エピソードを添えて必ず説明した上で紹介するようにしてきたので、名前を言ってもピンとこない場合でも、特徴的な生活歴や動作の癖や話し方の癖などをヒントにする事でその時は顔と名前が一致するような状況にはなってきました。
また、送迎も覚えないといけないので、自宅の場所やルートを覚えるのも一苦労のようです。
まぁ、まだ知ってる土地なら違ったのでしょうが、初めての土地でどの道も同じように見えるようなので、そこも僕なりの目標とかを紹介しつつ、4月からは実際に運転してもらって3月に頭で覚えた道を実際に走って覚える取り組みをしています。
まぁほとんど覚えているのですが、まだまだ自信が持てないようで不安いっぱいみたいです。
いよいよ5月からは一人でやらないといえない状況になる事をリアルに感じているようで、日に日に不安感が強くなるみたいで、こっちも不安になってきます。
さて、そうは言っても伝えないといけない事は伝えないといけません。
初めて管理者になる人ですから、やはり最初が肝心です。
管理業務を覚えることは大切ですが、それよりももっと根本的な理念や介護観を自分の言葉で職員や周囲に発信する力が最も重要と考えていますので、そういう思いや熱を伝える事が大切だとずっと伝え続けてきました。
理解はできるがみんなの前でそんな事言える自信がない、そんなに自分は出来るわけではない、という感じで本人はとても難しく考えているようですが、そこについては考えて悩んだりする必要はなくて『難しく考えなくて思った事を言え。』と伝えてはいるのですが、いやいやいや、という感じ。
僕も変な考え方や、あまりにおかしな介護観だったり理念が理解できてなければここまではいいませんが、その辺りはこの間の働き方や利用者さんとの接し方、援助に入るタイミングやポイントはしっかり押さえてあるので、まず思った事を言っても間違いないのでこう伝えているのですが、まだまだそこに自信が持ちきれないようです。
僕も完璧な自信があるわけではなくて不安があるんですが、それはそれでこれまでの経験と利用者さんから頂いた反応を根拠に自分の考えを伝えるようにしています。
なので、言ってるうちにそういう自分になっていくもんだ、とも伝えてはいますが、このあたりはもしかしたらリーダーとしての経験をもっと積まないと難しい境地なのかも知れません。
もう一つ大事な事だ、として伝えているのが『残業するな。』です。
管理者ともなると残業してあたりまえ、という雰囲気が根強くあるこの業界ですが、僕自身は無駄な残業は害悪でしかないので、これまでも残業しないために仕事の組み立てや工夫をしてきました。
特に拠点管理と事業所の管理を兼務するようになってからは、どうしても残業になってしまう仕事のボリュームなので、ある程度兼務に慣れた時期から、拠点の仕事と事業所の仕事を明確に分けて行うようにしました。
まず事業所の営業時間は、事業所の管理者の仕事を最優先し、絶対に管理業務で残業にならないようにしてきました。
その上で余裕があれば拠点の仕事をする感じです。
時と場合によっては拠点の仕事を優先せざるを得ない場合もありますが、それはそれで残業になって仕方ない事なので問題はありません。
ですので、基本的に僕は管理業務では残業にならないように業務を組み立てきていましたので、当然それをそのまま引き継ぎで教えているのですが、後任から質問がありました。
『今までいたどの事業所の管理者さんも、みんな残業してました。夜の9時や10時が当たり前だったりを見てきましたが、私は残業しなくていいのですか?』
管理者は残業しないといけないと思っていたようですし、残業しないとこなせない仕事量があると思っていたようです。
実際は得意不得意はありますので一概には言えませんが、利用者さん60人くらいまでの管理ならギリギリ残業にならないくらいのボリュームだと思っています。
デジタル化・ICT化が進んでもっと管理効率が上がればもっと省力化できるとは思いますが、紙媒体の管理作業で管理者一人で管理しきれるボーダーはこの辺りと思っています。
過去に130人の管理を一人でした事がありますが、とても管理しきれる量ではなく、当然長時間の残業を強いられましたが、その時も諦めずに無駄を省いて効率化をしてきたので、その経験が生きています。
なので、この辺の話も伝えつつ、まず残業ありきで仕事を組み立てたら絶対に残業はなくならない。
他の管理者がどんな仕事をしているかはわからないけど、いま教えているやり方でやっていればまず残業にならないし、実際に3月はほとんど残業にならずに仕事が終わってるよね。そういう事だよ。と伝えましたが、すごく不思議そうな感じでした。
それに後任さんは、結構無駄な事は省きたいみたいで、そういう考え方は要所要所で伝わってきていたので、まずはこのやり方をしっかり覚えて、無駄と思う事は後で省けばいい。
これは僕なりにミスがないようにあえてダブルチェックになるような仕組みにしている事もあるので、そこが見えた段階で改善できる部分は改善したらいい。と伝えています。
実際に、僕の教えた段取りを省いた実務をしていて、ミスが発生していたので、ここの段取りを省くとこういうミスに気付けないよ、と教える事もできました。
言われたことだけやる人はなかなか業務改善はできませんが、無駄を省きたい、僕みたいにできるだけ楽をしたい、と思うひとは業務改善ができると思います。
後任さんには、そういう資質があるからそこも大切にしつつ、ミスに気づける仕組みづくりも大切で、あとからミスのリカバリーをする事になると精神的にも時間的にも辛くなるので、自分でダブルチェックできる仕組みはきちんとつくっておきなさいよ、と助言しています。
まぁそこもミスを積み重ねて自分で工夫できるタイプなのでお節介かもしれませんが、助言として伝えました。
5月からは一人なので、フォローは電話やテレビ電話でできるようにしてありますが、そうは言っても日常的に一人で踏ん張る事になるので、あと少しの期間にどこまで大切な事を伝え切れるかが勝負です。